夢 五

 こんな夢を見た。

 白とベージュで出来た空間だった。片方の壁面から天井にかけてガラス張りになっていて、そこから差し込んだ白い光が、茶色の本棚や閲覧席のテーブルに反射してベージュにぼやけていた。ガラス張りの壁面の方にテーブルが並び、その反対側に並ぶ本棚の一角を、背表紙を見ながら歩いていた。

 図書館の、展示コーナーのようなところに着いた。何かの動物の頭蓋骨や、古めかしい機械などが置いてある。誰だかわからないけれど、一緒にいた同い年くらいの女の人が、棚の引き出しになっているところを開けて展示物を取り出してみたり、興味深げに眺めていた。

 光が差し込む閲覧席に、横に並んで座った。大きなハードカバーを広げて眺めていたけれど、机の上にのせた僕の手を取って、「手、綺麗だね」と微笑んで優しく握った。つられて笑みがこぼれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る