第6話筆頭の初仕事 2
教官室に着く、ノックをすると入れと返事が来た。
部屋に入ると薫小隊長と高梨教官と初めて見るおじさんがいた。志島副教官がピシッとして敬礼する。
「志島 宮、高藤 仁入ります」志島副教官がきちっとした挨拶をする。
おじさんが偉そうに休めと言って来た。
「ハイ!」志島副教官が緊張している。こっちまで緊張するよ。
「高藤君、君が今年の一年の筆頭に選ばれた子か?」
「ハイそうです。失礼ですが?」
「嗚呼、失礼。私はこの学園の理事長。警視監の君嶋 国治≪キミシマ クニハル≫だ。筆頭になった者は全て私の管轄下に入る。そんな訳で今日は君を観察しに来た訳だ」
「君の能力は、バイブレーターか?所で君は10年前のデパート崩落事件は知ってるか?」
「すみません。詳しい事は何も、聞いているのはその事件で両親が亡くなったと聞いてます。僕はそれ以外は分かりません」
「そうか。やな事思い出させてすまない。今日は顔合わせのつもりだったから僕はこれで。じゃみんなよろしく」そう言って君嶋警視正が出て行く。
教官室から緊張感が消えた。薫小隊長が近付いてくる。
「君があの時の子か、大きくなったな」薫小隊長の顔が凄く優しかった。
「俺もやることが有る、邪魔したな」そう言って出て行く。
高梨教官が伸びをして
「や~緊張した。何だって警視監まで来るだぁ。緊張し過ぎて身長縮んだよ」
「あら、ハマったら良かったじゃん。身長縮んで」志島副教官が笑いながら言う。
思わす疑問だった事を聞く
「すみません。教官と副教官は元々お知り合いですか?」
「ちょっとぉ~!ミヤって言わないと質問答えないよ」と可愛い顔で甘えて来る、志島副教官の態度は安定だ。
「では質問を代えます、君嶋警視監とはどおいった関係でしょうか?」
「ちょっとミヤ、変態クンの能力爆発。私達を愛人だと思ってるよ」高梨教官かが嘆く。「もう プンプン(怒)だぞ、あの人は我々の教官だったの。それより、これでも料理得意だよ。食べたい物リクエストしてね」やっぱり安定だ。
結局、詳しい話しを聞く事が出来なかったが代わりにとんでもない要請が来た。それは自宅から通いの予定だったが今日から寮生活をしろと言うことだ。戸惑っていると。志島副教官が
「心配しなくて良いよ(笑)、君は私と相部屋になるから」えっ…思わず固まる。
「ちょっとミヤ!!勝手なこと言わない。相部屋じゃなくて隣の部屋だから」
「ちなみに。我々警察省、軍務省の関係者専用だ。セキュリティ付きだよ。君のご家族には連絡していて君の荷物もすでに搬送済みだ」
っ…………俺の気持ちはどうでもいいのね。「すみません。家のばあちゃんは?」
「心配いらない。ちゃんと施設を準備したよ。こんな事も有ろうかと君らの家族はみな確認済だ。後で住所も教える。医者と看護師もいる施設だから問題無い」高梨教官からそう説明を受けた。
自分の部屋の住所と部屋番を聞いて今日は終わった。待てよ。入学式やってないけど?
