第28話 ガイアにサプライズ③
「ガイア、次が今回のサプライズの本命『ガイアハーレム』だ」
「まさか、前に話していたあれか? 嘘だろう! あれが本当に実現するのか? あ~心の親友だ」
凄いな…長年ガイアと付き合ってきたが、こんな顔のガイアは見たことが無い。
今なら殴っても軽く許してくれそうだ。
だから、思い切って殴ってみた。
勿論、軽くだよ…軽く腹パンした。
「てぃ!」
「理人、いきなり腹を殴ってなんの真似だ」
驚いた顔をしているが、怒ってないな。
「多分、これから最高の者が手に入る…だが、ある意味戦場なんだ…気を引き締めろって意味だ」
本当はただ試したかっただけだけどな。
「そうなのか…楽しい事だらけだと思うが?」
「楽しい事も沢山あるが、大変な事も沢山ある、それがハーレムだ…ガイアは経験がある筈だ」
「別にないぞ」
ガイアは本当に能天気と言うか…ある意味本当の勇者だ。
「あのよ…今の俺の嫁三人は一応元ガイアの恋人だっただろう? あの三人にイザベルとジザベルを加えたら血の雨が降りそうじゃないか?」
「ああっ聞いただけでも寒気がしてきた!」
「だろう? だから、これから今後について話そうと思う…凄く大切な事だ」
「解った!聞くよ」
少し前のガイアなら聞く耳持たなかっただろうな。
だが、此処迄お膳立てしたからかちゃんと話を聞いてくれそうだ。
◆◆◆
「ハーレムには大きく二つある『一つは全員が平等なハーレム』『二つ目は、ちゃんと序列があるハーレムだ』」
これに失敗すると大きな問題になる。
俺の所はまぁ完全に『平等』こう決めている。
「何となく言いたい事は解った『優先するか』『平等に』という事だよな?」
「その通りだな、どちらにするかはガイアが決めるんだ」
「解った」
凄くキリリッとした顔をしたが多分解ってないだろうな…
「それとハーレムを作るからには『必ず体の関係を持つこと』そうだな、最低でも1週間に1回は必ず相手する事、勿論一切の避妊はしないで中に出せよ…」
大体ハーレムはイチャコラするのが本筋じゃない…それはあくまで『子作り』の延長線上にあるだけだ。
「あのよ…俺は構わないが、そんな事して構わないのか?」
ある意味、ガイアは勇者だから、今まで我慢させられていた。
真逆の話を聞いて驚いただろう。
「本当に呆れた…ハーレムは子作りの為にあるんだぜ、子供を作るのを優先するのが当たり前だ、逆に子供を作らないならこんな物は作らない」
「だがよ…妊娠させたらどうなる? 旅に響くだろう?」
此奴…何時から可笑しくなったんだ。
また馬鹿が進行した気がする。
「あのな…ハーレムのメンバーは戦闘要員じゃない、普通に子供を産めば良いだけだ」
「そうか…だが、その子はどうなるんだ?」
「ガイアが好きにすれば良い…一緒に育てるもよし『妊婦なんか要らない』と国に返すも良しだ、最初に言っておくけどハーレムのメンバーはガイアが気に食わないと思ったら、何時でも交換するから言ってくれ…まぁ『やり捨てゴメン』だ…まぁ出来る事なら妊娠させて捨てるのがベストだな」
「お前…そんな鬼畜みたいな事して大丈夫なのかよ…」
「ああっ、大丈夫だ…これはガイアが勇者だから可能なんだぞ、まず妊娠したら各国から『莫大な一時金』が妊娠した女性に支払われる、そしてその後は各国が保護しながら一生面倒を見る、まぁ家を買って貰えて働かないで一生を過ごせる位の保証はある…だから『妊娠』させてやった方が幸せんだ…頑張れ」
「本当に良いんだな、だが何故そこ迄…」
「それは聞かないでくれ…親友の為に裏技を使って頑張った..そう言うことだ」
「ありがとうな、お前は本当に…俺の親友だ」
