第3話 変態くん 2
ホールのエレベーター出入口の真向かいに受付がある!警察省 本省と書かれてある?ここは何処につながってるんだ。俺の疑問をよそに高梨教官が第一学園と書かれた通路に向かう。
「これから教室に向かい、学校で使う物を配布する。荷物量が多い、そこの不細工お前手伝え」
不細工って、あんまりじゃ無い。そりゃ自覚はしてますが。
「何してるお前だ」そう言い、肩を掴まれ止められた、学園入り口で俺1人残された。
「志島、先に生徒を教室に連れていけ、身体検査も忘れるな。特に野郎どもは念入りな」
「では、他の人は先に教室に向かいます。身体検査は生徒全員が揃ってから行います。男女共に念入りに調べます、私は高梨教官とちがい皆平等に扱います」キリッとした顔つきで話す。オラこの教官の方がいい。
高梨教官が志島副教官に近くと「怒った顔も可愛い」と言ってキャッキャしていた。志島副教官、可哀想だな…あんな大人いるんだな…はぁこの学校けっこう大変だな…選んで失敗だっかな。
遅れて教室に付く、他の人は席ついていた。小学校の教室位の大きさだろうか?俺達6人で使うには贅沢な広さにも感じる。
席が開いていたのでその席に座る。
机は2列に並び隣の人とは少し距離がある。黒板に席順がかかるてある。向かって右前から有働 孝治、真ん中佐藤 橋架、左前 進藤 里美。
右後ろ佐々 田巻、真ん中俺、左後ろ野々瀬 真美、と並んでいた。何故か俺の真後ろに志島副教官の席があり志島副教官が座っていた。
高梨教官が見知らぬ生徒2人と一緒に入ってきた。
「これから自己紹介をしてもらう。名前、出身、能力。この3つは言うように他は好きな事を話してくれ。先ずは有働から」
有働が立ち上がりこっちを向いた。
「俺は有働 孝治 ≪ウドウ タカハル≫能力はファイアースターター、出身は愛知県、2年生の筆頭を狙っている」教官を含め数人がざわざわとした。やっぱ凄いな異能者は、格好いいな。
「私は佐藤 橋架 ≪サトウ キョウカ≫能力は樹木操作、あらゆる樹木、草花等を自由に操るが出来る。出身は東京都内、自宅では無く寮で生活します」この子も凄いスタイル。それにショウトカットの髪型で格好いい人だな。
「私は進藤 里美 ≪シンドウ サトミ≫ 能力はテレポーター。出身は北海道。この能力のお陰で私は寮では無く自宅から通う事にしている。よろしく」さっきの巨乳ちゃんだ、前の席ね。座ると後ろからも見えるサイズ、ドキドキしてきた。
「私は佐々 田巻 ≪ササ タマキ≫ 能力はテレパシスト、出身は京都です。よろしくお願いします」
あっ、さっきの天然系の人だ。隣か何か良かった。この学園の人達イケメンばかりだな。俺は見劣りするからハブられ無いかな?
思わず心配になった。何処からどう見ても格好良くないの俺だけじゃん。
「俺は高藤 仁≪タカトウ ヒトシ≫能力はバイブレーター、神奈川出身、ここは家から近いので自宅から通う予定です」俺の挨拶に教官の横にいる2人が反応し睨んできた。何かしたのかと少し不安を覚える。
「私は野々瀬 真美≪ノノセ マミ≫です。能力は高質化、鋼鉄の体です。出身は宮城県。私も2年生の筆頭を狙っています」有働がチラッと見た。所で筆頭って何だ?
