第4話

 もう6時限目。今日は数学、英語、化学、とどめに体育2コマと来たので疲れていた。最後は地理だったが、クラスの大半はうとうとしているか机に完全に頭を伏せている。僕は朝の出来事が気になって外を眺めつつ、地図帳をめくっていた。なんとなく曇り空になっており、教室内の方が明るい。

 退屈な授業は窓の外と黒板を交互に見ているうちに終わり、下校となる。健二が駆け寄ってくる。

「今日ヤバくなかった?体育しんどすぎて地理の時間爆睡だったんだけど……」

僕は健二が何を言いたいかすぐ察して、ノートを渡した。

「へへ、ありがと、さすがだよ慎一!明日返すから!」

と言い、健二は野球部の格好になり去っていった。僕は部活動は特にしていない。いや、音楽部には所属しているが幽霊部員だ。さっさと帰って夕食を食べ、趣味のラジオを聴きつつ、眠りに落ちたいのだ。

 鞄を背負い、僕は帰路に着いた。いつもの横断歩道を渡っているときだった。

 僕は、トラックに轢かれ、事故に遭った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る