第2話
僕はハッとして目を覚ました。朝だ。目覚ましのアラームを止め、カーテンの端をめくると外は大層晴れていた。眩しくてカーテンを閉めなおすと、僕は起き上がり、寝巻きを脱ぎ、制服のシャツに袖を通す。
僕はあくびをしながら、今朝の夢のことを思い出していた。きらきらしてふわふわした生き物が、粘土を捏ねて何かを作っている──。そんな内容だったと思うが、細かいところが思い出せない。
いつもはもっと鮮明な夢をみるのに、不思議だな──。僕の夢はいつもカラーだし、矛盾するところがあまりないし、ストーリーがしっかりしたものが多いのだ。僕はなんとなく引っ掛かりながら、夢について考えるのをやめた。
「慎一!早く起きなさい!」
「もう起きてるよ!今行く」
自室の扉を開けると朝食の匂いがする。目玉焼きとトーストらしい。
「母さん、父さん、おはよう」
「慎一、おはよう。ご飯が冷める前に食べちゃって」
「俺はもう行くね、母さん」
「いってらっしゃい」
キッチンでそんな会話をしながら、僕は父親とすれ違いで食卓についた。目玉焼きに塩胡椒をかけながら、あくびをする。トーストにマーマレードを塗りながらまたあくびをする。おかしいな、よく眠ったはずなのにこんなに眠いなんて。トーストを齧り、目玉焼きの白身の部分から食べていく。カフェオレはいつもよりかなり甘くて、驚いて目が一瞬にして覚めた。
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