第6話 報奨金
「ふう、レベルも上がってそれなりに動けたのはよかったが、もう少しこの身体に慣れないとな」
狼は二匹だったからなんとかなったが、もう一匹いたら俺食われてただろうな。
門を潜り町に入ると夕暮れ時で人が多い。
ホテルにつくとアズベルさんがロビーで寛いでいたので声をかける。
「アズベルさん、冒険者登録してきました」
なにかを操作していたアズベルさんはこちらを向いて笑う。
「冒険者登録は簡単だったろ?冒険者やるならこれからだよ。良ければカラに色々聞いてみるのもいいかもしれないよ」
「はは、そうしますね」
寛いでるように見えて忙しいんだろうと話しを切り上げ部屋に戻る。
防具を脱いでシャワーを浴びる。
一息付くと、スマホでガチャ画面を開く。
『ログインボーナス2日目 SR確定ガチャ券プレゼント』
『ノーマルガチャ 一回百G 十一連千G』
『武器ガチャ 一回千G 十一連一万G』
『防具ガチャ 一回千G 十一連一万G』
『スキルガチャ 一回一万G 十一連十万G』
無限カードケースにはまだ具現化してないカードもあるが、ノーマルガチャからやってみる。十一連をタップして出てきた物を確認する。
『N 魔動歯ブラシ』
『N オーク革のヒップバッグ』
『N 鉄の槍』
『N 美味しいお餅 10パック』
『N 大根 10本』
『N オーク肉 5キロ』
『N 魔動掃除機』
『HN 力+10錠剤』
『HN 力+10錠剤』
『HN 速+10錠剤』
『N 鍋』
「……ノーマルばっか、歯ブラシ買ったし、餅に大根」
ガチャの色で分かったが、ノーマルガチャは売ってる物ばっかりか……だが、この錠剤はいいかもな。
『力+10錠剤
力を10上げる』
「あとは武器と防具はまだいいか……なんか被りそうだし、いまのとこ困ってない。スキルガチャはやっとくか」
スキルガチャの十一連をタップ。
『SR 身体強化Lv1』
『SR 火魔法Lv1』
『SR 風魔法Lv1』
『SR 風魔法Lv1』
『SR 調合Lv1』
『SR 体術Lv1』
『SR 剣術Lv1』
『SR 調理Lv1』
『SSR 聖魔法Lv1』
『SSR 再生Lv1』
『SSR 解析Lv1』
「SRばっか、てかすきるはSRからか?ダブりがあるけどどうすんだ?」
スマホに新着メッセージが届き、
『From 神の使い
スキルのダブりは、使うことでそのスキルの経験値になるので使用可能。そこんとこよろしく。』
「ほうほう、んじゃ無駄にならないんだな。スキルガチャはやっぱ覚えるだけで使えるようになるのがいいな」
と、また新着メッセージ、
『From 神の使い
使わないとレベルに振り回される。努力しろバカ。』
「うぜぇ」
名前 シュウ
年齢 十七歳
Lv 7
HP 100/120
MP 10/10
スキル 無限カードホルダー
インベントリ
剣術Lv1
体術Lv1
調理Lv1
調合Lv1
解体
二段ジャンプ
火魔法Lv1
風魔法Lv2
水魔法Lv1
土魔法Lv1
聖魔法Lv1
身体強化Lv2
危機察知Lv2
気配遮断Lv1
再生Lv1
解析Lv1
マップLv1
スラッシュLv2
ユニークスキル ガチャLv2
恩恵 ステータス二倍
朝、スマホで時間をみると朝九時。こっちに来てから早起きしてないな。
コンコンッ
「カラですがいま大丈夫ですか?」
「はーい、ちょっと待ってください」
おれはスマホを閉じてからドアを開ける。
「やぁ、早速だが盗賊のほうの報奨金などの受け渡しがあるからついて来てくれないか?」
盗賊はこの町に入る前に、アズベルさんたちが襲われていたのを助けた時に捕らえた。
「分かりました。ちょっと待って下さいね」
防具を素早く着て、冒険者ルックでカラさんについて行く。
「二日目には報奨金が出るはずがごたついてて遅くなってすいません」
「いえいえ、忘れてましたよ」
「そういえばシュウさんは冒険者になったんですね」
「まだ分かりません。冊子も読んだんですが良くわからなくて」
冊子自体、ほんとうに簡単なことしか書いてなかったから本でも買おうと思っていた。
「冒険者には大体三種類あります。魔物を狩るハンター、ダンジョン を攻略するサーチャー、頼まれた品物を持ってくるコレクター。
あとは細々としていますが、大まかに分けてこの三種類ですね。全てを総称して冒険者です」
ハンター、サーチャー、コレクター、俺は今のところハンターだな。
「そうなんですね、カラさんは冒険者ではないんですか?」
「会社員ですよ。冒険者からの成り上がりですがナイトになりますね」
ほー、ナイトって騎士か。大変だなぁ。
「っと、この建物です。入りましょう」
警察署のような建物に入っていくと、意外とキレイな場所でビックリした。
「この書類の盗賊報奨金を取りにきました」
カウンターでカラさんが書類をだすと、受付のお姉さんが奥に入っていく。
「ほぇー、手慣れてますね。てか書類なんてあったんですか」
「簡単な物ですよ。経緯とそれを立証する責任者のサインくらいですから」
責任者はアズベルさんかな?あとでお礼をしとかなければ、
「用意が整ったので、三階の商談室にお越しください」
受付のお姉さんが戻って来るなり移動になる。三階に上がり商談室にはいると、細身の老紳士が座っていた。
「これはカラくんにシュウくんでいいかな?私はタキラと言う、この警察署の署長だ。座ってくれるかい」
好々爺なかんじだが、威厳がある。さすが署長。二人ともソファーの対面に座る。
「今回は盗賊、それも指名手配犯も入れて23人も捕まえてくれてありがとう。アジトは捨てられていて何もなかったが、潜伏場所もすぐ分かるだろうさ」
「それは良かった、で?ここに呼び出したのは何故ですか?」
カラさんが聞くと、
「あの縄はシュウくんのもので間違いないかね?」
「はい」
「あれを売ってくれないかい?伸縮自在で、あの強度の縄なんて見たことないからね」
しまったなぁ、縄があるから勝手に使ったが、ピッタリだったし、おかしな縄だと思ったら特別な縄だったか。
「出来れば返してほしいとこなんですが……」
変な縄を売りつける訳にはいかないだろ。
「これでどうかね?あとこれもつけるぞ」
タキラさんは袋と方位磁石?
「50万Gとオアミ署製の探知機だ」
「探知機!それはいくらなんでも」
カラさんが焦っているが、別に今探しているものはない。
「お、あまり興味が無いようだが、オアミ署製は出来がよくて他の署にも卸しているのだが、これはあと二、三回しか使えないのでな。探しているものなどあれば使うといい」
「シュウさん?どうしますか?」
カラさんの困った顔はちょっと見たく無いな。
「いいですよ。それで売りますよ」
「ほんとか?!良かった良かった。あんな縄なら使いようがあるし、調べて増産出来ればいいのだがな」
タキラさんはニヤリと笑う。
「後は報奨金が三百十万Gだ」
「「!!」」
「あいつらの中にグラパンとカッツェと言う指名手配犯がおったからその額になった。あとは下っ端だからあまり金にはならなくてな」
「そ、それでも十分だと」
「あとはあいつらの装備だが、これはまだ鑑定中だから出来たらまた撮りに来るといい」
「分かりました」
それからグラパン達のアジトはもう間抜けの殻だったらしく、足取りを探しているので時間の問題らしい。
「オアミ署を敵に回すと地の果てまで探しだすからな」
タキラさんは笑うが、目が笑っていなかった。
「一気に大金持ちになっちゃいました」
「それでも庶民の年収よりは少ないんで、大事に使って下さいね」
「それでもですよ。俺は通りがかっただけなんですから」
これで賃貸の頭金には困らない。地に足つけて生活してかないとな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます