第46話 本編からチョットだけ未来の話 その2

 蒼のじゅんなま です。


 何とか退院出来ましたが、全回復では無いので今週もチョット少な目でスミマセン。

 リフレッシュとリハビリを兼ねて今回、[ チョットだけ未来の話し…その2 ]を書いてみました。

 自分の原点に戻りコメディ回なので、皆さんに読んで貰い笑ってくれたら最高です。


ーーーーーーーーーー

 背向け地蔵 ダンジョン ?階層


メーナ「そ〜れ、えいやっ!」


 敵を視界に捕らえた瞬間、弾けた様に飛び出した[ メーナ フォルテシモ ]の持つ黒い大鎌が唸りを上げ、ゴブリン一体を切り裂いた!


紫鶴「私も参ります! 五行正方! 火気による炎球!」


 続けて[ 戦場 紫鶴 ]が、妙に胸の部分が膨らんだ着物から呪符を取り出してゴブリンに向け放った! 4センチ四方の呪符はヒラリと額に張り付くと拳大の炎と成りゴブリンの顔を焼き焦がした!


優樹「凄いよ2人共! よ〜し! ボクも行っくよー!」


クラリッサ「2人に遅れを取るものか! 私も行くぞ! 」


フォン「ワッフ! ワッフ!」


 優樹達3人も元気良く戦場に飛び出して行く。

 優樹が鋭い剣技で敵を切り裂き、クラリッサがメイスで叩き潰し、フォンがブーメランで後方の敵を薙ぎ払う。

 うん、素晴らしい! 敵はゴブリンだけで、アーチャーや呪術師やレッド キャプ等か居ない7匹のみだが、戦いは美少女戦士5人が揃った我々が圧倒している! 少し前までゴブリン3体出て来ただけで逃げ出していたのが懐かしく思えるほどだ。

 今日は、色とりどりのコスチュームでお洒落さんなマップルちゃんの横で、何時もブヒブヒ言っている地図と撮影担当の逃げ足の早い脂肪肝のモブは居ない。 

 何か? どうしても外せない用事とかで、何時ものブヒブヒでは無くシクシクと泣きながら帰ったから今日は久しぶりのシングル アタックだ。


メーナ「君で最〜後! それっ!」

 

 メーナは踊る様に軽やかなステップでゴブリンに攻撃のタイミングを掴ませず、懐に入った瞬間黒鎌の鋭い一閃で縦に真っ二つにしてしまった!

 真に素晴らしい一閃だ!

 強さとは、煩悩だろうと色欲だろうと、そこに込められた念に魔力は強く反応すると俺の補佐であるたまご男爵のバロンは言っていたが、5人の中で一番の人気を集めるメーナが強くなるのは必然なのかもしれない。


俺「よ〜し! やったぞ皆! 凄いぞ、これだけの敵を瞬殺してしまうなんてな! この調子でガンガン行くぞ! 次はバラバラに戦うのでは無く、仲間との連携! コンビネーションを意識して戦ってくれ。」


メーナ「え〜? メーナはやっぱり自由に戦いたいかな〜。」


優樹「メーナ、紫鶴、さっきのは凄かったよ! うん! ボクも負けないからね!」


 え? メーナはともかく優等生の優樹も自由にやりたいって? 折角5人揃ったのだから好き勝手に戦うのでは無く、5人で一つの戦い方を学んで欲しい俺なんだが…。


フォン「ワッフ! 向こうから敵タクサン来た!」


 何? もう次の敵? しかも沢山? いち、にー、さん、たくさん、沢山…敵が来ただと? とにかく応戦をしよう応戦。

 

クラリッサ「我が名はクラリッサ! フレイリアーナ王国最強の騎士だ!

