第3話 初めての町


 まずは今の現状、十七歳に若返ってスウェットに裸足。持ち物はスマホだけ。

「はぁ……まずはこのガチャの性能だが」

 俺はガチャから出たものを探すが、スマホの中にはないようだ。

「ステータス?」


名前 シュウ

年齢 十七歳

Lv 0

HP 20/20

MP 2/2

スキル 無限カードホルダー

ユニークスキル ガチャLv1

恩恵 オールステータス二倍


「無限カードホルダーって、うおっ!」

 頭の中にガチャからでた物がカードのように並べられている。説明文もあるのか。


「これを具現化できるのか?とりあえず剣とかあるからそれなりにファンタジーな世界なんだろ」

 画面をタップすると(具現化しますか?)とでたからYESを押す。



「こんなもんか」


『HN オーク革の胸当て』

『HN ガララジャのウエストガード』

『R オーガ革の脛当て』を身につけ、鉄の剣を腰に、スキルは使用したら覚えたのであとの物は具現化しなければいいだろ。


「靴がねぇから……ガチャか」

 スマホでガチャ画面をみると、ログインと期間限定ボーナスで百一万G。

「ガチャは一回一万G、十一連で十万Gか」

 ガチャは一種類しかないようだ。

「まぁ十一連だな」

 ゴロゴロ……ポポポポポポポポポポンッッ!

 白が五個、赤が二個、銀が二個にあとは金か。

『N 鉄の斧』

『N ナックルガード』

『N 低級ポーション』

『N 銀貨十枚』

『N 木の盾』

『HN 金貨十枚』

『HN 風のブーツ』

『SR スキル・風魔法Lv1』

『SR スキル・身体強化Lv1』

『UR スキル・マップLv1』


ブーツがでたのはいいが、靴下も欲しかった。最後も金で、

『UR ■■■のかけら』

「ぶっ!なんのかけらだ!絶対集まんないだろ!死蔵代表やろ」


 とりあえずブーツを履いてスキルを取得。


名前 シュウ

年齢 十七歳

Lv 0

HP 20/20

MP 2/2

スキル 無限カードホルダー

    インベントリー

    二段ジャンプ

    風魔法Lv1

    身体強化Lv1

    マップLv1

ユニークスキル ガチャLv1

恩恵 オールステータス二倍


「スウェットがジャストだからなんとか様になったか?つーか、ここどこよ?」


 漫画でよくあるのがスマホがマップに……無いから、念じれば、

「よっし、合ってた」

 マップを使ってみると南東に町があるようだ。西の方に行くと道があるらしい。


「遠回りだけど、とりあえず道まで出るか」


「うおりゃ!」

 水溜りになるスライム。

「ふぅ、腕が上がらなくなってきたぞ」

 西に向かって歩いているが、わんさかスライムが出てくる。俺のレベルも上がるが鉄の剣が重過ぎる。

「あ、解体用ナイフがあったな」

 解体用ナイフを出すとスライムを倒すのが少し楽になって、スライム退治が楽しくなってきた。


「っと、こんなことしてる場合じゃないな。日が暮れる前に町まで行かないと」

 少し小走りでマップを確認しながら街道に出た。街道は道幅があまり広くなく一車線くらいだ。


名前 シュウ

年齢 十七歳

Lv 3

HP 50/80

MP 6/6

スキル 無限カードホルダー

    インベントリー

    二段ジャンプ

    風魔法Lv1

    身体強化Lv1

    マップLv1

ユニークスキル ガチャLv1

恩恵 オールステータス二倍


 目に見えてレベルが上がるのは楽しいけど、普通の人はどれくらいなんだ?まぁ、ゆっくりあげてけばいいか。

「てか魔法があるんだよな!試しに練習してみますか!」

 スマホを操作して風魔法を確認すると『風魔法Lv1 ブリーズ』  

「微風ってなんだよ!」

 ウインドなんたらとかじゃねーのか、……レベル1だから我慢だな。

「ブリーズ・ブリーズ・ブリーズ・ブリーズ・ブリーズ」

 ブリーズ五回でMPが残り1と……使えねぇ。


「しゃーねえ、町に行きがてら色々やるかー」

 スマホでガチャ画面を出して、十一連をタップ。

『N 催涙ガス玉』

『N 魔法玉(ファイヤーボール)』

『HN 夢見のお香』

『HN 水袋(水の魔石付き)』

『HN 魔法玉(ストーンウォール)

