第48話 シアター イン 柴崎家! いざライブ開催!
優樹「こんにちは、ボクは優樹、天河 優樹っていうんだよ! これからのボク達の活躍を見ていてね!…って、こんな感じで良いの…かな?」
クラリッサ「私はクラリッサ! フレイリアーナ王国第一王女にして、王国最強の騎士だ! 戦い時は私を呼べ!…よし! 決まったな。」
フォン「ワッフ! こんにちは…宜しく…ワッフ! これでいい…?」
優樹達は、カトやんが構えるデジカメの前で思い思いのポーズをとっている。
柴崎家のオタク部屋に置いた販促物のディスプレイ ベース…いや! ここは優樹達の特設ステージだ!
ここは誰が何と言おうと、俺の家は今! 優樹達が舞い踊る! 優樹達専用ライブ ハウスとなったのだ!
カトやん「うっひょ〜! ほっほ〜っ! ほひぃ〜!」
ライティングと撮影係のカトやん、遠慮無くその持てる技術と情熱と煩悩とその他色々で優樹達の最高の映像を記憶と記録に残してくれ!
末次「まあっ! 皆っ素敵よ! 次、優樹ちゃん次は剣を片手で掲げてね! クラリッサちゃんはシールドを前で構えてね! フォンちゃんはくるっと回ってワッフなボーズをお願いね。
はいっ! 3人一緒にポーズ! キャー! 素敵! 3人共超可愛いわよ!」
優樹「えっ? こっ、こうかな…?」
………優樹達3人は格好良く、時には可愛く、時にはキュートにそれぞれポーズを決めていく。
それはそれで、とても可愛く美しくビジュアル的に良いのだが…。
末次「あ〜ん! 可愛いいっ! 可愛いいわよ貴方達! もう最高ぉ! でも、もう少し待っててね、そしたらメーナちゃんと紫鶴ちゃんも揃うからね! そしたら皆で勝利のポーズを決めちゃうの! これは絶対のぜったいよぉ! 」
身体をクネクネさせて全身で喜びを表現されている末次さん…流石に撮影会始めて2時間以上経っているのですが…。
俺「えっと…あの…末次さん、撮影も良いのですが…時間的に…そろそろ我々はダンジョンに向かいたいと思うのですが、末次さんはどうなされますか?」
末次「あらっ? まあっ御免なさいね私ったら年甲斐も無くはしゃいじゃって。
オホンッ、加藤様よりダンジョンの話しは聞いております、私も勿論同行させて戴きますわ、優樹ちゃん達と一緒に戦い、私も背を護り合う戦友になりたいと思います。
それでは、準備を致しますから空いている部屋があればお借り出来ますか?」
末次さんはダンジョンの事を聞いているのか、アタックする気バリバリのようで隣の部屋で準備してもらった。
俺とカトやんもそれぞれ準備を済ませ外に集合する、勿論優樹達は俺の両肩と頭の上だ。
末次「お待たせ致しました、それではご同行させて戴きますので、宜しくお願いします。」
末次さんは全身ポンチョ タイプの雨合羽を頭っからスッポリと被り顔の部分だけ出していた。
右手に何か棒状の物を持っているようなので、前衛タイプになるつもりなのだろうか? まぁ、とにかくやるは気十分のようなので、怪我には注意してほしい。
山道を登り入口にある[ 背向け地蔵 ]に頭を下げ、気持ちを切り替える。
ダンジョンに入って優樹達は順調にタンポポやスライムを倒して行く、そろそろ末次さんにダンジョン アタックしてもらうか?
俺「では末次さん、こんな感じで戦ってますので、次に敵が来たら戦ってみますか? 勿論危険と判断したら優樹達にフォローはさせますが。」
末次「はい! 私、頑張りますのでやらせてください!」
やはり初めての経験なので、かなり緊張ぎみのようだ、笑顔が少しぎこち無い。
フォン「ワッフ! 敵スライムいる!」
末次「よ〜し! 行くわよ!」
………ここから先、約一時間の間にあった出来事は、俺にとって人生と理性のキャパシティを大幅に越える出来事であったので、感情や思考などは入れずに、ただそこで見た事のみを簡潔に伝える事にする。
ダンジョン内に雨合羽を放り投げ、敵スライムの前に躍り出た者の名は末次 吉成。
その頭にはプリンセス ティアラ、服装はセーラー服を白とピンクにディフォルメした洋服で下はブルーの短めのプリーツ スカート、膝上まで来る白いロング ソックスに膝下まであるピンクのロング ブーツ、肘まで有るピンクの長手袋。
その右手にある物は、剣でも槍でも無く金色の星が3個付いた魔法のステッキだった。
末次「さあ行くわよ! 私の名は、愛と正義の魔法少女マジカル スージー! この世界のあらゆる枷から取り払われたこの私の渾身の愛の一撃を喰らいなさ〜い!」
すえ…スージーの一撃はスライムの核を打ち抜き、赤い粒子へと変えた。
スージー「まだまだ戦いは始まったばかりよ! 優樹ちゃん! クラリッサちゃん! フォンちゃん! 後の皆も私、マジカル スージーにしっかり付いて来なさい! 次はフォーメーションを組んでの戦闘よ! さあ! 行くわよ!」
優樹「うん! 行こうスージー、ボクだって負けないからね!」
スージーと優樹達は先を競い合う様に新たに出現したゴブリンに切り掛かって行った。
俺とカトやんは状況を全く理解出来ず、何故か重くなった身体を引きずるように進むのだった。
カトやん「本当に…あらゆる全ての枷を解き放ちましたね……。」
俺の隣でデジカメを持ったまま岩の様になったカトやんの口から、低く何の感情も籠もって無い言葉が出て来たが…、俺はその言葉を否定する事も肯定する事も出来なかった。
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蒼のじゅんなま です。
自分もこれ書いていて、最後にはランナーズ ハイに酔いしれました。
本人(末次)はとても楽しそうですが…、あんな物見せられて真っ白になったシバやんとカトやんに愛の♥と★をお願い…しま…す。
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