第7話 (第8話)

 その冒険者の身体は紫色と緑色に染まっていた。


・紫色 恐怖(青)と激怒(赤)が混ざっている。

・緑色 困惑している。


 僕はこの時驚いた。紫色があることに。スラムをきにかけてくれる冒険者がいることに。


 僕は灰色以外の色が見えたことは無かった。だから仕事を覚える際に色が関係する仕事はしてこなかった。これはソウキョウ商会長の意向もあってだ。

 そのため、ギルドで依頼を受けていたころよりは仕事が楽になった。その際、僕の目のことを商会の従業員に伝えることになった。


 僕は最初、伝えることが怖かった。またあの時みたいに罵倒されると思ったから。殴られると思ったから。それでも僕は伝えることにした。従業員の皆さんに迷惑をかけたくなかったから。こんな僕を受け入れてほしかったから。


 従業員の皆さんにソウキョウさんと一緒に伝えた。最初は従業員の皆さんは緑色に見えていた。僕はここで初めて「色」を知った。そして、緑色に見えていることを伝えると従業員の皆さんは、


「どのように反応すればいいかわからない」


と教えてくれた。それで緑色が困惑だと知った。

 さらに、僕のこれまでの暮らしを話すと青色と赤色の二色の色が見えた。青色の人に話を聞くとその人はそんな人がいるのかと恐怖を覚えたという。そして赤色の人に話を聞くとその人は僕の受けてきた仕打ちに激怒したという。


 僕は僕のために怒ってくれる従業員がいたことが嬉しかった。また、

 

 そのため、この二色が困惑と激怒、恐怖が混ざっていることを知っていた。


 その冒険者の身体が染まり切るほどのことだと理解した。僕が働いている時間は受付嬢は一人を除いて休憩している。そのため僕はギルドマスターの部屋まで走った。

そして、ギルドマスタールームに入る際にいつもはノックをしているが、それを忘れてドアを開けた。


 いきなりドアが開いたギルドマスターは驚いていたが僕が言い放った言葉を聴いてさらに驚いた。


「スラムの住民が冒険者に襲われた!」

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