第4話
「エル君はいるかい?」
そういいながら入ってきたのは、今日の僕が受けたクエストの依頼主の一人であるソウキョウ商会の商会長であるソウキョウさんだった。
ソウキョウ商会はこの国で最も有名で大きい商会だ。王都に本部を置き、各街に支部を置いている。王都は広いため、いくつかの王都支部を置いている。
僕はその中の一つである冒険者ギルドの近くの支部の清掃クエストを受けていた。街中クエストしか受けることのできないGランクのためにソウキョウ商会が常設クエストとして出している。ほかの街中クエストより少しだけ高い報酬のため、助かっている。
そんな商会のトップが冒険者ギルドに来ることは珍しい。それも僕みたいなGランク冒険者に用事があってくることも。
「この騒ぎは何かな?エル君。」
「僕がクエストで不正をしたと言いがかりをつけられ、証拠もないのにしたものとされて冒険者資格をはく奪されたところです。」
僕はこの騒ぎのあらましをソウキョウさんに伝えた。するとソウキョウさんは驚いていた。
「そんなことが起こっていたのか。よくもまぁそんなウソをつけるものだな。しかも証拠がなく、目撃したという証言だけで決めつけるとは。」
ソウキョウさんはあきれていた。すると、ギルド職員のバードが言い返してきた。
「こいつは金を稼ぐために不正をしたんですよ!?そうでもないと一日に銀貨5枚なんて稼げないですよ!?Gランクがですよ!?」
するとソウキョウさんは声を大きくしていった。
「エル君が不正した内容はなんだ!見ているなら言えるよな!?」
ワクイは馬鹿にしたように
「商会の清掃クエストで指定された範囲をやらずに完了報告をしていたんだ!さらにこいつは鍛冶屋の荷物運びのクエストで規定個数を運ばなかったを俺は見たんだ!」
と言った。ワクイの反論にバードも同調し、
「彼がこう言っているのです。これが何よりの証拠になります。私は彼を何年も担当してきました。彼は信頼できます。そこの彼とは違ってね。」
と言った。それを聞いたソウキョウさんはあきれていた。
すると、
「おいおい、なんの騒ぎだぁ?ずっと口論しやがってよぉ。」
と2階からギルドマスターであるカイリが現れた。そしてソウキョウさんに気が付くとカイリギルドマスターは驚いた後に、
「ようこそいらっしゃいました。ソウキョウ商会長。何様ですか。」
と、対応し始めた。それに対し、ソウキョウさんは、
「いつも依頼を受けてくれているエル君について聞きたくてね。来てみたはいいが何かトラブルに巻き込まれていたからね。何が起きていたのか聞いていたのだよ。」
と返した。それを聞き、カイリギルドマスターはまた驚き、内容をソウキョウさんから聞いていた。聞き終わるとカイリギルドマスターは何かを考えるかのように黙り込んだ。その後、考えがまとまったのか、
「ギルドマスタールームまで来てくれ。」
と僕とソウキョウさんを連れてギルドマスタールームに来た。
全員がソファに座るとカイリギルドマスターはこういった。
「エル君、そしてソウキョウ商会長。本当に申し訳なかった。」
どうも。わらびです。
月一で更新していけたらいいなと思ってます。
終わるまでにどれくらいの月日が流れるのやら…
ぼちぼち書いていきますので応援よろしくお願いします。
またね。
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