第5話・誕生日

そして夏休みに入る

7月26日に向けて俺も可奈ちゃんも葉月もバイトを始めたよ!


そんなバイトの日のこと


カランコロンカラン


お店に入ってくるお客さんを見て俺は絶句する


「やっほー!」


「……うわ」


これでもかというくらい嫌な顔をすると


「ちょっとー!幼馴染がお客さんとして来てるんだからもっと元気出してやってよー!」


そう、まもりが来た

俺は短期でも出来る喫茶店のバイトを初めた

それをからかいに来てるのかまもりはニヤニヤしている


「へいへい、注文は?」


「アイスコーヒーください」


「かしこまり」


まあ来るのはいいんだがこっちも仕事だからな


「彼女の誕生日のために働くなんて偉いじゃん」


「まあな!」


そう、7月26日は

まゆの誕生日だあーー!!

生まれてきてありがとー!

まだ言うの早いか

まもりはコーヒーを飲んですぐに帰っていった

よしおっけー早く帰れ!目障りだ!ばか!

と思っていた時だった


カランコロンカラン


またお客さんが入ってくる


「ぎゃはははは!!!」


やかましい!

俺を指差し笑う葉月と


「ねえ、うるさいよ葉月君」


それを止める可奈ちゃんが入ってきた

席に座る葉月と可奈ちゃんだったが


ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン


葉月が呼び出しボタンを連打する


カチャ


俺は葉月に銃を向けた


「ハンバーグステーキとスパゲッティとエビドリアとデザートにシフォンケーキとペペロンチーノ

……涼真じゃん!」


「わざとらしいわ!

しかもデザートにシフォンケーキとペペロンチーノってなんだよ!」


俺が葉月にツッコミをいれる

どいつもこいつもなんなんだ?


「ごめんね、冷やかしにきた」


可奈ちゃんが言うと


「そうですか」


俺はため息を吐いて言う


「お前らはバイトどうなんだ?

ちゃんと稼いでるよな?まゆのプレゼント手抜いたら例え可奈ちゃんでもローキック食らわすからな?」


俺が2人に聞くと


「やめてよ、ちゃんと働いてるしプレゼントも買ったんだから」


「俺も買ったぞ」


2人は答える


「マジかよ、俺まだ買ってねーよ」


「おめーが1番早く買えよ!!」


葉月は俺にローキックを食らわす

んーギリギリまで悩んでるんだよなー

その後大人しく帰った2人だった


そして7月25日になる

まゆの誕生日前日

俺はバイト代であるものを買う


アクセサリーショップに行ってみる

色んなネックレスが売っている

1つ2000円くらいのものから1万以上のものまで

悩む!悩むぞ!

色々と並べてある中から見ていると

ん?なんだこれ?

1つのネックレスにポップディスプレイが可愛く飾ってあった

そのポップディスプレイに書かれていたのが


【幸せを呼ぶネックレス】


と、書かれていた

これだ、これにしよう

首元には黄色いハートとピンクのハートがある

幸せの色、黄色と愛の色、ピンクで溢れるようと願いが込められて作られているらしい

これにしよう!

値段を見てみる

35000円

案外こういうのって高いんだよな

なんて惜しまずに買う

これでまゆの喜んでる顔が見られるな


次の日

まゆのバースデーパーティはまゆの家で行われた

お母さんは仕事だからその時はいなかった

可奈ちゃんも葉月も一緒にいる

まもりも誘ったんだけど

階段から落ちた時以来会うのが気まずいらしく来なかった

まあしゃあないな


とりあえず!パーティを楽しもう!


「いえーーい!まゆを祝えてよかったー!

まゆげがボーボーボーボーボーby葉月」


葉月がわけわからん歌を歌い出す


「葉月、お前最近テンション変だな?」


と俺が言うと


「入学したての頃はクールキャラで行こうと思ったけどもう我慢出来ねーんだよ」


と声をでかくして葉月が言った

あーわからんでもないなその気持ち

モテたいもんな


「まゆー!誕生日おめでとー!」


可奈ちゃんはまゆにプレゼントをあげる


「わー!ありがとー!開けていい?」


「うん!」


包装されたものを開けると


「わー!これ私が欲しかったやつー!」


くそ!可奈ちゃんめ!まゆの欲しいもの知ってたのか!

俺がまゆに欲しいものある?って聞いたら

愛情だけで十分だよって言われちゃったよ

ぐへへへへ、ぐはははは


可奈ちゃんのプレゼントは可愛らしいカチューシャだ

まゆとの会話にカチューシャとか出てこなかったー!


「あ、俺も誕生日PZ、あ、ごめんなさいプレゼントがあるよ」


「葉月のノリうぜーな」


テンションが高いことはいいことなんだけどな


「ほらよ」


葉月はバックから取り出したものを雑に置く


「これは」


「今週のジャンプ」


カチャ


俺は葉月に銃を向けた


「わかったよ、ほら、これが本物の誕生日PZあ、ごめんなさいプレゼントだ!」


またさらに雑に置いたものは


「おおー!可愛い!」


おしゃれ番長の葉月が選んだ服だった

デートの時にこれ着てきたら嫉妬するな


「涼真君は?」


可奈ちゃんがナイスなタイミングで俺にふってくる


「まゆ、後ろ向いて」


というとまゆは俺に背中を向ける

俺はネックレスを取り出してまゆの首元に付けてあげる


「すごい!かわいいねこれ」


めちゃくちゃ喜んでくれるまゆだったが

かわいいだけじゃない


「この黄色とピンクのハートは幸せと愛を呼び出すハートらしいぞ

もうまゆにぴったり過ぎて惚れ直すレベルだな」


「へぇーー」


と笑顔を見せながらまゆはネックレスを見ていた

すると葉月小声で


「やるな」


と言って肩を叩いた

俺はドヤ顔をする


「よし!じゃあケーキ食おうぜ!」


こうしてまゆの誕生日パーティは終わる

もし来年も祝えることが出来るならもっと楽しくやりたいな

もし、来年まゆが生きていたら

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