第29話 妖精美少女「初めまして、よろしくお願いします。」と、目くそ鼻くそコンビの話し。
柴崎宅 中庭
カトやん「ふんふん…三番目の冒険者で…金宝箱のスーパー レアが1個、10連ガチャチケが一枚、微少ジェム 3000個ですか。
あっ、それとタンポポ撃破で…2個ジェムゲット。
それでは一括受け取り〜からの10連ガチャ廻し〜の…ほうほう…銀宝箱のレアが一個に残りは茶宝箱のノーマルですかぁー、こりゃまたショボいですねー。
開けるにはジェムが必要っと、ではポチッとな。
え〜とスーパー レアがスキルのマップ エディット…で、レアがスキルの索敵…と、ノーマルは、剣技とか盾技とか…ポーションが4個出たのは良いですね。」
カトやん、そんな疑いもしないでホイホイ ポチポチ進んで良いのか?
カトやん「それはシバやんと優っきーを観れば、躊躇わずガチャ回すっしょー! ほんでもってシバやん! どうしたら僕も、優っきーのような相棒が出来るのですか?」
何だ? カトやんもクリエイト ゴーレムが欲しかったのか? でも出て無いぞ。
カトやん「………ほへ?」
俺「だーかーらー、スキルでクリエイト ゴーレム引いて無いから。
カトやんに優樹は動かせない。」
魔導書[ 祖は左手の手に ]を出して、優樹を右肩に乗せる。
フッ、所詮モブの隣にヒロインが寄り添う事は無いのだよ。
カトやんは動かない、まるで屍のようだ。
カバッ! ドシャ!
カトやんはいきなり頭を地面に擦り付け泣き喚いた。
カトやん「チックショーオォー! 何でだぁ! 何でこんな色素薄くて早死にしそうなヤツがゴーレム マスターなのに! 何故! どうして僕はゴーレム マスターに成ってフォン フォンに会う事が出来ないんだよぉおぉー!」
そういえば、カトやんはフォン推しだったな、しかしメタボ男の嘆きは見ていて非常に醜い絵面だな。
それとカトやんが普段俺をどう考えてるか良く分かったよ。
カトやん「ふ〜ん…ふっ! まぁー出ない物はしょ~がないですね、ここは素直に諦めましょう。
それではここはスーパー レアのスキル、マップ エディットを取っておきますか…ほいっポチッとな。」
言うだけ言ってスッキリしたのか、立ち上がってスクロールをポチポチするカトやん。
切り替えがメチャ早えーな。
カトやん「昨今のソシャゲ事情を鑑見れば、幾ら課金しても欲しいキャラが出ない時は本気で出ないですからね〜。
キャラ復刻などの再チャンスは又来るでしょ、その時に又改めてフォン フォンを狙いましょう。
おや? 何か具現化しますね?」
カトやんの持ったスクロールの上に、ライト ブルーの何かが浮かび上がった。
どうやらカトやんに最的確なパートナーが生まれるようだな。
俺は上から目線のたまご男爵、春奈は毒舌詐欺師と来ればカトやんにはアウトロー相撲取りとか…?
カトやんのスクロールの上に少しづつ人の形が出来上がる、全体的に細見なシルエットだ、そして背中に羽が生えて…えっ? 羽? もしかして妖精系?
しかも黒、黄色、白の蝶タイプ? 頭からライト ブルーの髪の毛が二本出てきてツイン テールに成っただと?
ノー スリーブのライト ブルーでシンプルなワンピース?
健康的な肌色で思わずツンツンしたくなる様なプニッとしたほっぺ?
優樹よりやや年下の12、3歳位の美少女?
クリクリッとしたライト ブルーの大きな目がカトやんを見上げて言葉を喋った?
???「初めましてぇー! これからズット一緒ですね! 私のスキルはダンジョンのマップを書ける事です。
頑張りますので、どうかよろしくお願いします!」
なっ! 何だと! カトやんに最的確な相棒は妖精美少女さんだとぉ?
しかもソプラノのチョット幼い感じの声で、これからずっと一緒だとう? これは絶対何かの間違いだ! 誰か間違いに違い無いと言ってくれ!
カトやん「ほっほー! これはこれはご丁寧に、これから宜しくお願いしますよ!
僕の事は、御主人様でも、マイ ハニーでも、ダーリンでも、お兄ちゃんでも、先輩でも、少佐殿でも好きな呼び方で呼んで下さい。
それで貴方の名前ですが、そうですね…う〜ん?…マップルちゃん…でどうですか?」
マップル「はい! 私の名前はマップルですね! 素敵な名前を頂いて嬉しいです! これから頑張ります御主人様!」
誰か…誰か目の前の光景を間違いだと言ってくれ! 何故だ? スキルがスーパー レアだからか?
ガクッ!
何処からと無く来る絶望感と敗北感で体から力が抜けて行く。
大地に両膝と右手を付いてしまった。
しかし、それとは対照にフツフツと腹の奥底からマグマの様に湧き上がってくる霊の慟哭を、今すぐ吐き出さないと俺は壊れてしまいそうだ!
俺「どチクショぉおぉーおー! 何故っ! 何故なんだよぉおぉー!
俺なんて…俺の相棒なんて上から目線のタマゴ男爵なんだぞぉおおぉー!
何故こんなメタボな脂肪肝で早死しそうなヤツの最適なパートナーがぁ! 明るく元気に頑張る妖精美少女さんなんだよぉおぉー!」
行き所の無い、ぶつけ所の無い思いを俺は、一体どうしたら良いのだろう?
カトやん「フッ! 向こうの方で何か喚いてるモブが居るようです。
どうやら僕の引きの強さがシバやんを打ち負かしてしまったようですね。」
心を切り替えろ俺! 右肩に乗っている優樹が心配そうに見ているではないか…こんな敗北は何度もソシャゲのガチャで経験しているはずだろう。
今こそこの怒りと悲しみを力に変え、立ち上がれ! ジーク ジOン!
バロン「娘子達よ、この愚かな者達を良く見ておくがよいぞ。
巷では、このような者達のことを目くそ鼻くそと呼ぶのである。」
優樹 マップル「「あはは…。」」
「いーくーよー! イッチ、ニィー、サン、シィー、GOォー!」
何だ? 電話? 相手は…鷲尾代表? はい! すぐ出ます。
鷲尾「…柴崎君、私に何か隠してるでしょ。」
鷲尾代表の声は低く、危険領域にいると本能が告げた。
俺「ひゃい? にゃっ何を隠すやうな事が、代表にぃ有りまするでっしゃろう…ですか?」
鷲尾「…声がひっくり返ってるわよ、やっぱり何か隠してるでしょ。
ここ数日、あからさまに変だったわよ。
明日ソッチに行くから、その時に詳しく聞かせてもらうわ。
時間、開けて置くように。」
無情にも電話は切られた。
俺「ヤバイ! 本気でヤバイ! 何か色々バレてるし、何より鷲尾代表のあの感じ…怒り出す1分前ってヤツだ。
正に人生最大のピンチだ! 逃げるか? いやアカン、先回りされて逃げても捕まる! ここはやっぱり全力の土下座か? どうしたら? 嗚呼、俺は一体どうしたら…?」
今までの事は全て吹っ飛んだが、今度はもっと大変な激動がやって来る!
バロン「ダンジョンの中では無く、現実の世界で絶対絶命になるとは…我が主は真に数奇な運命の持ち主であるな。」
明日、俺は生き延びる事が出来るか?
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蒼のじゅんなま
ヘタレ主人公、将吾君が(現代ファンタジーなのに現実の世界)ピンチです。
頑張る為にも♥と★をお願いします。
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