高浜教官に入学式について聞くと「明日な」とだけ返事が来た。
寮の部屋まで来た。鍵がセキュリティカードになっている。無くすと部屋にも入れない、注意しなきゃ。
部屋に入り驚いた。何じゃこの広さ。都内の1等地で3LDK、ダイニングやば、広!!!窓を見るとダブルサッシの二重窓だ、どうりで外の音が聞こえないはずだ。ほおけているとチャイムがなった。不振に思ったがドアを開ける。高浜教官と志島副教官が並んで立っていた。
2人を入れドアを占めるオートロックがかかる。なんか最新過ぎてよく分からんようになってきた。
教官2人からご飯の差し入れをもらう。2人にお礼を云うと教官は勘弁、学校以外では呼ばれたく無いと言われた。かなり肩が凝るらしい。差し入れを食べながら話しが盛り上がる。
「お二人を何とか呼べは良いですか?」
「私はミヤだよぅ。ハマちゃんもハマって呼び捨てで良いからね」志島副教官からそう言われた。一応2人とも年上なんだか…
「所で質問良いですか?2人とも同級生何ですか?凄く仲がいいですし」
ミヤさんから敬語禁止令がでた、ここにいる時は教官は禁止、敬語は禁止、さん付けも禁止だそうだ。プラベートな時間が無くなると言われる、そこまで言われるとしようが無いよね。
「じゃ ミヤとハマは同級生?」
「お!ヒトシわかるじゃん、私達の気持ち、嬉しいねぇ。答えはブー。ハマは私の憧れの先輩なのだぁ~」そう言ってハマに抱きつく。
「そうなんだ。でも憧れの先輩って歳近いの?」ハマからチョップされた。
「私も乙女なんだけど?乙女に歳を語れと坊主は命令するのか?」酒は飲んで無いのに凄い顔で絡まれた。フルフルと顔ふり難とか見逃してもらう。何かこんなやり取りを夜更けまで続けお開きとなった。
翌日学校に行くと間宮先輩と校門の所であった。何と間宮先輩から話しかけてくれた。神様有り難う。オラ、今一番幸せ。デレデレとしながら校内に向かう、何かくだらない会話もこんなに楽しいのもなのね。ふと後ろから視線を感じ振り向くが誰もいない。
校内に入る為のエレベーターに乗りホールに出る。間宮先輩とはここでお別れ。アオハルが飛んで行く。諦めろとばかりに高浜教官の怒鳴り声が聞こえた。何か問題が起きたらしく特別機動隊の面々が何処かに消えていく。
教室に入ると女子がそろっていた。皆以外に早いのね。そう思っていると野々瀬 真美さんから声をかけられた。
「おはよう。少し学校始まる前に話しが有るけど良いか?」
「おはよう。何?」不振に思ったが、せっかく女の子から話しかけられたのだきちんと対応しよう。
「昨日、教官室に呼ばれたようだけど何かあったのか?」
「俺、自宅から通う予定だったけど、官社から通う事になった。その報告だったよ」
「おかしいだろう。そんなこと教室でいえば済むことじゃないか?」マミさんから鋭い指摘が入る。
誤魔化すつもりもないし正直に言おう。
「うん、教官が気を使ってくれただけだけど。俺、ばあちゃんと2人で暮らしていてさ、そのばあちゃんが最近体壊して寝込んでんだ、で家の事もしないと行けないから自宅から通うつもりしていたんだけど。警察省の紹介で良い施設を紹介して貰って、ばあちゃんそこに行くことにしたの。まぁ、全部出世払いだけどね」
「そうか、悪い事を聞いた。ごめん」素直に謝ってくれた。
「あのな、昨日女子だけで話しあった結果、皆あだ名で呼びあう事にしたから、変態クンにも伝えようと思ってね」思わず「待って」と声が出た。
「俺のあだ名 変態クンで決定なの?」と聞くと不思議そうな顔でこっちを見る。
「教官が決めたあだ名だよ、勝手に変更出来ないだろう。それに変態なのは本当だろう」見た目の美しさにと違う話し方に深く傷つく。これって警戒されてるって事だよね。
ぼっち決定じゃん。青春よさようなら。何か意識が遠退く、その後何か言われたようだが何もわからなかった…。
薫小隊長が目の前にいる?何か叫んでいる?
「……ぼや………するな…逃げ…ぞ…」?何から逃げるの?
「駄目だ…いつ………ぞ…」何で俺の腕を持ってんの?何か引きずられてる?何してんの?何か学校燃えてない?騒がしい、何が起きてる。少しはっきりしてきた。
校内の中庭に来た時、はっきりと覚醒した。
「薫小隊長、すみません。今はっきりしました、すみません状況を教えて下さい」
「コノヤロウやっと眼が覚めたか、余計な運動させやがって」そう言いながら肩を叩かれた。「お前1人で背負うな。もっと仲間を信じろ」優し顔で言われるが意味がわからなかった。でも不思議と心が痛む。
「高梨教官、志島副教官すみません。状況を教えて下さい」2人に頭を下げる。
クラスの皆が見ているが何か悲しそうな顔をしている。
「こっちに来い」襟首を捕まれ高梨教官に引きずられ端っこに来る。
「有働に佐藤 橋架君が拐われた居場所はわかるがうかつに近付けない」
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