 お前達の中で腕に覚えがある者は我の前に立つが良い!」

 

 クラリッサが勇ましく敵の前に躍り出た! お前も目立たかっのか? アニメでは皆、自由に戦って戦術やフォーメーション等は、やってなかったからなぁ……優樹達に気を取られていたら不意に、敵ゴブリンの中に杖を俺に向けた魔導士と目が合ってしまった。

………………………


 あれ? ここは何処だ? 辺り一面真っ白…霧の中か? どうして俺はこんな所に? はて、俺は今まで何をして…?

 不意に目の前に俺の従兄弟、柴崎 春奈が立っていた、何故か? かなりご立腹のようである。


春奈「将吾兄ぃ! 脱いだズボンと靴下そこらへんに置かない! 食べた食器はすぐ洗う! ゲームしながら眠らない! 何度言ったら治すの! いい加減ちゃんと生活しなさい!」


 え? 春奈? ちゃんとした生活? はい、ゴメン善処します…春奈に怒られちった。

 でも、これほどハッキリ意見してくる春奈は初めてかも…いつもはジト目の上目遣いでプレッシャーを掛けてくるのに…こんな文句言ってくる春奈は……あれ? 春奈? 何処に行った?


鷲尾 美幸「柴崎君! あんた何時まで時間掛かっているの! データの入力は? バグのチェックは? 食料の買い出しは? クライアントに連絡は? あんたこの業界にどんだけ居るの! 私を本気で怒らせる気?!」


 ひぇぇぇぇー御免なさい、御免なさい! 鷲尾代表、御免なさい!  

 渾身のジャンピング土下座いたしますから、どうかお命ばかりはお助けを………あ…あれ? そんなにお怒りなのに口だけですか? いつもの代表なら拳の2、3発飛んで来ますよね…もしかして調子悪いのですか? 働き過ぎなんですから休む時は休んで下さい? 代表? あれ代表は…?


優樹「この愚民がぁー!」


 へ? 優樹? 今の台詞キャラが違くない? チョット、チョット頼むから待ってくれ。

 天河 優樹の中の人、超絶人気声優[ 金澤 華 ]様は、超絶人気声優様だけあって、色々な役柄を演じておられる訳で、その中に学園バトル アニメ[ 爆拳! ]に出て来るラスボスで生徒会長[ 天聖崎 桜子 ]の中の人でもあり、その超上から目線で発せられるお言葉は…。


優樹「頭が高い! 控えよ、この愚民どもがぁ!」


俺「はっ! ははぁー。」


 優樹の格好で桜子様の台詞を言われてしまったら土下座するしか無いではないですか!


優樹「貴様ら大衆は豚だ! 豚は豚らしく豚のように鳴いてみせよ!」


 そうだ! 桜子様に豚になれと言われたら豚になるしか無いではないか! 今こそ俺は力一杯豚になるぞ!


俺「ブヒィ! ブヒィ! ブヒヒヒィ! ブヒヒ……」


優樹「そうだ! もっとだ、もっと沢山愚民らしく鳴いて見せよ!」


俺「ブヒヒヒィ!」


………………………

俺「ブヒヒヒィ……はっ? あれ? ここは何処?」


 俺は何故かダンジョンで土下座していた。

 どうやら戦闘は終わっているようだな、優樹達が俺を心配そうな目で見ている。


バロン「我が主、敵は全て倒しましたが、貴方はゴブリン メイジの精神汚染魔法を受けられていたようです。」


優樹「将吾君?! 大丈夫?! ゴメンネ! ボク達が好き勝手したから…。」


クラリッサ「マスターすまない、私も浮かれ過ぎていて、護りを疎かにしたようだ。」


フォン「ワッフ…ゴメン、ワッフ。」


メーナ「メーナも今回はチョット反省…かな。」


紫鶴「将吾殿、誠に申し訳ない事なのです。」


 俺の身に何があったのか? 良く覚えていないが…皆が一つになってくれるなら、それはとても良いことだな。

 もっと俺も頑張るから皆でもっと強くなろうな……ブヒ!


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