第4話
「学年一の嫌われ者である私に声をかけるなんて変わっているわね...?」
結局のところ。俺は良心の呵責に苛まれてすっと傘を開いた状態で無言で差し出していた。
ふたりして黙り続けること2分。
彼女が傘を受け取ろうとしないので結局俺がしゃべる羽目になった。
「これ、良かったら使ってよ。
家のお迎えかなんか待ってんの?
だとしたら学校の中で待てばいいのに...」
「迎えなんか来ないわよ。つい先日までは
使用人に送り迎えしてもらってたけど、
父親の会社が破綻しそうになってからは自分の足で歩かないといけなくなってね。使用人は全員解雇。お金がまわんなくなったからさ...」
「今日は雨に打たれたい気分だった。
それだけのこと」
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