第5話 狩り
「……良く寝たわ」
スマホをみると昼前だ。
「さて、これからどうするかな?とりあえず冒険者になってみるか」
昨日、アズベルさんとの話で冒険者のことを聞いたが、福利厚生はあまりよろしくないが、登録しておくと便利だそうだ。
シャワーを浴びて、普通の服に着替える。なにかと便利なインベントリーは神スキルだな。
下に降りて行くとアズベルさんがロビーで新聞を読んでいた。
「おはようございます、アズベルさん」
「おはよう、良く眠れたみたいだね。部屋は今週分とってあるから好きに使ってください」
「あ、ありがとうございます」
「いまからどうするんだい?」
「冒険者登録をしてこようかと思いまして」
「うん!そうしなさい!若いうちは身体を動かさないとね」
スーツ姿のアズベルさんはできる男の象徴のようで、少し前の俺に見習わせたいな。
市役所のようなところにくると、冒険者登録はこちらと表示されてあり、その通りに進んでいく。
「こちらが冒険者登録でいいですか?」
「ようこそ、冒険者登録ですね。あちらの書類に記入して持って来てください」
役所だな。名前、年齢、あとは書ける範囲でいいらしいからそれだけ記入して渡す。
「では、このカードを持って下さい。ステータスをだすと登録完了です」
ステータスを出すと、
『冒険者 シュウ 十七歳』
「え?こんだけ?」
つい声にでてしまった。
「確認できましたら、登録完了となります。ご利用ありがとうございました。あとはこの冊子をご利用ください」
と必要なことだけ言って、笑顔の受付さんはこっちを見ているので、
「あ、ありがとうございました」
帰るしかなかった。
部屋に戻り、冊子を読みこんでいくと、プライバシーに関わるために必要以外はカードに記入できないようになってるらしい。
討伐は数のみ、本体や魔石を持ってくるとカードに登録されて、そこから税金が引かれたり、討伐や魔石などの報奨金が支払われるらしい。あと、市役所のようなところは冒険者登録のみで、その他は別の場所になっているらしかった。
「一週間か……ビジネスホテルもあったし、明日から少し動かないとなぁ」
早くも元の世界の感覚になってきてるな。
「……いや!いまから動こう!まだ二時過ぎだからスキルの確認でもしてこよう」
さっそく防具などを身につけてホテルを出る。昨日の門を潜り、外に出てマップと危機察知を使い草原を歩いて行く。
「二段ジャンプ」
思ったより高く飛び過ぎて足が痺れてしまった。
「ぐぅぅ、痛えなぁ。でも、まだ魔物がいなくて良かった」
これでスライム踏んでたら飛び散って大変だったかもしれん。
「次!スラッシュ」
声と共に剣を横に振ると剣の重さが変わり、身体がもっていかれ、倒れてしまった。
「こ、これも先に使って良かった」
「次だ次!身体強化!」
お、身体が軽くなった感じか、これなら!
ダッシュからのジャンプ、横に移動してまたダッシュ。
「いい感じだな!これだけ動ければなんとかなるだろ」
魔物と戦うにしろ、どっかに雇われるにしろ、身体が楽に動くのはいいことだ。
あとは魔法か……風魔法が微風だからあんまり期待はできないか。
「土魔法から、ホール」
目の前の地面に直径1メートルほどの穴が空いた。
「次、水魔法でウォーター」
掌から水が少し出て止まる。
「Lvあげないと使えないな。まぁ、無理して上げなくてもいいか」
魔法は置いといて、久しぶりに身体を動かすのが楽しく、スライムを狩りがてら走っていると、大きな森が目の前に見えて来た。
「あっちのほうはまだ怖いから戻るか」
だが、そうはいかず危機察知が知らせてくれたのは狼二匹
「ちょいやばいかな?」
二匹は周りを回りながら逃さないようにしている。いまにも飛びかかってきそうだ。
一匹ならまだしも二匹かよ、とりあえず
「ホール」
俺の回りを回っていた一匹が浅い穴に落ちると同時にもう一匹に向かってダッシュする。
「スラッシュ」
横一閃、剣の刃を口で噛もうとしたのかそのまま二つに切断した。
「後一匹」
穴から出た狼がこちらにいまにも飛びかかってきそうだが、警戒して唸り声をあげている。
「かかって来いよ!」
狼が飛びかかって来ると同時に後ろに飛ぶ、そして二段ジャンプで前に、
「スラッシュ」
頭を割られ死んだ狼をインベントリに入れ、もう一匹も入れる。
「ここはまだ早いな」
さっさと町の方に走って戻る。スライムをたおしながら。
名前 シュウ
年齢 十七歳
Lv 7
HP 100/120
MP 10/10
スキル 無限カードホルダー
インベントリ
解体
二段ジャンプ
風魔法Lv1
水魔法Lv1
土魔法Lv1
身体強化Lv2
危機察知Lv1
気配遮断Lv1
マップLv1
スラッシュLv2
ユニークスキル ガチャLv2
恩恵 ステータス二倍
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