第12話 お使いとヘキサグラム

なんかしっくり来ない

何かあの2人(ハマ、ミヤ)に言いように操られている気がする。いや、操られているのはミヤじゃないか?俺の部屋に来てから特に凄い?


だって疑うでしょ普通。初めてあったやつにあんなべたべたするか。まして俺は見た目含め平均より下だぞ。そりゃミヤめちゃくちゃ可愛いから嬉しいけど。ここから先に進んだときの事を考えると鼻血出るけど。


うれし事ばかりだけど何か上手く行き過ぎてる気がする。という事は昨日家に来たあいつら全員か?でも高浜教官はそうでもない。いつも人を落とし入れようと必死なだけで安定感抜群だし。


嫌な勘が働く。今日は一旦前の家に帰ろう。学園に連絡して体調不良で休むも伝えた。病院に行くのかと聞かれて落ち着いたら行こうと思っていると話した。


一旦部屋に戻る、シャーペンの芯を出して窓、各部屋のドア、風呂、トイレ、玄関にセットした、扉が空くと折れるように。芯の太さと色も変えておく、ばあちゃんと暮らしていた自宅に来る。ここ何日か家主がいなかった自宅でのんびりする。午前中に薫小隊長と高梨教官、志島副教官から電話をもらった。こんなの1人で良いだろうと思ったが連絡をもらうと何か嬉しいものだ。ボッチは誰からも連絡なかったからな。


やっぱ住み慣れた家は最高。めちゃくちゃ熟睡した。何のセキュリティもないこんな場所が実は一番安全だったりして?


翌日朝の3時に官社の部屋に戻る、鍵を開け中に入る。入り口は上と下に取り付けた芯に変化無し。そのままリビングに入る。めちゃくちゃに荒れていた。窓を見ると芯がセットしてあるが場所と太さが違う。トイレは異常なし。寝室、風呂場共に折れた芯が落ちている。


その日はそっと部屋を出てばあちゃんと暮らした家に戻って来る、薫小隊長に緊急報告はしておいた。学校は少し休もうそう思ってまた寝る。


朝7時に薫小隊長から電話が入った。車で迎えに来てくれる事になった。7:10分に家に付く、ファミリー用のセダンで来た。後ろに乗れ言われ乗り込む。途中、官社と全く別の場所で高浜教官をのせて警察省の入り口から学園に入る。学校の地下、寮生達が使う寮の隣に有る特別機動隊の別室を借りる。生活に使う物は全てそろっている、少しの間だが、ここで生活する。他のクラスメイトや志島副教官には特別任務でしばらく休みと説明する予定だ。


さて問題が山積みだ。部屋入ったやつの事は本職の方お任せして、問題をどうやって解決するかだ。といった所で俺に捜査権無いし。やっぱお任せですかね、丸投げ決定。


朝8時半を過ぎたころ部屋に接地されたモニター画面が付く。警戒しているとミヤの顔が出る。画面についていたヘットセットをつけると会話が出来るらしい。ジェスチャーで教えてくれた。

「ちょっと、今日も学校休むって、どういう事?」

「あの志島副教官、どうやってこのモニターにつないだの?」


「これでも教官です。貴方に教育を受けてもらう必要があります」複数の人の声が聞こえる。


「志島ちゃん。独り占めは駄目ぇ」そう聞こえるとマミ、キョウカ、サトミ、タマキの4人の顔が見える。なぜかちゃん付け?

マミが「ちょっと心配したんだよ。私達が行ってから学校休んだりして」と言って泣き出した。「何か私達が嫌われるような事したのかって思って辛かった」


「ごめんなさい。ちょっと用事が出来てさ、俺も初めての事だし人に言って良いことかもわからなくてさ」


志島副教官が「大丈夫、私から皆に説明したの。そしたら野々瀬さん泣き出すし、でハマを取っ捕まえてこの緊急ダイヤルを聞いたの。所でヒトシ君。君、私に内緒にしている事無いかな?野々瀬さんが女の顔になってるの?何かしただろう?」


「何の事かわかりませんが高梨教官が喜ぶような事は何もありません。それにミヤさんも何も無いでしょう」


「それは良いの。私はこれから既成事実をいくらでも作れるから」「だめ~」と4人声を揃えて否定する。


くだらない会話をしていると薫小隊長が入って来た。薫小隊長がマイクを取る

「志島ぁ。くだらん事に時間を費やすな!お前も高梨のようになるぞ。それと今日はここまでだ、ここからは高藤君を借りて行くぞ。筆頭君としての初めてのお使いだ」


「薫小隊長。お使いって」志島副教官が強ばる。お使いは警察省の隠語、再度の身体検査を意味する、これが終わると紛争値域、秘匿値域と呼ばれる危険任務が待っている。簡単な仕事では無いことを意味した。


「志島、ちゃんとクラスまとめろよ。少しの間、高梨も借りるからな」


「薫小隊長、まさか復活ですか?」


「アホ、そんな事があったらお前にも言う訳無いだろう。その辺は安心しろ。じゃあクラスメートの皆さん。少しの間、高藤君を借りるけど心配しないでね」そう言って画面が切れる。


薫小隊長について部屋を移動する。3階まで登り、ついた部屋は会議室のプレートがついていた。真ん中に円デーブルがあり、高梨教官と知らない女性が座っている。薫小隊長と一緒に進み2人の前に立つ。


