第37話 ダンジョンで新春高校生書き初め大会をしました。
クラリッサ「セィ! ハァ!」
ダンジョンにクラリッサの気合と共にスライムへの打撃音が響き渡る。
カトやんから[ 棍技Lv1 ]を貰いすぐ装着してみたが、力任せに振り回していたメイスが、かなりシャープな動きになった気がする。
まだまだ達人の動きでは無いが、[ 盾技Lv1 ]と共にバランス良く成長させて行きたい。
クラリッサ「これで止めだぁ!」
クラリッサの大上段からの一撃がスライムを叩き潰す! やはり、スライムは打撃で潰す倒し方が正しいようだ。
優樹「うん! クラリッサ良いよ! 少しづつ動きが良くなっている!
将吾君! ボクも早くクラリッサと一緒に戦いよ!」
先程から自分も戦いに参加したがっている優樹を何とか止めていると、倒されたスライムは赤い粒子となって俺の魔導書に取り込まれた。
これでスライム2匹目を撃破だ、そろそろ俺のレベル アップが近いのではないだろうか? ここはもう少し奥まで進んで、2人のコンビネーションの訓練もしてみるか?
カトやん「デュフフフ、今度は優っきーとクラリーの2人が揃って戦っている映像が欲しいところですな〜。
でもその前に一度休憩を入れて、僕のスキル( マップ エディト )を使って現在位置を確認してみませんか? 結構奥まで進んだと思いますが?!」
現在位置? そうだな、今まで一本道をただ進んで来たが、自分達は今どの辺りに居るのか知っておくのは大切だ、ぜひマップルちゃんにスキルを可愛く披露してもらいたい。
カトやん「ではマップルちゃん、出番ですよ! 貴方のスキルを披露してください。」
マップル「は〜い御主人様、私頑張ります!」
ピョコンと出てきたマップルちゃんの姿を見た瞬間、サンダー ボンバー級の衝撃が俺の全身を撃ち抜いた!
衣装が水色のワンピースでは無く、夏服のセーラー服を着用なさっておられるではないですか?!
カトやん「デュフフフ! カスタマイズ スキルでマップルちゃんの衣装がチェンジ出来るのですよ。
もちろんジェムは必要ですがね、後もう少しレベル アップすると巫女服がゲット出来ますよ。」
何にぃ! 巫女服だとぅ?! それはとても良い物だ!……では無く。
俺「何だとカトやん! 俺や優樹達が文字通り生命を賭けて戦いの末に手に入れたジェムを、事もあろうにお前はコスチューム チェンジなどに使ってしまったと言うのか?
お前はっ! お前は冒険者失格だぁ! だがしかし! そんなお前を俺は勇者と呼ぼう! 是非とも次はメイド服を希望いたしたい!」
くっ、コスチェンとは斜め上かつ王道な事をやってくれるではないかカトやん! 優樹達フィギュアには流石に出来ない神業だ。
しかもセーラー服があるならば、絶対にセクシーな水着とか危ない水着とかエッチな水着がある筈だ! マップルちゃんが着るならスク水着でも良し!
カトやんには早くジェムを貯めてそれらをゲットして、速やかに俺に披露してもらいたい。
カトやん(シバやんの事ですから、絶対にセクシーな水着とか危ない水着とかエッチな水着とかスク水着とか欲しいと言ってくるでしょうが、残念ながらそれらは僕だけのコレクションにしますからね!)
俺「フッ、フフフフッ。」
カトやん「フッ、フフフフッ。」
優樹「将吾君、何か笑い方がおかしいよ?」
バロン「白い娘子や、我が主は健康な男子であり愚かな思考の持ち主でもある、故にいちいち付き合っていても疲れるだけなのである。
地図の娘子よ、そろそろ主のスキルを披露してもらえぬか?」
マップル「は〜い、では始めます! ステッキ召喚、マップ作成!」
カトやんの両手にA3サイズのスクロールが出て広がった。
其処にマップルちゃんが空間から身長と同じく位の筆と墨壺を取り出して、勢い良く絵を書き出した。
マップル「え〜い、とう! はぁっ! そ〜れ、うわっ! きゃあ!」
……新春高校生書き初め大会にしか見えん光景だな。
しかもダイナミックに転んでいるし…でもスーパー グッドだぜマップルちゃん、お約束を外してないぜ。
スクロールを持つカトやんも、恍惚の表情をしているではないか、次はぜひ巫女服姿でお願いします。
マップル「えへへ、チョット失敗しちゃたけど、頑張りました。」
ツイン テールをピコピコさせながらおデコやホッペに墨を付けたマップルちゃんが、恥ずかしそうに笑っている、そんな姿もグッドだぜ。
カトやん「良く頑張りましたマップルちゃん! それでは出来た地図を…う〜ん、まだこんな所ですか? どうやら先は長そうですね。」
カトやんの持つ地図スクロールを覗き込む、入口から直ぐ右へ曲がり真っ直ぐな道が描いてある、スクロールが全体図だとして5分の1位が埋まっている。
随分歩いたつもりだったが、まだまだ先は長かったようだ、地図の先には一体何が…
???「グッ、ゲヒャアァー!」
なっ、何だ?! 俺のすぐ右横から何かが飛び出して…がっ!
ドカッ! ドスンッ!
ぐふっ、 背中を殴られて転んで…だっ、誰だ? 緑色の子供? なんでこんな所に?
???「ゲヒャア! グヒィ!」
奇声を張り上げ、棍棒みたいな物を振り回して来る何か。
俺は咄嗟に…両手でバールを持ち、それを受けてしまった!
カトやん「シバやん!」
魔導書[ 祖は左手の手に ]を手放してしまった事を気付かずバールで防御する俺。
優樹とクラリッサが、糸が切れたように俺の肩から崩れ落ちていった。
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