第4話 「現代に生きる物語」?
ところで。
さっき、私は、ジョバンニが、なぜ、「銀河が星の集まりだと知っているのに答えられなかったか」ということを書きました。いじめられっ子で、目立ってしまうとさらにいじめられることがわかっていたから、という説明です。いじめられている事情として、お父さんが、漁師で、密漁をしたためにつかまっているかも知れない、ということも描かれています。そして、お母さんが病気で、子どものジョバンニが働いて家計を支えなければいけない。
あ。
ジョバンニってヤングケアラーだったのか!
「銀河鉄道の夜」ってヤングケアラー小説?
……いま気づきました。
つまり、「子どもらしい生活」ができないので、クラスの多数の子どもたちにいじめられるわけですね。
しかも、ジョバンニが思っているほど、クラスの多数の子どもには「いじめている」という自覚がないわけです。
うーん。
なんかすごく現代的な物語に思えてきたぞ。
「銀河鉄道の夜」が現在も生命力を持ち続けているのは、そういう要素もあるからなのでしょうけど。
でも、「現代の社会問題を描いている」という「現代」は移り変わっていく。もし、日本社会が、家族の世話をしなければいけない若者がいる、という問題を解決したとしたら「銀河鉄道の夜」は読者の心に響かなくなるか?
たぶん、そんなことはない。
やっぱり響き続ける何かを持っていると、私は思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます