第3話『状況整理②』

「ところで教授? その給料を入れた袋ってどんな袋だったんすか?」


 こいつ何事もなかったかのように話を進めやがった。

 まあいい、後で絶対後悔させてやろう。


「袋か? それならば普通の茶封筒だが…… 経費削減のために使だが」

「裏返しっすか? 相変わらずセコイっすね。封筒くらい新しい物を使いましょうよ」


 こいつ1円でも多く予算を捻出しようとする私の努力を『セコイ』だと!!


「こういうたゆまぬ努力が研究を進めるには必要なんだ!!」

「そんなもんすかねぇ~。 で、封筒をこの汚い引出しに入れたと……」

「汚いいうな!! この部屋にある机で鍵が付いているのは、その引出しだけなんだ。必然的に大事なものはそこに集まるんだ!!」

「それにしたってもう少し綺麗に整理しましょうよ。汚いっすよ! ホント教授はっすね」

「だから汚いいうな!!」


 こいつ本当に言いたい放題だな……


「やっぱり教授の勘違いじゃないっすかね? こんなに色んなモノがやまほど入った引出しに封筒が入ったとは思えないっす」

「私は確かにこの引出しに入れたはずだ!!」

「じゃあ教授、1つ検証してみないっすか?」

「検証だと? どうするんだ?」


 こいつ今度は何を始める気だ?


「まず教授はそのと同じモノをもう一度作ってくださいっす」

「同じ物をどうするんだ?」

「教授がいうようにその引出しに入るのかやってみるんすよ!」

「入るに決まっているだろう。私は確かに入れたのだから」

「それを客観的に証明するために実際にやってみるんすよ」


 エドガーのくせに急に小賢しいことをいいおって……。


「よし、分かった。やってやろうじゃないか!! 一寸待っておれよ!!」


 こうして私達は検証することになった。

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