女(男)は苦悩する…

どうなるんだ……俺の人生。


「訳ありの訳なんだがココール君……」


キョウヤさんが事情を全て話してくれた。


「なるほど、にしてもロリアンさんは

とても美人ですね、これは貴族連中に狙われる訳だ」


「ココール君、仕事は終わったのかい?」


「えぇ、勿論終わりましたよ」


「流石ココール君」


「それと疑問なんですけど……男?」


「そうなるよな……」


「よかったじゃないですか、レイジーさん、事実上の結婚ができますよ」


「いや、私レズビアンじゃないし」


「一応、成立しますよ?」


「ココール君?」


「私が嫌なんですけど」


いや、よくよく考えてみれば異性と結婚となると、俺は野郎とイチャコラしなきゃならんのか?


……死んでも嫌なんですけど!

というか一回死んでるんですけど!


ならレイジーさんと結ばれるのは

アリ……なのか?


いや、結婚しなきゃいい話かw。


「ロリアンさん、レイジーさんならお金はたんまりあるし、それに優しいですよ?」


「……ココールさん、何が言いたいのですか?」


「……レイジーさんと結ばれないと、

野郎共もと結ばれることに

なりますよ?」


「なら結婚はいいです」


「ロリアンさんが望むなら私は……

人肌脱ごう!」


「レイジー、少し黙れ」


「もちろん!身体も捧げ……!」


おっと、それ以上はイケない。


「馬鹿野郎!てめぇ一回死んでこい!」


デカい音で何かが砕けた。


「痛ァ!?」


「お前のせいで椅子が1つ壊れた」


椅子で殴ったのか!?


「……お前はよく女の子に優しくするのを見るが、今回は明らかにおかしい」


「と、言うと?」


「必死さが見える」


「?」


「ハッキリ言おう」


「ふんふん」


「お前はロリアンさんに恋してる」


「……いやキョウヤに恋って言われても」


「たしかに説得力は無い!が、一目瞭然だ」


そうなのか……


「ロリアンさん」


「はい」


「気持ち悪いと思ったりするかもしれませんが、悪い奴では無いので少しだけでも

考えてやって下さい」


「キョウヤ……!」


たしかに……人の恋心を気持ち悪いって言うのは違う、真剣に考えてみようかな……

この人と、結ばれるのを。


さて、それはそれ、これはこれとして。


「あの、1つ質問いいですか?」


「何なりと」


「トイレって何処にあります?」


「入口を曲って左ですね」


「あと……」


「はい?」


「トイレの仕方分からないです」


「「「あ」」」


俺は人生最初の大きな壁にぶち当たった、トイレという壁に……




「……とりあえず、レイジーとミラー頼む」


「わかりました」


「わ、私は……」


「?どうしたレイジー」


「……なんか、凄い葛藤してますね」


「……マジの恋心じゃねぇのか」


「あの!」


こっち結構本気で決壊寸前なんですけど!?


「こっちです!ロリアンさん」


ミラーさんに連れられトイレへ。




「ふぃ〜」


危うく17歳で漏らすとこだった。


「出来ましたか?」


「はい、お陰様で」


「気になったんですが、ミラーさんのその耳と尻尾って本物ですか?」


「本物ですよ、ちゃんとほら」


耳がピコピコと動く、それに尻尾は嬉しそうにフリフリと振っている。


「本物……だ……本物のケモミミだ!」


「ケモミミ?」


「あ、いえこっちの話です」


「そう言えばロリアンさんはこれからどうなされるのですか?」


「どうと言いますと?」


「話を聞く限り泊まる場所が無さそうですが」


「あ〜……」


やっべぇ、そう言えばそうじゃん。


「ま、まぁ、レイジーさんに言えばなんとかしてくれますよ……きっと」


「……わかりました」


次の壁は寝泊まりできる所探しのようだ。

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