「うん、ご苦労」高梨教官が年寄り臭い言葉で労う。
「次はこの2人だ。この2人でお前達の身体検査を行う。別に服脱ぐ必要はないぞ、危険な思想信念が無いか、虚偽の申告が無いかの検査だ。何せ国家機密ばかりの場所だ。お前らの頭の中を覗かせてもらう。いじめとか何かやってたやつは注意しろ、ここでばれると落第だ。明日から一般クラスに編入する、この身体検査を拒否しても一般クラスに編入になる」
「まぁ、2人の自己紹介からだな!」
「私は2年生筆頭、光 みつる(女) ≪ヒカリ ミツル≫能力は身体強化、超速移動の二つ持ちだ、今日はもう1人のボディーガードとして来た。現在陸上警察 特殊部隊 ウォーリアの研修生をしている」170cmのボーイッシュな顔立ち、胸が少し小さいのが少し残念だけど。
「私は2年生 次席、間宮 明(女)≪マミヤ ライト≫能力はテレパシスト 念写 精神感応能力の3つ持ち、身体検査は私が行う。ちなみに私は海上警察 特殊部隊 シールズの研修生だ」ああ、この人が学園のアイドルと言われる人ね。この学園選んだのも、この人に会いたかったのも正直有るんだよね。
間宮先輩の挨拶で皆ざわつく。理由が分からず隣の佐々さんに聞くと能力の3つ持ちはかなり貴重な存在でどの国も1人もしくは0人。能力がばれると殺害や誘拐等の可能性も有ると教えてくれた。
高梨教官がこっちを見てにっこり笑い
「またタカトウか?お前本当に女好きだなぁ」そう言って笑う。また皆さんの視線が痛いです。佐々さんまで巻き込んで申し訳ない気持ちになる。
高梨教官が前に出ると全員に立ち上がるように言う。
「それじゃ始めるか、有働 前に出ろ」
「教官、何故俺から何でしょうか?はっきり言ってこんな身体検査は反対です。納得が行きません」有働が強烈に拒否した。
「質問は拒否する。気に要らなければ異能科に来なければ良かったんじゃ無いか、気に入らないやつは他にもいるか?何時でも一般に編入させるぞ。但し一般はかなり学力レベルが高い、有働、お前がついて行けるかは知らんがな」
「俺はそんな検査しなくてもこの能力でやっていける、そう思っている」有働が怒りをあらはにさせ高梨教官を睨み付ける。
高梨教官は小馬鹿にするように笑い「ふむ、お前は馬鹿だろう。お前程度の低能な力で何が出来る。例えば今、私の持っている拳銃に対抗出来るのか?」そう言ってかまえる。
「待って下さい」思わず割って入ってしまった。
「嫌がるやつに無理やり受けさせるのは俺も反対です」やっちまった。余計なことしちゃった。俺も一般クラス確定だ。
高梨教官が俺に拳銃を向けてニヤっと笑い
「ならお前が先に受けろ。勇気に見合った行動を取れば殺しはしない。がそんな勇気が無ければ有働と一緒にお前も消えてもらう」「この辺りの海は人食いザメが多くいる。処理には困らん」有働が恐怖で青ざめた顔をしている。
「わかりました。じゃぁ、俺が受けます」間宮先輩の前にたった。
「間宮先輩、俺は何をしたら良いですか?」
間宮先輩が驚いた顔で俺を見る。
「お前、怖く無いのか?お前の頭の中を全て調べるんだぞ?やな事とか全部見る事になるがいいんだな?」
「怖く無いと言ったら嘘になります。けどこんな嫌な役回りをする先輩も大変だと思いますし、俺、頭良くないので隠しごと苦手だし、色々ばれると思うので問題無いです」
「良く言った。このスケベ大将」高梨教官から背中をバンバン叩かれスケベ大将と連呼される。完全に教官の中ではスケベ確定のようだ。
間宮先輩の前に椅子がおかれた。その椅子に座らされる。間宮先輩が俺の頭に右手乗せる。頭から何やらエネルギーのような物が入って来るのが分かる。別に嫌な気はしない。手が暖かいし、柔らかいし、凄く気持ちがいい。間宮先輩こそ、人の心が分かるなんてやな事の方が多かっただろう。先輩の事を思うと心が痛む。
身体検査が終わったようで高梨教官がどうだと間宮先輩に聞く。
間宮先輩が「はい、やっぱりスケベですね」と言って笑った。間宮先輩の笑顔は凄く可愛けど、可愛ですけどスケベ確定ですか?俺確かに年相応に欲求持ってますけど。でもスケベは無いでしょう。落ち込みながら席に戻る。女子生徒からの視線が痛い。
高梨教官が興味津々とばかりに間宮先輩に近づき何が見えた?エッチな映像見えたか?と言って1人盛り上がっている。後ろの席に座っていた志島副教官が机をバンと叩き立ち上がる。
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