希薄な関係の実妹と、女友達のいる俺が、学校一の美少女と付き合うことになったら、おっぱいを見たり、感じたりする機会が増えたのだが⁉
第31話 えっとさ…友奈? 相談したいことがあるんだけど、少しいいか?
第31話 えっとさ…友奈? 相談したいことがあるんだけど、少しいいか?
夏芽先輩は具合が悪そうで、食事処で昼食を食べ終わった後、彼女を家まで送ってあげたのである。
家の玄関先でも体調が優れないようで、ハッキリとした反応が返ってくることはなかった。
夏芽先輩の笑顔を見たい。
だから、先輩の体調を気遣うように、余計な話をせず、すぐに彼女の家から立ち去ったのである。
夏芽先輩の家には家族が居るようで、後のことは問題なさそうだった。
明日からのことだが、先輩の体調を考え、明日は休み。
月曜日はどうなるかだが……。
今日の午前中、夏芽先輩がプール施設で、男性らに絡まれていたのである。
その件について、先輩はすべてを語ったわけではないと思う。
彼女の表情的にそう感じたからだ。
まだ話していないところが多々あると思われ、あとは先輩次第である。
来週までに体調が整えばいいのだが、今のところは様子を伺うしかないだろう。
「……大丈夫なのかな……」
自宅に向かって道を歩いている浩紀は、独り言を呟く。
夏芽先輩とのことは誰に相談すればいいのだろうか?
そもそも、相談して解決するものなのだろうか?
「……んん、あ、そうか」
浩紀は言葉を漏らす。
相談するとしたら、妹の友奈が一番の適役だろう。
自宅に戻って、一応、話しておこうと思った。
後は、先輩をサポートする形で、彼女にアドバイスした方がいいのかもしれない。
そうこう考えている内に、浩紀は到達していた。
自宅を前に扉を見る。
そして、扉を開け、玄関に入ったのだ。
「ただいま」
浩紀は軽い感じに言い、家の中に上がった。
「おかえり、お兄さん」
キッチンの方から妹が姿を現し、玄関のところまでやってきて、お出迎えしてくれたのだ。
「お兄さん、結構早い帰宅でしたね。私、てっきり、夕方くらいになるかと思ってたので。まだ、夕食とか作ってませんよ」
「いや、別に夕食はいいよ。というか、今、三時にすらなってないしさ」
「ですよね。時間帯的に昼食ですよね? それはそうと、お兄さんはお昼食べてきましたか?」
「食べてきたけど」
浩紀は言った。
「そうですか……私の昼食、ドーナッツだったので。それにあともう少しでお菓子の時間ですし。一緒にどうかなって、思ったんですが」
「……ドーナッツか。それ、買ってきたの? 作ったの?」
「作りましたけど? 私のだとダメですか?」
「いや、そうじゃないよ。まあ、友奈が作ったものなら食べるかな」
「はい。では、持ってきますね。お兄さんは、リビングにでも行っててください」
「ああ、わかった」
二人は玄関先で別れた。
浩紀はリビングに入るなり、直でソファに向かい、そこに腰かける。
友奈の作ったお菓子を食べるのは、久しぶりな気がした。
楽しみにして待っていると、キッチンの方から妹がやってくるのだ。
「これです、どうぞ」
友奈はソファ前のテーブルに、数個のドーナッツがのった皿を置く。
「ありがと」
浩紀はお礼を言う。
実際に買ってきたものかと見間違うほどのヴィジュアル。
ドーナッツは綺麗な色合いであり、見ただけでも良い匂いが漂ってくる。
それほど、魅力的なお菓子だと認識できてしまうのだ。
浩紀は友奈のドーナッツを食べることにした。
ドーナッツを手にする前、右隣に友奈が腰かける。
浩紀がドーナッツを手にした頃合い。
「あのね」
「ん?」
ドーナッツを口にする直前である。
「お兄さんって、明日時間ありますか?」
「え? 明日? どうした、急に?」
浩紀は右隣を見、友奈の出方を伺う。
「あのですね。私。夢姉さんから誘われたんです」
「誘われたというと……まさか?」
「はい。また、あのお店に招待されたんです」
