第39話・エゴ・サーチ
家に帰って、眠って、また朝が来た。昨日は僕もママもお酒を飲んだから放送しなかったのだ。そのせいで、朝になると過去の放送の視聴回数が倍増している。
コメントも、増えていた。
里奈@ギャル
リン君の放送ない日はつらたにえん
銀
リン君の歌声が俺の活力だよ
デデデ
仕事中も聴いてる
Mike
リンちゃん! 放送待ってるよ!
初bread
弾き語り枠でのクラシックを俺は諦めない!
バッバ
そのためのヴァイオリンだ
もう詰まっとると?
あのおててで、ピアノが弾けそうにないのが問題だ。
チャイが好きィ!
めっちゃちっちゃいもんね。リンちゃんのおてて
わー!?ぐわー!?
おてて可愛い! 好き!
コメント欄はいつものメンバーだ。みんな僕の放送を待ってくれている。でも、多分だけど、アルバム発売だって視聴者さんたちは喜んでくれるはずだ。だから、その準備は怠っちゃいけない。だって、僕たち秋葉家のオリジナルだもん。
あと、サークル名が決まった。僕とRyuさん、それからその視聴者たちで作る音楽サークルが『RR&ClassicBand』。この名前に一番喜んだのはチャイさんだ。バンドやれたぜ、って言っていた。
秋葉海賊団は海賊団のまま。そして、それを統括するサークルとして秋葉音楽隊が結成された。といっても、僕を中心にRyuさんと定国さんが手を組んだだけだけど。
さらに実は、今僕も歌を作っている。今度は、視聴者さんみんなに捧げる感謝の歌だ。僕は感謝ばっかり歌にしてる気がする。でも、仕方がないじゃないか。人生が変わって以来、僕の人生は感謝に溢れている。その前の人生は僕にとって灰色だ。だから、感謝だけが鮮やかなものなのだ。歌にできる色彩は、今のところ感謝にしかない。
それと7chもチェックだ。最近はファンスレが多くて、応援をたくさんもらえるからチェックするようにしてる。
【音の天才】秋葉リンちゃんについて語るスレ【永和の怪物】
654:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
なんだよこいつ、性別詐称して稼いでるんだろ?クソじゃねーか
655:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>654
いやしてねぇよ、アーカイブ全部見てこいよ! 声が女の子で、外見も女の子だから一部の視聴者が女だと思い込んでるだけだから。
それに、リン君の魅力はそこじゃねぇ! あの子は天才だ。音の申し子だ。まずは動画見て来い!
https://www.utube.com/watch?v=rinAkIhaviOlIn
656:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>654
歌が上手い、声が可愛い、性格も可愛い。性別なんてもう俺たちにはどうでもいいんだよ! あ、ちなみに僕はリンちゃん派です! 男でも関係ねぇ、断固ちゃんだ!
657:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>654
こっちもおすすめ
https://www.utube.com/watch?v=rinAkIhaGuItEr
658:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>655
おててが可愛かったです。幼女のおててだと思いました。
でもヴァイオリンは上手すぎると思います。リンちゃんってヴァイオリニストだったんですね
>>657
リンちゃんのおててまた見れるんですね!? 今すぐ見てきます
659:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>658 は、今びっくりしてるだろうな……。リン君がヴァイオリニストじゃないって知って。
660:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>659
だろうな……だって、リンちゃん楽器与えるとすぐ使いこなすもん。
661:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
思い出すなぁ、俺も昔は>>654みたいなアンチだった。だが、耳に満月を受けてしまってな……
662:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>661
衛兵乙
663:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>657
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
リンちゃんギター!? ギターナンデ!? しかも超うまい!
664:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
>>663
リンちゃんが初めて触った楽器はギターだぞ? 音感が良すぎて、どんな楽器でも使いこなすんだこれが……
665:以下名無しにかわりまして兄がお送りします
まさに、音の天才だよな。歌も上手いし。
でもピアノは無理だよな……おててちっちゃいもん
今日はちょっと、アンチの人もいた。だけど、問題はそんなことじゃない。あっちでもこっちでも手が小さいって言われていることだ。これは本当に遺憾だ。確かに小さいかもしれないけど、みんなで言うことないじゃないか……。
僕はまたRyuさんの家に行くことを決意した。Ryuさんの家にはもちろんピアノだってある。大きなグランドピアノだ。みんな僕がピアノ弾けないと思っているから、弾けるようになってびっくりさせてやるのだ。
「ママ! また、Ryuさんの家行きたいです!」
「ホント!? きっと喜ぶよー!」
と、満さんが言うので、僕は勇気を出してRyuさんにDMで家に行きたいと伝えてみた。返事が返ってきたのはそれから三分後で、快諾だった。いつでも来いと言われたので、早速午前中はRyuさんの家にお邪魔することにする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます