159 1月8日(月) 大きな石と小さな石
『大きな石と小さな石』という話をご存じだろうか?
こんな話だ。
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先生が大きな壺を教壇の上に置いた。
そして、教壇の横に積んであった大きな石を一つずつ壺の中に入れていった。やがて、中の石が壺の口まで積みあがった。
先生が生徒たちに聞いた。
「壺はこれで一杯になりましたか?」
生徒たちが答えた。
「はい、一杯になりました」
先生は笑った。
「本当に?」
先生は教壇の横から、小さな石の入った袋を取り出した。袋に手を入れ、中の小さな石を一つずつ取り出して・・・壺の中に入れ始めた。
やがて、小さな石が壺の口まで達した。先生は再び生徒たちに聞いた。
「壺はこれで一杯になりましたか?」
生徒たちが答えた。
「はい、一杯になりました」
先生は再び笑った。
「本当に?」
今度は、先生は教壇の影から砂の入った瓶を取り出した。瓶を壺の上に傾けた。瓶の中の砂が壺の中に流れ落ちていく・・・
やがて、砂が壺の口まで達した。先生は生徒たちに言った。
「この大きな石、小さな石、砂は、皆さんが『やるべきこと』を表しています。そして、壺は皆さんの『スケジュール』を表しています。では、皆さんはこの壺から何を学びましたか?」
生徒たちは頭をひねっていたが・・・やがて、一人の生徒が手を挙げた。
「はい。工夫をすれば、壺の中にはまだまだ入る。・・・つまり、どんなに『スケジュール』が立て込んでいるときでも、努力をすれば、もっと『やるべきこと』を『スケジュール』の中に詰め込む事が可能になるということを示唆していると思います」
先生は微笑んだ。
「いい答えです。私はあなたの答えを否定する気はありません。でもね・・・私はもっと別のことをあなたたちに伝えたいのです」
そう言って、先生は生徒たちの顔を見渡した。そして、ゆっくりと話し出した。
「この壺は・・・何かをするときには、大きな石から先に壺に入れていかないといけないということを示唆しています。小さな石や砂を先に入れてしまうと、もう大きな石は壺に入らなくなりますよね。つまり、皆さんは、大きな石、すなわち、大きな『やるべきこと』を真っ先に壺の中に入れて、それに真っ先に時間を割くようにしなければならないのです。小さな石や砂、すなわち、小さな『やるべきこと』を先に壺の中に入れて、それに時間を割いてしまっては・・・もっと大きな『やるべきこと』を実行することができなくなってしまうわけです。これでは、もう取り返しがつかなくなってしまいますよね。そうなってはいけないのです。・・・では、皆さんにとって、大きな石、すなわち、大きな『やるべきこと』とは一体何でしょうか?」
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この『大きな石と小さな石』は有名な話なので、ご存じの方も多いだろう。
よく「一年の計は元旦にあり」と聞くが・・・ボクは、それを聞くたびにこの話を思い出すのだ。。。
ボクの場合は、いつも、小さな石や砂、つまり、小さな『やるべきこと』しか頭に浮かばない。そこで、元旦になると、今年こそは大きな石を壺に入れようと思うのだが・・・大きな石が頭の中に出てこないのだ。やっぱり、こういうことは普段から考えていないと、思いつかないものですね。
それで、結局、毎年毎年、大きな石どころか、小さな石や砂さえ壺に入れることができなくて、だらだらと一年を過ごしてしまうのだ。。。
で、今年も「何の計も立てずに」、お正月が過ぎてしまいました(笑)。
でも、でもだよ。この『大きな石と小さな石』という話はすごく教訓じみていて・・・なんだか、ボクにはすごく肩が凝るのだ。
だって、「これでは、もう取り返しがつかなくなってしまいますよね。そうなってはいけないのです」なんて言われると、どうしても「失敗は絶対に許されない」って構えてしまいますものね。もっと気楽にやってもいいんじゃないのかなぁ。。。
例えばだよ。ボクなら、最後をこう書き替えるけどなぁ・・・
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「新・大きな石と小さな石」 アホバカ最底辺作家作
・・・(略)・・・
今度は、先生は教壇の影から砂の入った瓶を取り出した。瓶を壺の上に傾けた。瓶の中の砂が壺の中に流れ落ちていく・・・
やがて、砂が壺の口まで達した。先生は生徒たちに言った。
「この大きな石、小さな石、砂は、皆さんが『やるべきこと』を表しています。そして、壺は皆さんの『スケジュール』を表しています。では、皆さんはこの壺から何を学びましたか?」
生徒たちは頭をひねっていたが・・・やがて、一人の生徒が手を挙げた。
「はい。工夫をすれば、壺の中にはまだまだ入る。・・・つまり、どんなに『スケジュール』が立て込んでいるときでも、努力をすれば、もっと『やるべきこと』を『スケジュール』の中に詰め込む事が可能になるということを示唆していると思います」
先生は微笑んだ。
「いい答えです。私はあなたの答えを否定する気はありません。でもね・・・私はもっと別のことをあなたたちに伝えたいのです」
そう言って、先生は生徒たちの顔を見渡した。そして、ゆっくりと話し出した。
「この壺は・・・あなたたちに、『失敗してもやり直すことができる』ということを教えているのです。何かで失敗してつまづいても、そこから、またやり直せばいいのです。そうして、失敗をしながら、自分のペースでのんびり進んで行けばいいのですよ。失敗を恐れないでください。失敗してもやり直せるのですよ・・・このように・・・」
そう言うと、先生は壺を傾けた。
壺の口から、砂が流れ出た。ついで、小さな石が教室の床に落ちた。そして、先生は壺の中に手を入れて・・・大きな石を一つ一つ取り出した。壺はすぐに空になった。
「失敗しても・・・こうして、いつでも、最初からやり直すことが出来るのです。つまり、物事はやり直しがきくのです。やり直しができないと思って、突っ走るのもいいのですが・・・こうして失敗しても、やり直しながら、のんびり進んで行くこともできるんですよ」
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ボクはこっちの話の方が好きだなぁ・・・なんだか、のんびり、ほんわかしているもの。。。
さぁて、皆さんはどっちの話がお好きですかぁ?(笑)
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