『SR スキル・土魔石』

『SR スキル・水魔法』

『SSR スキル・危機察知』

『SSR スキル・気配遮断』

『UR わらしべの縄』

『SR スキル・スラッシュ』


「最後が最高な訳じゃないんだな。にしても、今回はNが少なかったなぁ」

 大体名前から想像できるし、カードホルダーの状態で説明が書いてあるから良いんだけど、この『わらしべの縄』だけ良い物になっていくとしか書いてない。

「まぁいっかー、でもGってどーやって増やすんだ?」


 とにかく歩いて町に向かっていると、危機察知が反応した。

「前方からだが、これってよくあるやつだよな」

 漫画だと馬車が襲われてて……っと気配遮断して小走りで向かうと、


「おら!死ねや!」

「くっ!お前ら盗賊ごときにやられるか!」

 など戦っておられる様子。


 ここで颯爽と現れず、風の向きを確認、夢見のお香(睡眠効果のお香)を使用。俺は安全な場所に身を隠す。

「こ、この!なにをつかいやがっ……」

「な、なんだこの匂いは……」

 盗賊も騎士もバタバタと倒れていく。

「上手くいって何より」

 俺の使った夢見のお香は、嗅ぐと寝てしまうらしいんだよね。


 そこからは急いで盗賊を縄で縛り上げる。でも一人じゃきついな。一番偉そうな鎧を着たやつを起こす。

「ゴンッ!ゴンッ!ゴンゴンゴン!」

 頭の鎧を遠慮なく叩く。

「い、いた、痛い!……な、なんだお前「しーー」なんだお前は?」

「俺はシュウ、いまは盗賊が眠ってるからさっさと縛り上げるぞ」

 起こした騎士と二人で盗賊を纏めて縄で縛り上げる。もちろん武器などは取り上げる。


「おい!起きろ」

 騎士は仲間を起こした後、盗賊に蹴りをいれ起こす。

「グハッ!ってぇー……ってなんだこれ!外せこのヤロゥ」

「おい!こいつらを馬車に繋げろ!」

 馬車に繋がれた盗賊どもはギチギチの縄から逃げられなく、口だけ達者に動かしている。


「シュウさんのおかげで助かりました。オアミの町が近いので、そこまで一緒に来てもらえますか?」

「俺もそこに向かってたのでいいですよ」

 俺が最初に起こしたのは騎士団の隊長さんらしく、カラさんは隊員に檄を飛ばし町に向かう。


「それにしても耐性のあるやつも眠っていたので、さぞかし強い睡眠香ですね」

「あはは……たまたま手に入れてたものが役に立って何よりです」

 馬車の中のお偉いさんはまだ寝ているみたいで、いまはそっとしておくらしい。


 俺らはゾロゾロと大人数でオアミの町に到着。

「空も赤くなってきてるなぁ」

 結構時間がかかった。盗賊が最後に抵抗するから……ほんとやっかい。

「シュウさん、今回は本当にありがとうございます。盗賊の報奨金は明日には渡せますので、宿は決まってますか?」

 なんも決めてないってか町に入る手段さえ決めてなかった。

「まだ決まってないっていうか、この町が初めてなので色々見て回ろうかと」

 カラさんはクスッと笑い、

「なら宿は白馬の宿を取っておくので後で合流して下さい」

「あ、それじゃぁお願いします」

 騎士団長のカラさんが町に入るための手続きも宿も、全部やってくれて助かった。


 ブラブラと町を散策、街並みは元いた場所とあまり変わらず、コンクリートの歩道やビル、車はないけど馬車のための車道があってなんか変な感じがする。

「魔法があるからこんな感じになるのかな?車くらいあってもいいようなもんだが」


 スーパーマーケットのようなところに入って、色々と生活必需品を取っていくが、お金はどうなっているのかを考えて元に戻していく。

 いまあるのは、ガチャからでた金貨十枚と銀貨二十枚。これがどれくらいの価値かが分からないのでレジまで行っておばちゃんにきいてみる。


「お姉さん、お金の単位を教えて欲しいんだけど、いま大丈夫ですか?」

 太ったおばちゃんにおべっか使うと、

「あら、お姉さんだなんて久しぶりにいわれたよ。お金の単位?そんなの」


 鉄貨=百円

 銅貨=千円

 銀貨=一万円

 金貨=十万円

 らしい、んじゃ俺は三十万持ってることになるから買い物も楽勝。おばちゃんに礼を言って生活必需品を購入。あとは服屋によって普通の動きやすい服や下着を購入し、白馬の宿に到着するころには若干暗くなっていた。


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