愛情たっぷり！ 歳下ママに産み落としてもらったから、僕弟Vtuberになります！ ～僕を拾ってくれたママが全力で才能を見つけてくれたから億万長者！ 帰ってこい？ あなたたちは僕を捨てたんですよ！？～

第60話・エゴ・サーチ４

　配信を終えて、僕はエゴサーチに勤しんだ。今回はアモブロ、里奈さんが教えてくれたところを覗いている。

clockchildのモデルをやっている秋葉リン……！！！くん！！！

　それがブログのタイトル。僕が男だってことを喧伝してるようなのだ。燃えていないと聞いていたから、安心して内容を読み進める。

　最近話題のキッズモデル秋葉リンさんなのですが、UtubeでVTuberをやっていることがわかりました。

　チャンネル概要には性別は書かれていませんでしたが、ブログ主は自身のことを男性だと語っているシーンを見つけました。

　ですが、その前に、一旦ぐっと堪えてこちらをご覧下さい。

https://www.utube.com/watch?v=MalumDiva

　ご覧いただけましたか？

　この歌声はどう聞いても女の子、いや天使です！

　可愛らしい声なのに、歌唱技術も抜群。ブログ主なんて、これを聞くとき、聞く以外の全てを忘れてしまいます。（呼吸は覚えてますけどね！）

　さて、皆さん思ったでしょう、こんな可愛い子が男の子なはずはない！　そんな風に。

　そこで、こちらをご覧下さい。

https://www.utube.com/watch?v=kiriNuKioTokoNokoHatugen

　はい、こんな可愛いのに、自称男の子なんです！

　それがもう、もう！　ブログ主にはたまりません！

　もう今すぐ襲っちゃいたい衝動に駆られます。

　そんな、秋葉リンちゃんくんのチャンネルはこちら！

https://www.youtube.com/channel/RinAkiha-ch-0303

　ぜひぜひチャンネル登録してあげてください

　なんというか、完全に僕を売り込んでくれているようなブログだった。

　ブログには幾つかコメントもついていた。

１　男の娘商法ってやつでしょ……オタクさぁ……

　　みぽりん

２　>>１　マジで男の子だったらどうするの？

　　さーや

３　でもさ、オタクの男の娘商法の可能性だってあるわけじゃん？

　　りん

４　マジ男の子だったら……それはそれでキモくない？　女装じゃん？

　　みあ

５　>>4　いーかげんにしたら？　生まれつき、男物が似合わない子だっているかもしれないじゃん！　それでも、男は男の服着ろってわけ？　考え方古くない？

　　男の娘商法だったら、もうちょっと男っぽい声つくるでしょ。ガチ女の子じゃん。そしたら、ただのそういう体質でしょ？　ガチ男の子説を私は推す。

　　あんな

６　>>5　ぅちも、この子すきだょ。歌、上手過ぎるから。性別は……気にならないょ！

　　りあ

７　>>5　ごめん、そんなん考えなかった。アタシ馬鹿だわ……

　　みあ

８　>>7　わかってくれたんだったらうれしーしいーよ！

　　あんな

９　てか、それより歌だよ。やばくね？　プロも真っ青じゃん。

　　れり

10　そぉだょ。歌、すごぃ。午後だと、引き語り放送やってるらしいょ！

　　りあ

　コメントは最初だけ荒れてて、それが後から覆されていった感じだ。最初のコメントも燃えるまでは行ってなかった。

　なんというか、多少の炎上はあるかもなぁって思ってたのに、そんな覚悟が無駄になってしまった。

「何見てるの？」

　防音室に入ってきた満さんが後ろから抱きついてきた。

　これはえっちじゃない。いい加減、ちょっとだけなれた。でも、やっぱりちょっとだけ恥ずかしい。

「ブログです。僕のこと書かれてるみたいで」

「アモブロじゃん。てか、この感じギャルな子が多いねぇ」

　そう、いわゆるギャル語というのが随所に使われている。小文字にする必用のない部分が小文字になってたりする。

　でも、気持ちは結構わかる。ちっちゃい文字って可愛いもん。

「んー？　これ、コメントがリン君の放送中に書き込まれたやつだ」

　僕はそれを見て気づいた。燃えてると言えなくもないこれを里奈さんが燃えてないと言った理由は、まだコメントがなかったからだ。

「あー、里奈さん今慌ててるかもなぁ」

　僕が観る頃にはコメントが一旦燃えて、また鎮火したなんてわかるはずもなかった。

「てか、この子達、VTuberファンってだけでヲタクって決めてるけど、秋葉家のファンってオタク率50％切ってるんだよね。まぁ、ママの枠はオタク率高いけど」

「え？　そうなんですか？」

　VTuberなんてヲタクのためのコンテンツだと思っていた僕にとってそれは意外だった。

「だって、Ryu君のファンってヲタクかなぁ？」

「あ、そう言われてみれば」

　ヲタクというより、プロフェッショナルの集団だ。それを考えると定国さんのファンも同様なことが予想できる。だって、定国さんのファンだってみんなすごく楽器が上手だ。

「ファン層がよくわからない子もいるけどね。ノラちゃんとか……」

「どんなVTuberなんですか？」

　秋葉ノラ、僕が知ってるのはその人が女性だってことだけだ。

「野生系VTuber。山の中で、狩りをしたり、農業したり、鍛冶したりしてる。ちなみに、VTuberになったのは3年前だよー！」

　びっくりした、女性がそんな事をやってるなんて……。だって、体も汚れるだろうし、匂いも付きそうだし、力も必要そうだ。

　それよりも……。

「鍛冶！？」

「うん、製鉄して、鍛冶やってる！」

　恐るべき野生系VTuberは、鉄器時代に突入しているようだった……。