第2話

 生きていく気力が、なくなってしまった。

 それでも、まだ、この部屋にいる。

 立ち上がる。

 彼の姿はない。脚にぶつかることもなく。

 彼のプレイしていたゲーム。

 起動しようとして。

 やめた。

 思い出が、溢れてきそうになったから。

 彼がいない。

 なぜ。

 しんだから。

 そんなことばっかり考えて。

 どうしようもなくなる。


「あ」


 今日、何日だっけ。

 何か、しないといけないことが。

 あった気が。

 する。

 するけど。

 いいや。


「うあぉ」


 もういちど、ベッドに倒れ込む。

 彼の匂い。

 しない。

 彼がいなくなってから、日が経ったから。

 彼はいない。

 わたししかいない、部屋。

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