「⁉」
衝撃を受けた。
浩紀は体に大きなダメージを受けたかのように、心臓に負担がかかるのである。
なぜ、このタイミングで、あの店に行かなければならないのかと思う。
浩紀は俯き、切望さを感じた。
けど、夢は昔よりか、料理の腕は上がっているはずである。
多分、問題はないだろう。
「お兄さん、一緒に行ってくれませんか?」
「……あ、ああ。わ、わかった……一応、考えておくよ」
「考えておく、ですか? 明日ですよ? できれば、今返事を聞きたいんですが?」
「……」
浩紀は悩みこんでしまう。
ドーナッツを手にしたまま、硬直してしまった。
明日はフリーである。
夏芽先輩との約束もなく、自由なのだが、もう少し別のことに時間を使おうとは考えていたのだ。
そういや、先輩のことについて、友奈に相談しようとしてたんだよな……。
ここは等価交換でいこう。
そう思い、ドーナッツを手にしたまま、浩紀は再び妹を見た。
「分かった、行こうか。その代わり、少し相談したいことがあるんだ」
「相談?」
「ああ」
今のタイミングで、浩紀は話を切り出したのである。
相談するなら、今が一番のベストタイミングだと思ったからだ。
「相談とは? どういったことでしょうか?」
「それは、先輩のことなんだけど」
「先輩? 夏芽先輩のこと?」
「あ、ああ……」
「……そういえば、お兄さん? 先輩とはどうなったんですか? まさか、付き合っているとか?」
「いや、そういうわけじゃないというか」
まだ、正式に付き合っているわけではない。とも言い切れなかった。
そもそも、表向きは、先輩のマネージャーみたいな感じであり。正式に付き合ってはいないことになっていた。
実際のところは普通に付き合っている。
隠し事があったりするからこそ、あまり友奈に相談することも引けるのだが、しょうがない。
友奈は、兄である浩紀のことを意識しているところが多々ある。
だから、相談内容的に、妹から不快に思われるかもしれない。
迷う感情があるものの、思いっきり言ってみることにした。
明日は夢がいる店屋に行くのである。
等価交換としては妥当だと思う。
「……友奈にはちょっと相談内容があまり好みじゃないと思うけどさ。少し聞いてほしいんだ」
「……はい。わかりました」
意外にも妹は浩紀へと正面を向けて、真摯に話を聞いてくれる姿勢を見せてくれたのである。
「ありがと……」
浩紀はそう言うと――
「あのさ、今の先輩さ。少し悩んでいるようなんだ。だから、少し手伝ってあげたいというか……。悩んでいるならさ、何をしてあげた方がいいと思う?」
「……でしたら、話を聞いてあげるとかですかね?」
友奈は淡々と話す。
「いや、さっき、話を聞いてきたんだ。だから、それ以外には?」
「そうですね」
友奈は悩みこんでいる。
そして――
「先輩が望んでいることをやってあげればいいと思います」
「望んでいること?」
「はい。というか、お兄さんがやってあげたいことを、やればいいと思います。お兄さんが、先輩を助けられるなら、それでいいと思いますし」
「……そうか。そうだよな。簡単に考えればいいんだよな」
浩紀は深く考えすぎていたのかもしれない。
実際、そこまで悩むことでもないのだろう。
浩紀自身が、先輩のためにできることをやること。
その答えというのはハッキリとは存在しない。
ただ、それは浩紀が見つける答えであり、他人を思いやるということは何かを与えることなのだろう。
あとで、自分なりの答えを見つけるしかない。
先輩は今、何を一番望んでいるのだろうか?
そうこう思考していると、右にいる友奈から袖のところを引っ張られる。
「お兄さん。私の話も聞いてくださいね……先輩だけじゃなくて……」
と、妹はなぜか恥ずかしそうに呟くのだった。
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