第26話

コンビニの駐車場のなかで地面に座り、迎えを待っていた。立つのも苦しく感じる。小野寺曹長が缶コーヒーをおごってくれた。

「良くここまで来たもんだ。正直3日と持たないと思っていたよ」

「そうですか?俺は最後までいけないのが悔しいです。ここで外されたのは、俺1人ではなく。クラス全員のか評価につながります。俺がその評価を下げたと思うと、へこんで来ます」やっぱり辛い!!


「そうでも無いぞ。元々学生はここで終了だし。聞いて無いのか?」ホヘ、何のこと?「ハイ。何も」


小野寺曹長が頭を抱える。

「この先の山は軍務省の秘匿地域に指定されていて軍務省の所属以外の者は法律上入ることが許されていないんだよ。

お前さんの所の小隊長も、案外いい加減の人だな。基本的に学生さんの参加はここまで。だから君は自分のやるべき事を全て果たしたと言う事だよ」


何か慰められている気もすくがいいのかな。でもさっきお前の限界をしれっていわれのは何?


迎えの車両が来た?

・・・・・装甲車、8輪の・・・・?こんなのに乗って帰っていいの?

疲れきった体をおこし装甲車に乗り込む。中の座席が6席もあり広さに驚く。運転席とは隔離されているが中ではマイク使い会話が出来る。

突然、小野寺曹長が蹴散らせと伝える。横の覗き窓から外を見るとヘイトスピーチの集団がいた。装甲車に向かい何かを叫んでいるが装甲車が動くと逃げて行く。やはり装甲車は怖いらしい。


他の隊員の方より先に演習場に着く。小野寺曹長から飯にしようと誘われた。

「いいか、行軍の後は食事をなかなか体が受け入れないが食べないと体を壊す。少しずつゆっくり良くかんで食べろ」


「分かりました。小野寺曹長はこの行軍は何回目何ですか?」


「私はこれで5回目かな。何かあったか?」


「いえ、ヘイトスピーチの集団が余りに的確に嫌がらせをしていたのが気になってしまってまして、何故あんなに女性隊員を的確に判別しているんですかね?」


「そこは私もわからん。でも今回はスカッとしたぞ。どうやっかはわからんがお前のことは気に入った。どうだ本当に卒業したら軍務省に来ないか?私も歓迎するぞ」


いやいや、まだ早いでしょう。


食事をして少しお腹が膨れて来たせいか物凄く眠気に襲われる。部屋に戻り朦朧とした意識のままベットに入る。


部屋に誰かが来た。でも起きれない。そのまま、意識を失う。


どのくらい寝ただろうか?朝日が眩しくて目が覚める。ふと見るとミヤが椅子に座り頭をベットに乗せ寝ている。いつから来てくれていたんだろう。こうやって心配してくれる人がいるのは凄く有難い。


ミヤを起こさないようにベットを出て3人がけの椅子に座り水を飲んだ。久々に携帯を見るとサトミから行軍が終わったら海行こうとお誘いがあった。後で返事を考えましょう。


椅子でゆっくりしているとミヤが起きる。俺がベットいない事も気付き慌ててさがしだす。

「ミヤ、おはよう。付き添ってくれて有り難う」

「良かった。もう起きないかと思う位熟睡してたから」そう言うと泣き出す。


ベットに戻りミヤの頭を撫でながら「心配かけてごめん」と声をかける。

ミヤが抱きついて来て、その勢いのまま後ろに倒れる。どのくらいの時間が立ったかお腹がグ~と主張しだす。

ミヤが怒った顔で「もー、雰囲気無いな」と言って起きる。

「腹減ったし飯食おう」肩を借りて食堂に行く。

「車両研修終わったの?」

「うん、昨日で。折角だから一緒に帰ろうと思ったの」

「有り難う。ミヤのおかげで生還しました」

「よろしい」

食事を済ませ帰る準備を終え、加藤 文彦1佐に挨拶に行く。加藤1佐から何度も卒業したらレンジャーにこいとお誘いを受ける。

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