「そう言って貰えるなら苦労したかいがあったもんだ」
「ああっ本当にありがとうな」
「それで、ハーレムの構成なんだが…」
「まだあるのか?」
「これで最後だ、このハーレムの第一陣には、聖教国、帝国、王国からそれぞれ2人ずつ計6人加わっている…最初のお試しみたいなもんだ、一緒に居て面白くないと思ったら、すぐにチェンジするから言って欲しい…また増やすのは自由だ、但し各国同じにする事、例えばもっと欲しいなら各国1人増やして9人には可能だ…だが帝国だけ1人増やして7人とかは無理だ…あと増やした枠は減らせないからな」
「そうか…ならケチケチしないで倍に増やすか?」
「あのな…そんなことして体がもつのか? もう9人なんだぜ、体を考えて行動しろよな」
「そうだな、解った」
「あと、これからの事だが、ハーレム迄持ったガイアは俺の嫁と一緒に行動しにくいだろう?」
「ああっ、確かに気まずいな」
「雑魚の相手なら別行動で充分だ…幹部クラス相手や魔王討伐の時に共闘する、別動隊みたいに俺たちがなれば良いんじゃないか…そう思うんだがどうだ」
「それ良いな! 俺あいつ等と実はもう話したく無かったから、窓口は理人がしてくれ」
一応は幼馴染なんだけど…ある意味スゲーな。
「ああっ、そう言うと思っていたよ…ほら」
「これは通信水晶じゃないか?」
通信水晶はスマホや携帯じゃなくトランシーバーみたいな物だ。
対になる一台にしか繋がらない。
「ああっ俺とガイアの間の通信用に教皇様がくれた、今後はこれで連絡してくれ」
「こんな物まで貰えるんだな…これ凄く高価なんじゃないか」
「勇者だから当然だ! あとついでにもう一つ」
「まだ、何かあるのかよ」
「俺は顔合わせに最初立ち会ったら、チョチョリーナを身請けしてくる…その清算をしようぜ、その方が楽だろう! チョチョリーナはそのまま、二人が居るホテルに連れていこうと思うがどうだ?」
「なんだか悪いな」
「構わない…だが一つだけ悪いと思うなら、1度で良い、俺に詫びろ!」
「何を怒っているのか解らないが親友のお前が怒るんだ、詫びるから、理由をいえよ」
「俺の追放未遂の話だ…あの時俺は本当に傷ついたし、4人が居なくなると思って凄く辛かったんだ」
「そうか…俺もあれは『俺が悪い』そう思っていたんだ、俺にとって大切なのはあんな3人じゃなくて『理人』お前だった…これは本心だ…『済まなかった』」
なんでだ…俺はこれを聞きたかったのに…凄く薄い気がする。
「ああっこれでもう良いさ…さぁ清算が済んだらいよいよハーレムだぜ」
「ああっ」
俺はリヒャールさんを呼ぶとチョチョリーナの代金に足を洗うご祝儀に2割足した金額でブラック小切手をガイアに切らせた。
娼館だとまだブラック小切手は使えない。
だから、ガルガリでお金を清算して貰わなくてはならない。
その為の手数料が15パーセント、そして担当してくれた人間に5パーセント入る様にした。
これなら面白味が立て替える側にもあるだろう。
◆◆◆
「さぁお待ちかねのガイアのハーレム要員だ」
「「「「「「ガイア様初めまして」」」」」」
6人の美女に挨拶されガイアは…だらしなく鼻の下を伸ばしている。
まぁ、当たり前だ、各国の王が選んだ選りすぐりの美女だ…
多分…これは失敗するかも知れないな。
「それじゃ、後は大丈夫だよな…俺は行くからな」
「ああっ…本当に…凄い…」
「お前は勇者だ、そんなんでどうする、頑張れよ!」
「ああっ」
俺はガイアに声を掛けるとその場を後にした。
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