第41話 エルザ初めて(未満)


『理人くん』に『理人お兄ちゃん』か本当に永かった気がする。


俺の両親はもう死んでいない。


運が良い事に、俺の住んでいた村は裕福な村だった。


その為、そのまま他の家を手伝いながら、生活が出来た。


住んでいた家もそのままで生活させて貰えて、田畑も一旦は村長の物になる物の、俺が成人したら返してくれるらしい。


これは法整備されていないこの世界では破格の条件だった。


俺は転生者…だが、この世界で使える様な知識は無い。


そんな俺に1つだけあった物…それは『大人ながらの要領の良さ』だった。


子供が良い子にするのは難しい、だが、大人の心と知識を手にしている子供が良い子になるのは難しくない。


村の中限定であれば村長は王様で、大地主は貴族だ。


だから、頑張った。


遊びも減らして、お手伝いもし、村で評判の良い子になった。


幸いな事に同じ位の歳の子は男2人に女3人…男の方が少ないから結婚であぶれることは無い。


ガイアは男前だが、相手に早々とマリアを選んだ。


三人ともそこそこ可愛いから、態々揉める事も無い…エルザかリタから選べばよい。


ガイアの家は裕福だし…村の有力者、ガイアが村長に将来なる可能性もあるからな。


リタは普通に可愛いが、この世界、特に村では人気が無い子だから、リタが良いかも知れない。


俺は虫食いで前世の記憶が全部あるわけじゃ無い。


ナンパしている記憶や女の記憶、友人の記憶はあるが…親や家族の記憶はない。


一人の記憶ばかりだから、今世だけじゃなく前世も家族に恵まれてなかったのかも知れない。


その心の隙間を埋めるのが恐らく、ナンパを含む男女交際だったのかも知れないな。


モデルの卵やレースクィーン、かなり可愛い子を抱いていた。


だが、抱けるだけでその中で俺を本気で愛している女が居たのか?


口では言っていたが…怪しい物だ。


だからこそ、キャンパスで見つけた地味なバカップルが羨ましく思えた。


多分、あれが『本物のリア充』なんだ、そう思えた程だ。


『勇者』…別になりたくない。


『貴族、王』…なんだかメンドクサイ。


『少し贅沢出来るお金』と『惚れた女』それ以上を俺は欲しいと思わない。


『1人で良いんだ』


そう思っていた俺に優しい笑顔でほほ笑む二人が居る。


「理人くん」


「理人お兄ちゃん、どうかした?」


「ああっ考え事していた」


幸せだな今の俺は…


◆◆◆


俺もガイアの事を言えないかも知れない。


『1人だけで良い』そう思っていたのが『2人になり』気がついたら『3人とも欲しくなった』


もし勇者パーティじゃ無ければ『1人を選ぶ』しか無かった。


それが『三人』という選択肢が貰えた…此処だけはガイアに感謝しか無いな。


今夜これから来るのは『エルザ』だ。


エルザはボーイッシュな感じの女の子…

前世で言うなら、剣道少女、もしくは陸上とかで日焼けしている部活少女で性格が…男に近い。


思い出も、魚釣りした思い出や虫取りした思い出…更に言うならガイアと殴りあっていた思い出すらある…エルザに対して男みたいな思い出しかない。


小さい頃、ガイアはオーガ女とか馬鹿にして捕まって殴られていた記憶がある…負けたのはうんガイアだ。


それも齢が上がるとともにお淑やかになってきたけどな。


トントン


俺の返事を待たずにドアが開いた。


「やぁ理人、来てやったぞ…性処理すればいんだよな?」


まぁこういう奴だ。


「いや、確かにそれだが、違う…『愛の営み』って奴だよ」


「いや愛とかは解るが、その『営み』って奴が解らない…私は理人に世話になりっぱなしだし、良い奴だという事は知っている。男の中で理人以上に好きな奴は居ない、だから『愛している』それは多分間違いない…だから、理人がしたい事はなにしても構わない、だが私からどうして良いのかは解らないんだ」


