第25話初訓練 行軍

そう言ってタブレット端末を司令官に見せる。そこには君島警視監と薫小隊長が映っていた。


君島警視監がゆっくり「このやり取りの一部始終をこのタブレット端末を通し見させてもらった。

タブレット端末の録画機能により、この事実は本日開催の司令官会議で議題の一つとして取り上げる事とする。八王子警察署の中における問題の解決にも一役買うだろう」


「高藤君、小野寺君にこの端末か渡してくれ」そう言われ端末を渡す。


特機の監視員4名が来た。

司令官に「我々は特機所属、高藤を監視監督する者です。今回、高藤を監視するに辺り一部始終録画しておりました。


その全てを君島警視監、薫小隊長に送りました。君島警視監の命令により、高松司令官、及び八王子警察署、所属の警察官を警察省 警務違反容疑で現行犯逮捕します。


当面、軍務省 八王子地区 レンジャー部隊内にて監禁します。今後、国家公務員法、警察省特務違反、軍務省 土地規約法に基づき正式に法の裁きを受けて頂きます」


まだ暴れていた司令官に憲兵が容赦なくスタンガンを打ち込む。司令官が力なく項垂れつれていた。


今日何故こんなになったのかは後日判明した。唯の逆恨みだよ。君島警視監と薫小隊長は知ってて俺の事をよこしたと思うよ大人って汚いね。


小野寺曹長がタブレット端末を帰してくれた。

「お前さんは何かともめ事にまきまれるのが好きだな」と笑う。

「すきでは無いですよ」とすねたように言うと、行こう。加藤 1佐が首を長くしてか待っていると中に案内してくれた。ゲートを入ると4階建ての建物がある。その建物で奥が見えない様に工夫されていた。建物を迂回するように周り込む。


グランドにテントが立っていてそこに向かった。テントに入ると加藤1佐がいた。


加藤1佐に挨拶をして荷物を預ける。荷物は先に富士演習場に送ってもらう事になっている。


行軍の準備をして待機していると加藤1佐が来る。隊員を前に話しをする。

「本日の行軍に際し警察省より1名、研修生が来ている。彼は高校1年生の16才だ。おおよそ君たちの体力にはついて行くことが無理だと思う。そこで思い出して欲しい。自分達が初めてこの行軍に参加したときの事を。君たちは今回、四回目の行軍となる。これから新人研修来た時、彼の存在が大きく参考になる、私からは以上だ」


行軍は3班に別れて行う。俺は3班に入る。小野寺曹長が動向することになる。


八王子から富士演習場までの7日間の行軍が始まる。この間睡眠を取ることが出来ない。時々トイレ休憩は有るがほぼ歩き続ける。


初日夜に八王子演習場を出る。主に交通量の少ない道路を通るが山道や獣道も通る。


行軍して2日目、静な住宅地を通っていると前方から怒号が聞こえてくる。怒号と言うよりヘイトスピーチに近い。軍務省に対する嫌がらせだ。


小野寺曹長が来て「すまんな。何処からわくのか知らんが、何時もの事だかかわらず進んでくれ」


数人の隊員がヘイトスピーチの集団をよせながら行軍を進めるが、数人が隊員に絡んで来て女性隊員に抱きつく等の問題行為に及んでいた。


行軍が進み3班が通りかかるとまた懲りずに絡んで来る。小野寺曹長が餌食になる。

絡んで来る男達は何故小野寺曹長が女性だと知っているか不思議たが、抱きついたり酷い状態だ。


行軍する隊員はポンチョのようなカッパを着込み、目だけ出ているヘイスシールドを着けている。何故隊員の情報がもれてるか不思議だ。


ヘイトスピーチの集団が突然、股間を押さえた折れ込む。何がおきたかわからないように集団がどよめくのを横目に伝える。

「小野寺曹長この隙に進みましょう」


少し進んだ所で小野寺曹長から話しかけられた「さっきのはお前か?」

「すみません。何をおっしゃってるか分かりません。ですが僕は警察省の所属でまだ学生です。何も問題は無いと思います」

「余計なことはするな」と怒られるが小さい声で「有り難う。少し嬉しかった」


行軍4日目の朝が来る。後この山を越えれば富士演習場だ、予定より早く当着した。ただ、俺は寝ずの4日の行軍に倒れてしまった、行軍隊の班長が来て行軍中止と言われた。悔しくてまだやれると主張するも却下された。その日、俺と小野寺曹長が行軍から外されることになった。


俺達は近くのコンビニで迎えまつことになる。こんな中途半端な状態で不要と言われたことが許せず落ち込んでしまった。


「高藤、本来この行軍はお前のような子供が参加する事を想定していない。良く4日も頑張った」


「小野寺曹長、そう言う慰めが1番傷付きます」悔しくて涙が出る。


「お前は、何を見ている。自分に何が出来ると思っている。お前程度に何が出来るのだ。お前は自分がその程度だと知った。ここからが始まりだ、覚えておけ何時からでもやり直し出来る。今が駄目ならやり直せ」そう言って肩を寄せられる。悔しいがその通りだと思った。悔しい。悔しい……!!

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