第5話

「学年一の嫌われ者に話しかけてくるなんて」などと言われたのはそんな会話をしてすぐのことだ。


「なんのつもり?私に優しくしてもなんのメリットもないけどね」

「今や私は超のつく貧乏人。

昨日まで住んでたとこは一応あるけど、

競売にかかる予定。父親に家から

追い出された。私が今日、帰るところは父親が新規契約したオンボロアパート。情けない話だけど、帰りみち、実はわかんなくなっちゃったの。

私、、方向音痴だからさ」


意外...。なんでも完璧にこなす

クールビューティーな優等生なのに


それにしても。

美人だがやや吊り目に言われるとちょっとこわい。


「あ、その、、傘は見えてるから、その、、」


「目隠しのためにさしてた方がいいかなって」


俺は胸元を遠慮がちに指差していた。

下着が見ててるなんてハレンチな言葉をさらっと言えるほど、インキャは女子に免疫ができてない。


「あ、そっか」


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