高梨教官から「この子は軍務省所属大鷲 姫(オオワシ ヒメ)26才 ちなみに独身だ」まさにスレンダー美女、やっぱ能力者って、レベルたけー。


「ちょっと、独身は余計よ。初めまして高藤君。軍務省所属 大鷲 姫 中尉よ。よろしくね。ちなみに君の先輩だからね」


「高藤 仁です。よろしくお願いします。軍務省って本当に警察省以外にも就職できるのですね」


「おい、高藤ぉ。驚くのはそこか?もっと可愛とか、何とか寝とってやろうとか無いのか?」

「高梨教官、絶対俺の事変な方に誘導してますよね」睨んだがさらっと逃げられた


薫小隊長が間に入り今日の目的を教えてくれた。お使い=身体検査。その為に大鷲さんが呼ばれた。


「つまり僕はまだ自分の能力を知らないと言うことですか?」

高梨教官がいつものように悪い顔で「もしかしたら何か理由があって言えないのかと思ったけどそんな事はもういい。お前の身ぐるみ剥いで恥ずかしい所も全部見てやる」薫小隊長にどつかれ主旨が違うと怒られている。


大鷲さんが「そんなことの為に呼ばれたの?私でなくても問題無いじゃない?」と困惑していた。


薫小隊長がここ数日の流れを説明した。

「要するに部屋に侵入したやつに繋がるきっかけと、女性陣の極端な変化。その原因を探れって、事ね。でも軍務省の私にそんなこと頼んで良いの?もしかしたら口が滑っちゃうかもよ」


「心配無いだろう。君島教官の推薦だし」高梨教官がいやらしい顔で笑う。大鷲さんの前の椅子に座る。大鷲さんの手が顔に当たる。柔らかくて暖かい、気持ち良いし何か安心する。


大鷲さんが身体検査を終えるのに20分程時間を使った。かなり疲れたのだろう。ぐったりしていた。

大鷲さんがひと息ついて話しを始めた。

「先にそっちの情報をちょうだい」

高梨教官が答える「高藤の検査を行ったのが、2年次席 間宮君だ。高藤からの申告はバイブレーター。本人申告は以上。私が間宮君に確認したところスケベだ、そう追加報告があった」


大鷲さんが考えてから聞いて来た「高藤君。君自信が認識している能力は一つでバイブレーターだけね。でも間宮さんって子にスケベと言われた?」


「はい、そうです」静かにうなずく


大鷲さんがふ~とため息を付く。「確かに君はスケベかも」俺の顔が凍りつく。身体検査の度にスケベって言われるの?そんなの無しだよ……。


「身体検査で、手が柔らかくて。暖かい何てあまんりよ。身体検査する方も人だから、嫌な気持ちじゃなくて受け入れくれて、気持ち良いとか伝わって来たらそりゃドキッとするよ」高梨教官から睨まれる。ミヤにチクってやると小声で脅された。


「ごめんね話し反らして。高藤君が自分の能力を理解していないのはしょうがないと私は思う。貴方はヘキセグラム(六芒星)いわゆる6個持ちね」へッ!!あの言ってる意味がわかりません


高梨教官と薫小隊長が顔を見合せて「ヘキセグラム?どどどういう事?」と言って混乱していた。

高梨教官が頭を押さえ「ちょっと待ってくれ。現在3っつ持ちは確認されているがそれ以上に能力が発生するのか?」


「あなた方も知ってるはずよ、大国。アメーリアの研究を、偶然か意図的かは私には判断出来き無いけど、あのアメーリアの理想が高藤君っていう事になるわね」


「ちなみに解る範囲で報告すると最初がバイブレーター、これは説明不要ね。二つ目が魔眼、魔眼持ちは珍しくも無いけど彼のは(ヘェロモン)。いわゆる女たらしな能力ね」俺をみて笑う。

「多分、間宮さんって子はこれを見たかも知れないね。だからスケベって言ったか、自分の事を素直に受け入れくれて嬉しかったかのどちらかね。どちらしてもハーレム体質ね」ミヤさんにも言われたけど?これからどうなるの?


三つ目が能力障害、これは能力者同士の戦いで格上の能力者にエリア発動されると自分の能力が使え無くなるのが普通だけど、そのエリア発動を無効に出来る能力。


四つ目が空間光学(空間収納、空間移動、空間をつなぐ能力)。例えばこことここの空間を切り離しつなげる能力。紙の両端を丸めて合わせるように別々の空間をつなぐことが出来る。それと空間収納、つなげた空間の移動も出来ると思うかな?いずれにせよ空間光学の上級能力ね。


五つ目が重力調整、高藤君を中心に半径10mの範囲で重力を操作出来る。もしかすると飛んだり出来るかもね。


六つ目はかなり強力ね。氷系能力の最上級 で、名前は絶対零度。この名前は私も初めて聞いたかも知れない。発現している能力の中では間違無く最上位に当たるものね」

「バイブレーターが表に出ているって事はこの氷系の能力を使わないようにするためかもね。こんな所で良いかな?」


薫小隊長と高梨教官がお礼を言った。大鷲さんが前にくると「私にヘェロモン使わなくてもいいよ。いつでも待ってるかね!!あんなに信頼されるのって無いから嬉しかった。警察嫌なら私の所においで」そう小声で言われ手を握られた。


高梨教官が大鷲さんを送って行き戻るまで空き時間が出来た。薫小隊長にはさっきの部屋に戻ってもいいか聞くと連れて行くと言われた。何でもあの部屋は隠し部屋で知ってる人しかたどり付けないらしい。

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