第4話 変態くん 確定

高梨教官が興味津々とばかりに間宮先輩に近づき何が見えた?エッチな映像見えたか?と言って1人盛り上がっている。後ろの席に座っていた志島副教官が机をバンと叩き立ち上がる。



「高梨、いい加減にしろ(怒)。お前は何時もそうやって脱線させる」そう言いながら後ろに立つ。「高梨(怒)出来ないなら私が仕切るがどうする?」全員の目の前に透明なボックスが突然出た。教官と2年の先輩達は気づいたようだが他の1年齢は気づいていないようだ。


何の警戒もせず佐々さんが「私が次受けます」と言って立ち上がり動き出す。咄嗟に手を出して動き止めるがなんと佐々さんの胸を触ってしまった。


それを見ていた、前の席の橋架さんから強烈な平手うちをもらう。「あんた、最低ね」そう言って軽蔑された。叩かれた事より最低って言葉が胸に響きます。


俺が平手うちされたタイミングで目の前の透明な箱が消える。光先輩が来ると大丈夫かと声かけてくれる。光先輩優しいですぅ…。


「志島副教官、少し自重して下さい」光先輩が優しく言う。志島副教官が「ごめん」と小さくうなずく。他の1年生が不思議そうな顔をしている。


結局、有働を残し全員が身体検査を受ける。有働は今後の事をどうするか後日決める事になり先輩達が帰って言った。


「さて。スケベが判明したことで皆から白い目で見られているヒトシ君。君に1年生の筆頭を頼みたいがいいか?」


「1年生の筆頭って、何ですか?確か筆頭制度は2年生からでは?」とマミさんが割って入った。


「確かに筆頭制度は2年生からだ。だが教官が認めた場合に限り1年生でも筆頭を置くことが出来る。何か私の判断に問題でも有るのかな?」しらっと高梨教官が言ったもんだから有働から睨まれる。


「有働、今のお前に文句を言う権利は無い。明日にもこのクラスから追い出されるやつは引っ込んでろ」腕を組んでふんぞり返っている高梨教官を有働が睨み立ち上がる。


有働の動きに合わせあの透明な箱が有働の前に3つ飛びだす。やはり有働達には見えていないようだ。


「こんなちんけな野郎が俺達の筆頭だと?はん!あんたらのレベルが知れるぜ。俺は火竜と呼ばれていた、逆らったやつは今まで全員丸焼きにしてやったよ。てめえらの見てる前で、ヒトシを丸焼きにして、俺が筆頭だって事を見せてやる」


高梨教官が笑いながら「火竜?そんな中二病のような事、恥ずかしく無いのか?お前、見た目以上にお子様だなぁ」


有働が怒り高梨教官に向かおうと机を蹴飛ばした。そのタイミングで佐々さんを引き寄せる。有働の目の前で透明な箱が爆発して有働が後ろに飛ばされる。佐々さんの机や椅子も一緒に吹き飛ばされた。有働はそのまま気を失ってしまう。

前には爆風が行かない、全て有働に向かう、向かわせたい方向に爆発させるのは物凄い技術だ。爆発に気づいた機動隊が2名駆けつけ気絶している有働を運び出した。


「ところでヒトシ君、君がタマキさんを気に入ったのは分かったが、何時までそうやって抱き締めているんだ?先生恥ずかしくて見てもられないぞ!!」「それとそういう事は乙女には刺激がきつすぎる。今度から大人である教官にしなさい」高梨教官がニヤニヤしながら俺見ている。


佐々さんが涙目で見ている。

「もうお嫁に行けない」そう言ってしゃがみ込んでしまった。ハア~ますます白い目で見られる。


絶対、高梨教官は悪意に満ちている。そう確信した。


佐々さんの席を直し佐々さんが自席に座るが目を逢わせてくれない。高梨教官、絶対恨みます。


「みんなこれで分かったと思う。あの変態王子さまを筆頭にすえる事でいいかな?」キョウカさんとマミさんから待ったが入った。

マミさんが鋭い目をして聞く「教官、筆頭をあんな変態にやらせるなら自分が立候補します。こんな変態に任せるのは反対です、出来れば理由を教えて下さい」


はぁ~初日に変態確定…生きて行けない……

オラ、明日からどうやって生きて行けば良いでしょうか?神様教えて?


志島副教官が立ち前に出る。また透明な箱が出た。これは志島副教官の能力、ボマーだ。そう確信した。それもボマーを隠し見えなくしてなおこの威力、相当な能力者。

「さて、皆さん動かないでね。変態君は何も言わないでね」


「志島副教官、せめて名前で呼んで下さい。俺、みんなから変態クンって呼ばれたら生きて行けません」


高梨教官がうれしそうに「変態君、良いね。変態クンで君のあだ名は決定だね」


「高梨教官、勘弁して下さい」終わった…俺の人生積んだ……絶対ボッチだ………


志島副教官が冷たい目で高梨教官を見る。「さて、変態クンじゃ可哀想だね、何て呼ぶ?ヒトシはちょっとかっこよすぎるから、女足らし、夢見るハーレムクン。高浜教官殺し。ん~何がいいかな」


佐々さんが手を上げて「普通に変態クンで良いです。なんか余計、悪くなって行きますから」


変態クン確定………もう学校止める。


志島副教官が俺の心の声を聞いたのか「学校止めるとか言うなよ。お前の両親や地元の友人達にも話しを盛りまくって変態クンを浸透させるぞ」そう言ってニヤニヤしている。ここの教官、絶対Sだけだろ、絶対あいつら苛めっ子だろう。

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