「そんなの気にしないで良いんじゃないか? 好きとか愛しているに形なんか無いだろう…俺はエルザが好きだから、俺が好きなようにエルザを愛するし、もしエルザが俺を好きならそれに答えてくれれば良いだけだ…こんな風にな…うぐっううんうん…ぷはぁ」


俺はエルザに近寄りキスをした。


舌を絡めるような濃厚な奴だ…エルザは受け入れてくれたが、何をして良いのか解らず舌は動かせていない。


「いきなりだな」


「だが、エルザは嫌がらないで受け入れてくれた、これが..うんぐ?!ううんううっ」


いきなりエルザがキスしてきた。


「うぐううんぷはぁ…さっきのお返しだ…あはははっ理人驚いている…これからする前に聞いておきたい事があるんだ、本当に私も一緒で良いのか?」


「なんで、そんな事聞くんだ?」


「ほら、私って女じゃないみたいだろう? 性格だってこんなだし、体だって鍛えているからゴツゴツしているし、手だってゴツゴツしている…その私としたって、女じゃなくて男としているみたいに思えるんじゃないか? ガイアにも村男やチビにも陰口を叩かれていたし…」


「ああっ、オーガ女って奴か」


「そうだよ…態々言葉にだすなよ…理人デリカシーが…なんで私の手をとる…あっなにするんだ…ああっああ、おい、なぁ理人」


俺はエルザの右手をとると、そのままエルザの人差し指と中指を口に含んだ。


「あ~む…言いたい奴には、うむあむ…言わせて置けばいいよ、俺はこんな事が出来る位にこの手が好きだからな」


「こんなゴツゴツした手が好きだなんて…お前位だ、あははぁくすぐったいよ…うう、ムズムズする」


俺はエルザの指を口から離した。


涎で糸が出来てなんかエロイな。


大体、三人は顔が凄く綺麗で整っている。


マリアはある意味付け込むすきが一切無い。


その点リタやエルザには他の人間から見て付け込む隙がある。


それだけだ…リタがチビで貧弱そう…エルザは男みたい。


その二つだ。


エルザは恐らく『母親や父親には凄く受ける』まぁリタと逆だ。


力があって丈夫、農家の娘にはもってこいだ。


その反面、男からは…微妙だ。


恐らく、その容姿は、多分本当の所は嫌ってないと思う。


だが、その身体能力の高さが嫌われる原因じゃないか…俺はそう思っている。


小さい頃から、冒険者か騎士に憧れていたエルザは体を鍛えていた。


そして、喧嘩も強く男の子にも負けなかった。


この世界は男尊女卑が前の世界より強い。

きっと…エルザに勝てない男が、そう言っているだけだ。


俺にはそんな『貧弱ボーイ』みたいな考えは全くない。


前世で言うなら『汗が輝くスポーツ少女』『剣道小町』『美しすぎるボディービルダー』を合わせた感じにしか見えない。


充分可愛く、綺麗だ。


「確かにエルザは男みたいだな、小さい頃から一緒に馬鹿やったし、更に言うなら、女の子の癖に裸になって一緒に川遊びまでしていたしな」


「ほら見ろ、やっぱり手が好きだなんて言っても女とは見ていないんだろう? ガイアと同じだ」


「あの馬鹿、何か言ったのか?」


「ガイアは何か言ったのか?」


「ああっ何回も言われたよ…男みたいな体ってな」


「あの…それで何でガイアの物みたいな顔してたわけ? お揃いの指輪までしたじゃん」


「必要だと言ってくれたからだよ」


「それは…」


目を悲しそうに伏せたな。


「まぁ別の意味だろうな…戦力としての意味が大きいんだろうな、そういう意味も全くないわけじゃ無いが、薄いと思う…その証拠に二人には良く抱き着くけど、私にはそう言うのは全くなかったよ、あはははっ笑えるだろう」


