Episode 01 1〜6ヶ月

 あまり泣かない子でした。授乳室のお母さんたちには羨ましがられたけど、おっぱいを吸う力もなんだか弱い。測ったら、本当に少ししか飲めていなくて、自分で絞って哺乳瓶で飲ませたりしていました。

 哺乳以外の時間は、殆ど眠っている、本当に大人しい子でした。


 首すわりが他の子より、ちょっと遅めだったけど、まあ、それでも4ヶ月の終わり頃にはしっかりし始めました。でも、4ヶ月健診では、成長の遅れがあるので、要観察。保健師さんに来てもらうよう指示されます。1ヶ月健診では何も言われなかったんだから、そんな筈無い。個人差の粋じゃないんですか?と保健師さんからの電話も断り、育児書と向き合う毎日でした。


 5ヶ月頃、育児書には、もう始めていなければ遅いはずの寝返りをしないので、これは練習させないとダメなんだ、と思った私は、娘の足をクロスさせて、背中を支える形で、そーっとひっくり返す。なんとか腹ばいになった娘は頭を持ち上げません。これは窒息死するな、と思って、慌ててやめましたが。

 親も遠くにいて、近所付き合いも殆どさせてもらえなかった私には、わからなかったんです。子供って勝手に寝返りをすることが。


 やっと娘が寝返りを覚えた頃、今度は、這い這い。できない。這い這いってどうやって教えればいいの? まずは、座って伸ばした私の足に昇れるくらいの腕力をつけさせねばなりません。それを練習したあと、大好きなおもちゃをちょっと遠くへ置いてみる。なかなか最初の一歩(手なので一歩じゃないんですけどね)が出ない。焦る私。

 6ヶ月。もう皆お座りが出来始めて、早い子だとつかまり立ちをしている頃です。


 やっと「ずり這い」(匍匐前進ほふくぜんしんみたいな進み方)ができるようになりました。

 やった。ゆっちゃん、これで自分の好きなところに行けるぞ!!

 ずーっと「ずり這い」だったけど、私のところへ来たり、自分で好きなおもちゃのところへ行って遊んだり。


 私が嬉しいのが伝わってか、ゆっちゃんは、とてもニコニコよく笑う子になりました。私にとって、娘の笑顔だけが救いでした。可愛かったなあ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る