第131話・エゴ・サーチ6
なんだろうこれは……。僕は普段通り7ちゃんねるの自分のファンスレを見てそう思った。
そこにはこう書いてあったのだ。
【優しき鋼の心を持った】秋葉リンファンスレPart101【小さな巨人】
明らかにナンバリングが増えすぎている。国内ファンが明らかに増加しているのがわかる。
そもそも、優しき鋼の心とは何なのだろうか……。僕は優しいつもりもない。ただ普通に、自分の憧れた人間像に自分を近づけているだけなのだ。
765:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
人狼見た? リンちゃんカッコよくない? 俺、リンちゃんになら抱かれてもいいわ
766:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>765
リンちゃんにだって選ぶ権利はある
でも、かっこいいは同意。シルフェちゃんだっけ? あの子を守ってる感じがすっごいかっこよかった
てか、普通に頭もいいよね? ハイスペック過ぎない?
767:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
ほんとそれな。多分リンちゃんの体重の9割は才能が詰まってる。
768:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
でもさ、今回のカサ・ブランコの暴走はちょっとやりすぎだよね。
元々暴走体質だったけどさ……。
769:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
でも、リンちゃんが許してるんだ。ファンである俺たちも許す一択だろ……。
それに、あの謝罪文はかなり誠実だったぞ
770:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
謝罪文なかったら俺、カサ・ブランコ荒らしてた。
771:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
多分、荒らさないやつのほうがここには少ないと思う。
772:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
人狼から来たんだけど、なんかごめん。カサ・ブランコって暴走体質なんだよ。
でも、心理衛生管理担当が発足するからかなりマシになると思う。
773:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
カサ・ブランコファンだ! ○せ!
774:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
え? ごめん……。今推し変してリンちゃんファンなんだ……。
775:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
ネタにマジレスカッコ悪い。
○さんから……。歓迎するぞ兄弟。君も今日から秋葉家だ!
774:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
え? 何? 秋葉家のVTuberってファンになると、家族に取り込まれるの?
775:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
正確には親戚扱いになる。ちなみに、正式なファンネームは秋葉親戚隊な!
776:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
マジかー
777:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
ラッキーセブン! ママの放送も見てみるといいぞ。親戚扱いが嬉しくてたまらなくなるから。
あ、ママは秋葉未散っていうVTuberのことな
778:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
OK、時間が合うときに絶対見る。てか、なんでママ?
779:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
秋葉家のVは全員ママがモデル作った。
780:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
それ、化物なんじゃ?
781:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
秋葉に普通の人間はいなぁい!! 全員どっかしら化物だよ
782:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
さすがVの異能集団……
スレッド全体を眺めてもわかる。僕のファンの人は、カサ・ブランコを炎上させる気はもう無いようだ。
次いで、僕はアンチスレを探す。
【性別詐称】秋葉リンアンチスレPart1【女に養われるヒモ野郎】
1:名無し
秋葉リンのアンチ集まれー!
2:名無し
あれ? 集まらない……。
3:名無し
嘘だろ? いないのかよ!!?? あんだけファンいるのに!
4:名無し
しっかりアーカイブ見てみるか……
5:名無し
アンチ生まれる余地ねーじゃねーか!!
ヒモ野郎とか言った自分を殴りてぇ……
6:名無し
リンちゃんアンチスレはネタと倉庫の肥やしにしかならない……
僕のアンチスレは見つかったけど、書き込んでる人がそもそも一人だった。しかも、ファンになったみたいで笑ってしまう。
実は、ログ倉庫を漁ってみるとアンチスレのPart1が結構残っているのだ。二桁レスに到達しているものがない。そして、最後にはスレ主がファンになるという綺麗なオチがついているのだ。
不思議な現象だ。人気が出れば普通賛否両論になる。だけど、僕はファンスレが三桁パートに突入しているのに、否定的な意見が来ない。
炎上とは、今後も僕は無縁な気がした。
最後に、僕はチャンネル登録者数を見た。
5120万人。伸びるペースは五千万人を突破した時点で急激に落ちた。それもその筈、Utubeチャンネル登録者数の世界一位に近づいたのだ。これでも速度が落ちないなんてありえない。
でも、日本人ファンは着実に伸びている。なんと、国内だけで80万人いるのだ。これは誇ってもいいことだと思う。
国内ファンは基盤だ。罵詈雑言を浴びせてくるとしたら、国内のアンチだからだ。自分でも気をつけなくてはならないけど、いざ炎上となればファンは僕を助けてくれるだろう。
だからこそ、僕は国内ファンも大事にする選択肢を選んだのである……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます