第23話 アニメ[ 異世界幻想伝 フレイリアーナ ]

第7話 [ 想いで貫け! フェニックス シュート! ]


[ Bパート ]

生命の大森林 世界樹の門


フェルドラ「アーハッハッハのハ! 純白の勇者ども! よくも今の今までグレイル様とラブラブで新婚で幼妻となる私のバージン ロードを散々邪魔してくれたな! 

 だが! だが! それも昨日までの話しだ。

 今日お前達は、この世界樹の番人たる大猿人に、ぼっこぼっこのぺったんこに…うわっわわっ!」


???「…猿人…ではな…い。」


 小煩い蝿の様にフェルドラを祓い退け一歩前に出て来たのは、見た目は灰色の体毛で腕の長さと同じ位の髭を生やした[ 世界樹の門番 ]である老猿。

 5メートル近い身長、身体は節くればっていて如何にも悠久の時を過ごして来た者だけが持つオーラを醸し出していた。


ティムト「ほらほらフェルドラ姉ぇ、世界樹の門番は門番であって、僕達の味方では無いのだからそんなに近付いちゃ駄目だよ。」

 

 ひっくり返えったフェルドラを立ち上がらせながら、ティムトは優樹達を見て呟いた。


ティムト「さて、今回も星見達の観た運命を超えるほどの、どれほどの星の輝きをあの娘達は見せてくれるんだろう。

 怪我とかしなければ良いのだけど…」


優樹「皆、気を付けて! この人凄く強いよ!」


 老猿を一目見て、優樹は今までに無い位の圧力を感じ戦闘態勢を取った。

 たが不思議と老猿に殺気を感じる事は無かった。


 優樹達5人が[ 聖剣 トライフィード ]に導かれ辿り着いた場所は、常に霧に包まれた[ 生命の大森林 ]と呼ばれる森の奥深くであった。

 だがそこにはフェルドラ達が先回りをしていて、大森林の中心に有るとされる[ 世界樹 ]へと続く道の門番と立ち塞がっていた。


クラリッサ「これはこれは見事な戦士殿だな、だが我々も何が有ろうと前に進まねばならん! 百の言葉を重ねても進めぬのなら、力を持って押し通るのみ!

 私はフレイリアーナ王国、第一王女クラリッサ・メルベーレン・フレイリアーナ、世界樹の門このメイスを持ってまかり通る!」


 最初から戦う気満々なクラリッサの横に、ふらりと一人の女性が歩み出て来た。


メーナ「あ〜あ、本当にリッサは猪突猛進するしか頭の中に無いのかな? 

 でも、まー今回はしょーが無いっかー、メーナも何時までもこんな所にいたら足に根っこが生えてきそうだしー。

 うん! それじゃこのお猿さん相手にいっちょやっちゃおっかなー!」

 

 真っ赤なフリルが沢山付いた、そして赤いハイヒールを履いた左足を太腿まで大胆に出すスリットが入ったデザインのロング ドレス。

 クラリッサとは違う、くすんだ色をした癖のある金髪のロング ヘアーを背中まで伸ばし、蠱惑的なオリーブ グリーンの瞳を持つ、優樹の4番目の仲間がクラリッサの横に並んだ。


 彼女の名はメーナ・フォルテシモ


 自由奔放な踊り子だった母親譲りの美貌とプロポーション、剛剣の戦士である父親の戦闘センスを継いだ一人娘。

 人懐っこい笑顔と明るい色気を醸し出し、そこに男子が10人いたら10人共に振り返るであろう17歳の美少女。

 メーナの魔力を吸い光の魔法で姿を隠したり、分身を見せたり出来るカラフルなハイビスカスの花を咲かせた、魔法生物マンドゴラ[ ドゴラちゃん ]を左耳の上に携え、右手には身長と同じ位の黒い大鎌[ 黒 ]を武器とする幻惑係戦闘スタイル。

 少々気分屋な所もあるが、優樹達の中でも戦闘能力は頭一つ分飛び抜けた強さを持つ。

 クラリッサとは学び舎が同じで、何か面白そうな事をしているから…が優樹達に参戦した理由である。


紫鶴「どうして貴方がたは、何でも拳と喧嘩で押し通そうとしするのですか!

 そちらの老猿殿もまず、コチラの話しを聞く耳をお持ちくだされ。

 我々は純白の勇者殿の導きにより、滅びによる終焉を回避するため旅をしていおりまするのです。

 老猿殿もこのままイタズラに時が過ぎれば、やがて滅びによる終焉が訪れてしまうのは解っているのではないのですか?」


 クラリッサとメーナを押し退ける様に前に出て来たのは、優樹やフォンよりも年下の12歳で身長150センチ位の紫の和服を着た、おかっぱとも姫カットとも言えるヘアー スタイルに酒鬼族の象徴である黄色の小さく可愛いい角を一本生やした女の子。

 真っ白い肌と大きなどんぐり眼の黒い瞳、少し大人ぶった言葉遣いをする、パッと見お人形さんの様な美少女だった。


 彼女の名は戦場 紫鶴(いくさば しずる)


 酒鬼族の族長の娘で、滅びによる終焉にあがらうため、本来ならば純白の勇者に族長が参戦するはずだったが、優樹達が女性ばかりだったため


族長「こんりゃ〜、皆めんこい娘子ばっかでね~が。

 そっだら、おら達も娘子ば出すべや、お〜い紫鶴! おめさ、あの娘子たちに混じって、ちょっくらちょいと戦って来いや。」


 族長の一言で、急遽参戦が決まってしまった紫鶴。

 しかし持前の生真面目さで頑張る、優樹のパーティで一番のしっかり者であった。

 

世界樹の門番「…お前達の言っている事は理解出来る…されど、この門を護る事が我の役目。

 お前達の星見が観た…滅びによる終焉。

 それにお前達が抗うのであれば、その力を我に示せ! 想いの力で貫き通してみせよ!」


 力強い宣言と共に大樹の門番は、その丸太のような両腕を振り回して優樹達に突進して来た。

 

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