第8話 二回目の男の遊び


「今日のお店は此処なのか?」


「なかなかの門構えだろう? それで遊ぶ前に、少し話があるんだ」


「なんだ? 何かあるのか?」


「此処の所の遊びだが、俺が暇な時に狩りで稼いでいるんだが、流石にキツイ…教会と話をさせて貰って良いか?」


「親友だから任せるが大丈夫か?」


「これも過去の話だけど、結構相談に乗って貰えるみたいだ『娯楽費』が貰えたり、他にもサポートして貰えるみたいだ…勿論、会計役のリタには内緒でガイア専用で貰えるようにしたいんだが、どうだ?」


「なんだよ、改まって言うから驚いたが、俺に良い事ばかりじゃないか? 任せたよ…なんだか俺ばかり悪いな」


これで教会や教皇と話をする権利が貰えた。


先走って話を進めていた事があるがこれで大丈夫だ。


「良いって事よ…さぁ入ろうぜ」


「ああっ!」



◆◆◆


「これは、これはよくぞいらっしゃいました、勇者ガイア様」


「ああっ、遊びにきてやったぞ」


「お相手は勇者であられるガイア様だ、最高のもてなしを頼むぞ、オールナイトで2人…二輪車でな…」


「ちょっと待て…オールナイトで2輪車ってなんだ?」


「ああっガイアが前の時、楽しそうにしていたけど、時間が短いのを気にしていたから『朝までコース』にしておいたよ、これはこの店には本当は無いんだが、交渉したら店長が喜んでOKしてくれたよ」


「本当か? 悪いな…」


「良いって事よ」


「それで2輪車ってなんだ」


「それは女の子が二人で相手してくれる…そういうコースだ、これも特別に『勇者』だから受けてくれた事なんだぞ」


「そうか、本当に悪いな礼を言うよ!」


「さぁ、嬢がきたみたいだぞ」


「ジザベルです!」


「イザベルです!」


「「今日は宜しくお願い致します」」


「今日も凄い美人だな、ナイスだぜ理人!」


「そうか良かったな、流石に朝は迎えに来なくて良いよな」


「なんだよ理人は遊んでいかないのか?」


「こういう特別な遊びは『勇者』しか許されないからな」


まぁ、通常ではありえないコースだ。

「悪いから1人お前に回そうか?」


「いや、ここはガイア一人で楽しんでくれ、折角特別なコースを頼んだんだ…その代り、明日にでも感想を聞かせて欲しい、あと今日は三人をちょっと豪華なディナーにでも誘うつもりだけど良いよな?」


「ああっ構わないぞ、だけど本当にそれでお前は良いのか?」


「ああっ、俺にとって一番大事なのはガイアお前だけど、他の三人も大事な幼馴染なんだ」


「良いぜ、本当は親友だから口説いちまえって言いたい所だが…立場上言えないが、それで楽しいなら存分に楽しんでくれ」


「ああっそうさせて貰うよ、三人には適当に言っておくからな…それじゃ勇者ガイア様のお相手頼みましたよ」


「ああっ頼んだ」


「「はい」」


ガイアは二人に腕を組まれてそのまま奥に消えていった。


「苦労されますね」


「さっきは脅すような事して済まなかったな」


「良いんですよ、何だか苦労されているみたいで…当店で良ければ、またお力になりますよ」


額面通りに受け取っちゃいけない。


これは『沢山の迷惑料』を払っているからの言葉だ。


「ありがとう、ガイアはその…ちょっと大変なんだ、また変わった事を頼むかも知れないから、その時は宜しく頼むよ」


「はい、何時でもご相談にのりますよ」


俺は店のオーナーに笑顔で見送られ店を後にした。


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