第5話 俺の視界には、念願の先輩のおっぱいが…けど、
実妹と女友達。
その二人から告白まがいのことをされ、一応付き合うことになった翌日のこと。
放課後――
浩紀は、巨乳を感じつつあった。
巨乳はおっぱい全体の中では普通サイズ。一般人からすれば、巨乳は言葉通り、大きい方だが、おっぱいの世界は広い。一番大きいサイズは超乳である。
その超乳というものは、エロサイトとかでしか見たことがなく、直接的には対面した試しがない。
別名、奇跡のおっぱいというべき存在。
直接見れた者は、ラッキーだろう。
「浩紀? そろそろ、揉んでくれない?」
「え⁉ も、揉む⁉」
プール近くの個室内。
二人っきりの環境下で、浩紀の視界には水着姿の夏芽先輩が映っていた。
揉むとは……おっぱいを揉むと……⁉
「だから、早くして」
先輩は椅子に座っている。
「……い、いいんですよね?」
「え? まあ、いいから。早くしてよね」
「はい」
浩紀は興奮しつつ、スク水の胸部を大きく膨れ上がらせている、それを両手で触ろうとする。
「ねえ、もしかしてさ。私のおっぱいを揉むと思った?」
「え……ん、い、いや、まさか……俺だって、そうは思ってないですよ。ただ、腕を伸ばす練習をしただけですから」
浩紀は頬を赤らめながら誤魔化し、その場を乗り越えようとする。
「だよね? というか、別におっぱいでもいいけどさ」
「え?」
「別にいいよ……というか、浩紀ってやっぱり、変態じゃん」
「んッ……それは違いますけど」
「そんなに誤魔化さなくてもいいのにさ」
先輩はニヤニヤと笑い、普段通りに浩紀を弄んでいる感じだ。
「浩紀って、学校では真面目系で通ってるよね?」
「真面目系って、俺は本当に、正真正銘の真面目ですから」
浩紀はキッパリと言ってのけた。
本当はいつも大きなおっぱいを妄想し、エロサイトを見るほど、真性の変態である。
だがしかし、そんな欲望にまみれた姿なんて他人には見せたくなかった。
変態扱いをされたくないからだ。
「なんで、そんなに変態って言われたくないの?」
「変な目で見られたくないからですよ……そもそも、俺は真面目なんです」
「どこが? さっき、私のおっぱいを触ろうとしてたじゃん」
「そ、それは……違いますから。手の運動的な、そんな感じですから……」
「へええ、そう」
先輩は右手でニヤついている口元を抑え、全力で笑いを堪えている。
「まあ、それはそうとして。それより浩紀? 私の肩を揉んでくれない?」
「はい……」
「最初っから、肩を揉むってわかってたの?」
「わ、わかってますから……揉むっていうのは、肩ってことくらい……」
浩紀は全く分かっていなかった。
悪戯っぽい先輩に、まんまと騙されただけである。
はああ、と内心、ため息を吐き、どっと疲れた。
浩紀は椅子に座っている先輩の背後にまわり、スク水姿の彼女の肩を揉む。
先輩の肩は硬くしっかりとしている。
それなりに、凝っている感じだ。
ふざけた感じな言動が多いものの、何事にも真剣に向き合っている証拠だろう。
「……」
「……」
肩もみだったとしても、女の子の肩を合法的に触れている。
無言で触り続けることに、気恥ずかしさが込みあがってきていた。
「ねえ、浩紀?」
「な、なんですか?」
「私たち、付き合ってるってことでいいでしょ?」
「はい……まあ、そういう約束なので」
今、浩紀は夏芽先輩と付き合っている。念願の大きなおっぱいを持つ女の子と付き合えていることに内心嬉しかった。
実際、マネージャーというのは、表向きの肩書みたいなものでしかない。
先輩と付き合っていることは、誰にもバレてはいけないのだ。
そのための対策。
「……先輩はどうして、俺と付き合おうと思ったんですか?」
「それはね。まあ、なんとなくっていうか」
「なんとなく? ただそれだけですか?」
「付き合ってみたいって思っただけ。そんくらい」
夏芽先輩はアッサリと返答をした。
「先輩は……好きな人っていないんですか?」
「へ? まあ、いるよ」
「じゃあ、なんで、その人にしないんですかね?」
「まあ、なんだ、浩紀は私の練習相手的な? まあ、そんな感じだよ」
「練習相手?」
「嫌だった? でもさ。浩紀は付き合ってる人いないんでしょ?」
「……」
実妹と女友達。二人の女の子と付き合っているとは言えなかった。
それを口にすれば、先輩と付き合えなくなるような気がしたからだ。
「まあ、そうですね」
なんとなく誤魔化すような話し方になる。
「じゃあ、いいじゃん。それにさ。浩紀をマネージャーにしたのって、恋人を作る前の練習相手ってだけじゃないんだけどね」
「じゃあ、どういうことですか?」
「それはさ、浩紀をちょっと変えたくなってさ」
「変えたくなった?」
どういうことだ?
わからず、浩紀は首を傾げてしまう。
「それより、肩を揉む力が弱くなってるよ。もっと強くね」
「は、はい」
浩紀は両手でスク水姿の夏芽先輩の肩を揉み続ける。
揉みほぐせば、ほぐすほど、先輩はわざと喘ぐ声を出す。
しかも、巨乳が揺れ動き、浩紀の性欲をさらに搔き立てるのだ。
「……」
「ねえ、もう少し強くできない?」
「どれくらいがいいですか?」
「強ければいいわ」
「えっと、これくらいですかね?」
浩紀は少し力を入れて、ツボとなるところを探しながら押す。
「あッ♡ そこ」
「……喘がないでくださいよ」
「そういうの期待してたんじゃないの?」
「してなんか……いないです」
「へえ、そうなの?」
先輩は両手で悪戯っぽく、自身の胸を下から触るように持ち上げ、揺れ動かす。
「ねえ、肩の方はいいから、こっちの方も揉んでくれない?」
「いや、いいです」
「そんなこと言うなんて、ムッツリでしょ?」
「そうじゃないですから……」
「本当は触りたいんでしょ?」
「違います。俺は、本当に真面目ですから」
「真面目? じゃあ、勉強の方はどうなの? ちゃんと授業に集中できてる?」
「はい。できてますよ」
浩紀は肩から一旦、手を離しながら言う。
「へえ、テストは? どうなの?」
「普通に……その……」
「なに? どうなの? もしかして、エッチなことばっかり考えてて、真剣にやってないんでしょ?」
「……」
「図星なの?」
「……」
「へえ、そう。やっぱり?」
「俺は、何も言ってないんですが?」
「でも、何も返答しないってことは、本当って事でしょ?」
「……はい」
浩紀は仕方なく頷いた。
先輩と一緒にいると、聞かれたくないところまで深く掘り下げられることが多い。
なぜか、素直に話したくなってしまう不思議な感覚に陥るのだ。
「でもさ、真面目っていう割には、ちょっと適当なところが多いよね?」
「そんなことは……」
「肩もみだって、なんかちょっと下手だったし」
軽くディスられる。
「……すいません」
「じゃあ、うまくなるためにさ、私のおっぱいでも揉む?」
「揉んでも?」
浩紀は念願のおっぱいを合法的に触れると思い、内心、興奮した。
「けど、その真面目な態度をやめるってのが条件よ。私はね、そういうところを、変えてあげたいの」
「それは……無理かもです」
「じゃあ、おっぱいを触るのはお預けね」
「……」
なんか、悲しい。
目の前には、念願のおっぱいがあるのに、揉めないということに軽くショックを受けるのだった。
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