『Zero-Sum Game supported by TGX』の完走した感想文(あとがき)

 クズの一人称小説こと『Zero-Sum Game supported by TGX』(以下、ZSGと表記)が、2024年のバレンタインデーに完結しました。全123話。一二三ですね。


 https://kakuyomu.jp/works/16816927862215689324


 クズの一人称小説に該当するのは第26話からのSeasonYなので、このキャッチコピーが気になった方は第26話から読んでください。作中にも明記しているのですが、第1話から第5話を読んで第26話に飛ぶ、という読み方も許容しています。内容的に、第1話から第5話が導入部で、第26話は第1話の5年前から始まる物語となっていて、世界が第1話の状況に至るまでの過去編となっています。


 関連作品に触れておくと『One-Sided Game』がZSGのクリアデータがあっての2周目です。あと『パーフェクト・デモリション!』も2周目の選択肢違いとなっています。デモリションは公募用としてそちら単体で読める仕様になっていて、SeasonYの内容の凝縮版なので、そちらで履修するのもいいのかもしれません。細部の設定変更がありますが。


 SeasonYについてはSeasonYが完結した時にまとめを書いたので、今回はSeasonXを中心に振り返っていきます。そもそもZSGは『TGX・ポンコツ賢者』を書き終えてから、架空のMMORPGである『Transport Gaming Xanadu』の設定をさらに深掘りしつつ、新たな主人公に四方谷拾肆ちゃんという大天才少女を据えて、大天才少女がMMORPGのメインクエストを無双しながらRTAしていく物語、としていました。SeasonYはSeason Xで書いてきた内容に触れつつ、拾肆ちゃんが拾肆ちゃんとして成立していく歴史を描いていきたかった、のですが、それにしてはSeasonYの主人公・参宮拓三が強烈すぎて、ZSGの作品の印象ならびに秋乃晃の作者像そのものが全部そっちに持っていかれた感はあります。拓三=自分ではないですからね。


 たまに「登場キャラクターに作者の思想を代弁させている」との言説を見かけますが、ZSGにはその意図はありません。ちゃんと書いておかないと言われた時にはらわた煮えくりかえってしまうので、書いておきます。


 SeasonXの内容は『TGX・ポンコツ賢者』と同じ時間軸です。カイリちゃんが転生してから、創は拾肆ちゃんに会いに行っています。中立都市ゼノンで拾肆ちゃんが寝ている頃が、緊急メンテナンスと重なりますね。


 メインクエストのクエスト内容はプロットを作成する時に全部考えました。駆け足になってしまった部分があるので、これから加筆修正はしていきたいです。もっとも加筆修正はSeasonYもやっていかねばならないので、2月中は間違い探しのように中身が変わっていくと思います。


 ラストバトルの相手は一転二転三転ぐらいしました。ゲームの世界の話なので、関係者っぽいビジュアルで出てきても場違いかなと思い、こうなりました。恐怖の大王形式でもよかったんですけどね。球体からドラゴンに変化していくのは異世界じじまごのあるキャラを踏襲していて、その見た目(いろんな色のウロコ)はクライデ大陸のとあるキャラを思い起こしながら書いていますが、とあるキャラについては異世界じじまご本編でも変身後の姿を出していないので、そのうち別作品で触れることになります。拾肆ちゃんの推理は正しいです(一枚一枚がキャラデータである)。


 オチ(行き先はともかく)は最初から予定されていた通りの決着です。元の世界には拾肆ちゃんの思い描くような未来はない(序盤から創はあの世界に救う価値はないみたいな話をしている)ので、別の世界に移動した形です。十文字零(の姿をしたあの子)が出迎えているのは、あれが『One-Sided Game』の世界だからなのですが、あえて名前は出さず(いうて口調が特徴的なので『One-Sided Game』の既読者なら気付いてくれる……はず!)に弐瓶柚二の好物のクリスピークリームドーナツへ行く、というシーンで終わりとしました。ハッピーエンドです。SeasonYのあの波乱万丈の内容から考えて「ハッピーエンド」って言うと嘘みたいに聞こえますが、ハッピーエンドです。


 拾肆ちゃんが合流してからの話は『One-Sided Game』本編で展開していきたいと思っています。物語としての完結は第一部で終わっているので、全体的な完結はさせずに、これからは関連SS置き場みたいになっていくかもしれません。モアちゃんとタクミの物語は永久に続いていくのだぞ!


 公開日が2022年の4月5日で、ゴールデンウィークの時期に黄金都市編がかぶっていました。他の長編を優先してしまったり、カクヨムコン8ではホラー部門(コズミックホラー的な……)に出したりしましたが、電撃の新文芸5周年記念コンテストにかこつけて完結できて一安心です。年度内に完結させると宣言していましたが、宣言通りになってよかったです。


 皆様の感想、お待ちしております。

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