③ カマキリVSセミ
③ カマキリVSセミ
温泉旅館に行った時のことだ。
その旅館には建物の中央に立派な日本庭園が造ってあり、たくさんの部屋から眺められるように、その周りをグルリと取り囲んで各部屋が連なっている。
各部屋には縁側が設けてあり、縁側からお庭が眺められる様になっている。
縁側と部屋は障子で仕切られるので、部屋の中を覗かれるようなこともない。
せっかく立派なお庭があるのだ。しばらく眺めていよう。
ふと、正面に見える大木の枝葉の中に、大人サイズのカマキリが居るのを見つけた。
おぉ、立派なカマキリだ。
カマキリは枝の端の方まで歩を進め、青々とした葉がたくさん開いている中で止まった。
そのカマキリも緑色なので、保護色に紛れたというわけだ。
きっと鳥から身を守っているのかな?
それもあるだろうが、それだけでは無かった。
一匹のセミが飛んできた。
セミはブンブンと音を立てて闇雲に飛んでいる。
偶然にも俺の方に飛んできて、方向転換してカマキリが隠れている枝の下に向かって飛んでいく。
セミがカマキリが居る枝の真下に来た刹那だ!
カマキリはコウモリよろしく枝に上下逆さでぶら下がり、飛んでくるセミの両羽を両腕の鎌でキャッチしたのだ!
人で言うなら『羽交い締め』だ。
ビィィィビビビ、ビィィィビビビ!
バタバタと羽をばたつかせて暴れるセミ。
しかし、カマキリの鎌は外れない。
カマキリすげぇぇぇぇぇぇ
飛んでいるセミをダイレクトキャッチ!
&強靱な顎にダイレクトイン!!!
ガジガジガジガジ・・・・
やはりカマキリは恐るべきハンターだった。
カマキリの超スゲェ動体視力と運動神経と非常な自然の摂理を見た。
カンカンカンカァン
WINNER カマキリ!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
〈あとがき〉
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誠にありがとうございます。
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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