第33話  引き渡しとリア充

ガイアハーレムの第二陣が来た。


見た感じでは、妖艶な女性ばかりだ。


胸が空いたドレスにスリットの入ったスカート。


悪く言えば品が無い。


良く言えばセクシー、そんな女性ばかりだ。


今回は『王国ホテル』で食事をしながら顔合わせをする予定だ。


予約は俺がしたが支払いはガイア…まぁブラック小切手があるから大丈夫だな。



名前や詳しい境遇は敢えて聞かなかった。


教皇様との通信水晶越しの話では『わけあり』の令嬢ばかりだそうだ。


中には結婚して旦那を腹上死までさせたという不名誉な令嬢もいる。


トラブった時に頼られても困るから、簡単な挨拶に留めた。


「俺の名前は理人だ、一応勇者ガイアの親友だが今日限りで忘れてくれて構わない、君達にとって唯一尽くすべき男性は勇者ガイアだ…そしてガイアはよく言う『英雄色を好む』の典型的タイプだ、今日此処にいる貴方達は色事にたけた女性の筈だ…頑張ってくれ、無事妊娠した後の褒美はもう各自聞いていると思う、誘惑し常に勇者に愛されるように励んでくれ」


「あの…それは貴族としての慎みも気にしないで良いという事ですか?」


「そんな物は要らない。色仕掛け、破廉恥なんでもありだ、人前ですら気にしなくて良い…勿論、ガイアに嫌われない様に細心の注意をしたうえでだが」


「いきなり裸でベッドに突入しても咎められませんか?」


「最初に言ったように…何でもありだ、ガイアが拒まないなら人前で押し倒して行為に及んでも構わない…今の君たちのライバルは元娼婦、そしてガイアは『色を好む』ある意味、そこは戦場だ」


「それは素晴らしいですわね…じゅるっ」


「本当に良いんですね? 私…こんな見た目ですが性欲が強くて困っていたんです」


凄いなまるでカエルを見つけた蛇だな。



「頑張って、ガイアを虜にしろよ!今のガイアは権力もお金もある、気に入られれば何でも手に入るからな?」


「宝石は、私宝石に目が無いのよ」


「幾らでも…王宮ご用達のガルガリのこの街の支店長がガイアの相談役だ、上手くねだればガルガリの宝石は君の物だよ…金貨30枚位の奴ならもう既に今の側室は2個は買って貰っている」


「素晴らしいですわね…やる気が出てきましたわ」


「今のガイアなら、大抵の物は買える、何でもおねだりするが良い…ただこれは此処だけの話だ、絶対にガイアには言うなよ」


腐っても貴族の令嬢だ口は堅いだろう。


◆◆◆


王国ホテルに着いた。


「今日から此処が君たちの住むホテルだ…勇者は旅生活になるが、このランクのホテルに泊まる事が多い、ただ田舎だと流石には宿屋になるが…さぁ皆の為にガイアが宴を開いてくれている…ブッフェ式だから自由に楽しんでくれ」


「「「「「「はい」」」」」」


ガイア…凄いなこれ…規模こそ小さいが、楽団もいて曲を奏でている。


まるで王族のパーティだな。


◆◆◆


俺はノックしてガイアの部屋に入った。


「凄いな…」


女四人を侍らせた状態のガイアがそこに居た。


まるでリア充その物だ。


しかも下着はつけているものの三人は裸に近い。


「だろう? 理人は俺の親友だからな、見せてもいいんじゃないかと思ってな」


「そうです! 気になさらないで大丈夫ですから」


「まぁ、私達は体が自慢ですから、見られるのは気になりません」


「ええっ、この位なら」


「触らしてはやらないが親友だから、好きなだけ見てって良いぞ、この4人は絶対に手放さないが…欲しければ何時でも俺に言えよ、買ってやるからな」


「そうだな…将来そういう時が来たら頼むわ」


絶対に来ない…うん…こない。


「ああっ、任せておけ」


「それじゃ6人は下に居るから手がすいたら行ってやってくれ」


「ああっ解った」


「それじゃ前回の事があるから3日間位はガブギの街に居るけど、問題ないようなら俺たちは旅立つからな」


「ああっ確かバカンスに行くんだな」


「そうだ、ガイア程じゃないが俺も骨休みさせて貰う、何か困った事があったら通信水晶で連絡くれ…あっあれ」


「ああ気が付いたか? もう1人増やしたんだ」


「あのよ…ハーレムは平等に…」


「大丈夫だ、三人から薬を貰っているから平気だ24時間でも頑張れるぜ」


「それは…大丈夫なのか?」


「はい、私達の秘薬は副作用無し…夜はビンビンになり、強敵と戦う時は臆病風に吹かれなくなり高揚感が増します、優れものなんです」


「ついでにエルフの秘薬も使ってます…こちらも副作用なしです」


可笑しいな…ハーレムの主で女を侍らせているガイアが…飼われている様に見えるのは俺だけだろうか?


「そうか、ガイア、体に気をつけて頑張れよ…あと討伐もしっかりしろよ」


「ああっ、解っているって」


「そうか…それじゃ俺はいくわ」


「折角だから、パーティで食っていけば良いだろう?」


「このパーティはガイアハーレムのパーティだぜ、皆で楽しんでくれ…俺は家でささやかな晩餐を食べるとするさ」


「そうか…それじゃあな」


「ああっ」


俺は王国ホテルを後にした。




※ あと数話で第一部ガイア編が終わる予定です。



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