彼奴『なにやってんの?』


「男らしい…それが何か問題があるのか」


「問題だらけだろう…女として見れない…そういう事じゃないか」


「俺にとってエルザは普通に可愛い女の子に見えるよ」


「そんな訳ないだろう? さっきだって『男みたい』って言っていたじゃないか?」


「俺にとってエルザは『親友』であり『可愛い妻』だ…男みたいに竹を割ったような性格の親友に、女らしい可愛いらしい性格を持った可愛い妻、両方持っているなんて最高じゃないか?」



「なっなななな…理人」


顔が真っ赤だな。


「ほら、ちゃんと女らしくて可愛いじゃないか」


「そうか、理人がそう思っているなら、それで良いんだ…そうだ、あははっ、早速しようか? ほら、えいっ」


そう言うとエルザは手早く服を脱いで、裸になってしまった。


まぁ良いか…


「それじゃ、お風呂でも入るか…」


「お風呂? すぐにしないで良いのか?」


「時間はたっぷりあるんだ、ゆっくりしよう」


「解った、それじゃ早速入るか」


風呂場に行くと体も流さず、そのまま湯舟にエルザは入っていった。


前の世界だったら怒られるな。


「久しぶりだな、こうやってお風呂に一緒に入るのは」


「そうだな、私だって女だ…流石に大きくなったら…こら」


「そうだな」


「おい、いきなりは、ああっそんな、そんな所迄、そこ触るのは駄目だっ、なんで私の腰を浮かそうとするんだ、そんな、それじゃ丸見えじゃないか…ばか、恥ずかしい…いや、そんな所迄、恥ずかしい、流石に恥ずかしいぞ…ああっ」


そういえば、二人の時は…湯舟ではして無かったな。


前世の風俗店じゃ、湯舟の中でもするテクニックがあったな。


「ちょっ、そんな…なんでそんな手慣れているんだ…ハァハァ」


「俺は大好きなエルザに自分がしたい事をしているだけだって」


「だからって」


結局、俺はエルザを湯舟で2回、シャボンを使って2回逝かせた。


エルザも途中から負けん気が強いから俺の真似をしだした。


一生懸命に拙いながら頑張るようすは凄く可愛く俺も1回逝ってしまった。


「凄いな?!これじゃ、マリアやリタが変わる筈だ…えっ理人、何をするんだ!」


俺はエルザをお姫様抱っこした。


「嫁さんになるとこんな事もしてくれるんだな…うんうん幸せだ…これから一緒に寝るのか?」


「エルザ、夜は長いって言ったじゃないか?」


「え~と、それは…そうかお話でもするのか?」


素なのか、それとも恥ずかしくてはぐらかしているのか?


「違うだろう…お風呂の続きをするに決まっているじゃないか? そうじゃ無かったら、体拭いたあと服着るだろう?」


「ああっ、そうだな…」


俺はエルザをベッドに軽く放り投げ、そのまま押し倒した。


「ちょっと、また、ああっそんな所…うそ、それは汚いってそんな、そこはああっ駄目だってそんな」


お風呂と違ってベッドだと色々な事が出来るからな。


もう何回逝かせたか解らない。


多分10回位は逝かせた…


その横で、エルザは俺の体を今もまさぐっている。


凄いな…『剣聖』 凄い体力だ…


「そろそろ寝ないか?」


「いや、私ばっかり逝って悪いからな…私もがんばらないと、れろっ」


「エルザ、俺は充分満足しているから…」


「そうか…私は満足していない、私ばっかり気持ちよくして貰って、理人は2回だ…せめてあと一回行くまで頑張る…これは私の意地だ」


生真面目で頑張り屋…こういう所も、可愛い。


強くてカッコ良くて頑固で…可愛い。


何故、それが皆に解らないのか…な。


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