第13話 アニメ [ 異世界幻想伝 フレイリアーナ ]
第一話 「 その手に聖剣を! 」
[ Bパート ]
フレイリアーナ王国
王宮グランセレーヌ
沈黙の間
元気に登校していた優樹がいきなり白い光りに全身を包まれ、気が付くと薄暗い部屋の中に立っていた。
そして正面には直径1メートル位いの白く丸い岩で出来た台座があり、その上に同じく白い岩で出来た幅広の剣が突き刺さっていた。
優樹「あれ?…ここは何処?…確かボク…学校に遅刻しそうで…そしたらイキナリ周りがピカーて……?」
パキッ…パキン…
???「……ごめんな…さ…い…」
優樹の後ろから小さな声が聞こえ、振り向くとそこには一人の少女が立っていた。
白く飾り気のないノース リーブ ワンピース、細見で肌の色は透けるような白、ライト ブルーの瞳で背中まで来る金髪のストレート ヘア、自分と同じ位の年の少女が祈るように手を合わせこちらに話しかけていた。
しかしその少女は膝から下が凍っており、氷は少しづつ身体を覆うとしていた。
優樹「え? あれ?…君は誰?……って、君! 足が凍り付いてるよ! 大丈夫? すぐ助けるから!…でも、これいったいどうしたら…」
パキン…パキッ…パキ…
足元の氷は少しずつ、しかし止まる事無く上に凍り付いていく少女。
???「…ありがと…うございます…でも…私が…こうなる事は…星見の…力で……視えて…いま…した。
それ…より…いきなりこの様な…場所に…あな…たを…召喚して……本当に……御免な…さい。」
優樹「そんな事より今は君の事だよ! どんどん身体が凍って来てるじゃないか! 一体どうやったら直せるの! 教えて、ボクに何か出来る事はない?」
パキッ…パキン…
???「…もう…よいので…す……それよ…りも…お聞き…くださ…い。
いま…わたく…したちの国…フレイリア…ナ…は未曾有…の危機に……ありま…す。
もう…伝説にあ…る…純白の勇者様に…あな…たに…すがる…しか道が…残さ…れていな……いの…です…。」
優樹「勇者? ボクが? 何それ? ボクただの中学生だよ! 剣術はやってるけど、それだって兄さん達の方が遥かに強いよ!」
パキッ……パキパキッ…
身体を覆う氷はもう腰の所まで来ていた。
???「心…の…真に…心の…強…い方…フレイリ…アーナの…民を……愛して……くれる方……そう…強く願…いまし……た。
そして…現れ…たの…は…あなた…なの…です。」
パキッ……パキパキッ…
???「…もう…私達の…力では………頭の…中まで筋…肉な…姉です…ら…あの者た…ちを…退かせ…る事…が…出来ない…の…です。
本当に…御免なさ…い…あなた……の都合など…考え…ないで…。
でも……もし…願え…るの…なら…民のた…め…フレイリアーナ…の民を…救…う…ため…あなた…の…お力を…どう…か……お貸し…して…いた…だけないで…しょうか…?」
氷はすでに首のすぐ下まで来ている。
優樹はその少女の目を見つめ、力強い言葉でその答えを返した。
優樹「分かったよ! 分かったから! ボクに何が出来るのか良くわからないけど、やってみるよ! とにかく頑張ってみるから!…だから…君も…」
優樹の言葉を聞いて安心したのか、少女は少しだけ微笑んだ。
???「わた…しは…リリア…リリア…メルベ…レン…フレイリ…アーナ…あなた…は?」
優樹「リリア…ボクは優樹、天川 優樹って言うんだよ。」
リリア「ゆ…うき…ありが…とう……これか…ら…沢山…の…幸せ…が……ゆ…うき…の元に…届きま…す…よ……う……に………」
パキッ……パキ…パッキッン!
微笑んだまま氷に覆われ、リリアの身体は氷柱に閉じ込められてしまった。
優樹「リリア! リリア!」
優樹が思いっ切り押しても叩いても、リリアを閉じ込めた氷柱は割ることも動かす事も出来なかった。
???「あはっ! あはは! あーはっはっはっはのは!
己を犠牲にしてまで行った召喚の義だと言うのに、呼び出せたのは何の力も持たぬ小娘一人とわな!
ハッ! しょせん純白の勇者などと言う話は、只の戯言たったらしいなぁ。」
優樹が声のする方向を見ると、20メートル四方の暗い部屋の隅で、闇に溶け込む様に潜んていた何かがユラリと浮かび上がり、人の形を作り出した。
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