第16話俺の思いと皆の思い

」タマキが渋い顔をしている。恐らく意味は理解したと思われる。


「さて、皆さんに確認したい。何で高藤に急にデレデレし始めたのかな?ね、ミヤちゃん?あ、先に高藤が本音でどう思ってるか先に聞こう!!」俺に全て丸投げされた。


みんなの視線が痛いです。

「何処から話せばいいかわからないですが、俺は人を避けていた所が有ります。原因は10才の時の出来事です。その時から俺は好きな人達と関わってはいけないって思って生きて来ました。俺がかかわると大切な人達がいなくなる、そう真剣に思っていました。でも、この学園にきてからみんなからちやほやされて凄く舞い上がって、ごめん。こんなやつで、みんなに嫌われるのが怖くて…何とか1人で解決しようと思ったんだけど……」駄目だこれ以上話せない。


ミヤさんが立ち上がり話し出す「私も、その気持ちわかるな。10年近く前だけど、あるデパートが崩落する事故が起きたの。私が9才の時かな、たまたまそのデパートにいて崩落事件が起きて、友達と友達の両親が亡くなった、私は運良く生き残れた。ううん!正確にはある男の子に助けられた。その子は私より小さい子で、でも瓦礫から私を助け出してくれて。泣いてる私の手を握ってくれて慰めてくれた」


「私はそれからその子の為に力が欲しいって、本当に思った。今度は私が助ける番だ。だってその子、両親をその事故でなくしたのに、ほかの子供を助けろって。お父さんの言葉どうり小さい体で頑張っていたから、年上の私が助けてあげないでどうするって真剣に思った。そしたらこの学園で出合えた。それが私の答え」ミヤがとても優しい顔で俺を見てる。何でだろう。涙が止まらない。


キョウカとマミが自分達も同じ体験をしたと言って来た。それこそミヤと同じようにデパートの崩落事故が起きた時、1番最初に来たのがその子だったらしい。後日親からその子の両親が亡くなった事、親の言い付けを守ってみんなを救出していた事を知ったらしい。後は全員揃って有働からキョウカを助け出した事が原因だと言う。特にキョウカは最初に上着を渡してくれた事、体を隠せる物が来るまで近くで守ってくれた事だそうだ。要するに、ギャップもえらしい。あれだけ変態呼ばわりされたのに、誰より回りに気を使い優しくしてくれるやつに惚れたらしい。ポッ モテ期キター!!


でも俺その事故の事覚えて無いのよね。まぁ、モテ期来たからいいか。うん!良いことにしよう!!!


「わかった。悪かったな、みんな嫌な事思い出させて。高藤も納得してくれたかな?」返事が出来ずに頷く。ハマさんこんなやり方汚いよ。

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