第10話 初めてのデート?

有働との対決が終わり有働が連れていかれた。


野々瀬さんが駆けつけてきて、俺を見ると不思議そうな顔をした。

「私も最悪の世代って言われて来たけど何かレベルが違うね、やりきれないよお前を見てると」憎まれ口を叩くも嬉しいそうな顔をしている。


高梨教官が落ち着いたのか顔をあげると爆弾発言をする。

「それはそうだ最悪の世代はこの高藤 仁の為に作られた二つ名だ。お前らが束になっても敵わない」そう言い放つ。 発言は良いけどまだ放さない。胸が目の前にあって目のやり場に困るだけど。


クラスメイトが驚いた顔でこっちを見る。俺が顔を振り「違うよ。ほら変態クンと同じで教官達の嫌がらせだよ」と言って否定する。


高梨教官がばつ悪そうな顔をして「ばらすな!もう少しでこいつら全員騙せたのに」と怒り出す。

皆ほっとした顔で俺を見る。


そんなやり取りをよそに薫小隊長が来た。 「コホン。高梨~、いつまで生徒に抱きついて、この状況を誤魔化そうとしてんだ(怒)」

「お前のやることは始末書だ。事の詳細を全て書き明日まで俺に持ってこい(怒)」


「そんな、明日までって、早すぎる」要するに始末書を書きたく無かったのね


「文句は後で。君島警視監に直接言え。わかったか(怒)返事!!!」

「ハイ、明日までお持ちします」高梨教官が綺麗な敬礼をしている。思わず笑ってしまった。


キョウカさんはしばらく検査入院する事になった。


キョウカさんが退院して数日後、野々瀬さんと2人で待ち合わせをする。


あの惨事の翌日に野々瀬さんからキョウカさんが戻ったら復帰祝いをしようと声をかけられていた。

俺が皆に飯をご馳走しようと提案するとかなり驚かれたが。野々瀬さんが買い物付き合うと言ってくれて今日の運びとなった。


野々瀬さんと合うとマミで良いと恥ずかしげに言われる。

もう胸にキユーピットの矢り刺さりまくり。オラ幸せ、死んでも良い。 おまけに俺がデートしてとお願いしたのを守るみたい、俺が頑張ったからご褒美だって、言われた。


「マミさん、俺のあだ名どうなったの?」 「うん!マミでいいよ。呼び捨てして、それとあだ名はレムになったよ」


「レム。どういう意味?」


「ハーレムのレム。どう(笑)ぴったりでしょ」絶対悪意を感じる。ジトっとした目でみるとごめんと謝って来た。


「実は、やめようと言ったんだけど、みんな何かヒトシって、照れくさいし、変態クンは可哀想だからって話しになって。それと、レムは女の子にもてそうだからいいかなってみんな思ったんだ。駄目かな?」


「いや、有り難う。みんな真剣に考えてくれて。それに変態クンは直接的過ぎて俺も嫌だったし、それに比べたらいいかなって思うよ」笑いながらレム受け入れる。


2人であったときから手をつなだ。その方が雰囲気出るだろうってマミの提案だった。


お店に入り買い物をする。 「マミ、好き嫌い有る?」マミが赤い顔で大丈夫と小さく言う。 「みんな食べれない物有るかな?」


そう言いながらマミの手を引いてお肉売り場に来た。ずっと手をつないでいたことも忘れて、買い物に没頭してました。


肉を眺めながら献立を考えていると 「手、汗かいて無い?私大丈夫かな?」て聞かれ、はっとして手を離す。


「大丈夫だよ」と答えると、マミが照れくさそうにまた手を握り返して来た。何か夢のようだ。神様有り難う。オラ16年生きて来て今日が一番幸せです。


結局、部屋に着くまで手をつないだまま来てしまった。部屋に来ると、マミがこんな所で1人で暮らしてるの?と聞いてきた。


学園の寮は学園の敷地内にあるらしくシェアハウスのようになっているらしい。 部屋に入り部屋の広さに驚いていた。


買って来た物をしまっていると屋敷探検を始めた。そんな物珍しいだろうか?


「レムは1人で寂しくないの?」


「寂しい事も多いよ。でも今までばあちゃんのお世話や家の事で大変だったから、1人の時間が出来て少し嬉しい所も有るかな」


「ねぇ、なんか手伝うよ」


「今日は、ヤン二ョムチキンとプルコギとキンパだから、人参のかわ剥きお願い」


「韓国料理だね。好きなの?」


「いや、ばあちゃんが女の子が喜ぶなら作ってあげなってアドバイスしてくた」


「ああ、施設行ったの?」


「うん、凄く良いところだった。家にいるより元気だったし、かなりほっとした」


スマホでレシピを検索しながら料理をする。流石に初めて作るからなんか手際が悪い。


と、マミのスマホがなる。嬉しそうにみんなを迎え行くと言って部屋を出て行った。戻って来ると予定に入っていない2人までついて来た。


「ごめんね、一階のエントランスであって成り行きできちゃった」マミが罰悪そうに教えてくれた。俺が「良いよ、人数多い方が楽しいから」そう言うとほっとした顔で見てくる。


何か気を使ってくれてるみたいで嬉しい。友達って、良いな。


「ほう、これが変態クンの部屋かどれどれ、皆よこしまな物が無いか捜索だ」ハマが楽しそうに皆をつれ回す。流石に俺が散らかすなよと怒ると。天使のような笑顔で頷いた。


ご飯の準備が出来たのでマミを呼んでテーブルに運んでもらう。流石にこのくらいは手伝ってもらわないとね。


「ねぇ、これ1人で全部作ったの?」ミヤが聞いて来る。


「まあね、スマホ見ればレシピや作り方のってるし、何とかなるよ」


「こいつはヤングケアラーだったからね」ハマがなぜか優しい顔でこっちを見ている。習慣だろうか、何かありそうで警戒してしまう。


キョウカが緊張したように俺の所に来ると「この間助けてくれて有り難う。なかなかお礼言えなくてごめん。それに復帰祝いまでしてくれて…」


「キョウカが元気になったなら、それでいいよ。キョウカは悪い事してないし」


突然ミヤが左腕に抱きついて来て「ミヤも褒めて、ミヤも褒めて。ちゃんと言われた通りに治療もしてもらったからね」と頭を出して来る。


ミヤの頭をポンポンしながら「有り難う。ミヤも良く我慢してくれたね」


「うん、ミヤ頑張ったでしょう」と子供のように言って来る。


マミが不思議そうに「呼び捨てなの?」と聞いて来た。

何か怒り出しそうな雰囲気だ。以前、自宅に来た事は話していたがこの話しまでしていなかったか。


「ああ、2人から学校以外で敬語禁止、教官禁止、さん付け禁止って言われてるから。やっぱり自宅近くに生徒がいると落ち着かないらしいよ」


「あ、でも私達、女子にはさん付けだけはしてもらうからね。ハマも私も女子にはうるさいからね」何か威嚇してない?それとも女子の世界じゃこれが一般的なんだろうか? 作品推薦 しおりを挟む





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