119 2月25日(土) オトコに生まれたかった
女性からよく聞く言葉がある。
それは「オトコに生まれたかった」という言葉だ。
僕のアホバカ妻も高校のときに先生から「お前がオトコだったら良かったのになあ」と言われたらしい。それで、「オトコに生まれたかった」という思いを込めて、僕によくそのことを話すのだ。しかし、他の女性はもっと直接的に「オトコに生まれたかった」と僕に言ってくる。
僕に「オトコに生まれたかった」と言った女性は、高校生からおばちゃんまで、実に多彩だ。
ここで「女子高生から聞いたんですって?」と、女子高生と僕の組み合わせを意外に思った人もいると思うが・・・これは別の作品に書いたが、僕は以前、臨床心理学を専門の先生から習ったことがあって・・・そのときに、不登校の女子高生のカウンセリングをしたことがあったのだ。で、その子が、カウンセリングの合間の雑談をしているときに、僕にしみじみとそう言ったというわけだ。
もちろん、僕が出会った全ての女性が「オトコに生まれたかった」と言っているわけではないのだが、反対に「女に生まれてよかった」という言葉は聞いたことがない。まあ、そう思っている女性は多いと思うけど、男性の僕に向かって、わざわざ口にしないだけなんだろうね。
さて、女性から「オトコに生まれたかった」と言われると、僕はいつもこう答えているのだ。
「う~ん。女性も大変だけど・・オトコって大変ですよ」
僕のアホバカ妻は「女性は生理があって大変。だから、オトコの方がいい」とよく言っている。そういった生理や妊娠という男女の身体の違いがあったり、日本の社会にいまだに『家事は女性がするもの』といった考え方が残っていたり、仕事や給与で男性と差をつけられたり・・そういった意味で、女性が大変なことは僕もよく知っている。
だけど、何というか、長年オトコ♂をやっていると・・・オトコっていうのは、何だか重苦しいのですね。
・・・あっ、ここでいつものように、女性陣から「お前、オトコだったの? 周りの女性から女として扱われているくせに・・」という声が聞こえますが・・・今日は無視しますよ(笑)。
では、オトコは何が重苦しいのかって聞かれると・・・親の世話だったり、家ということだったり、一家を支えるといったことだったり・・・いろいろあるのだ。てか、これだったら、女の人も全く同じですよね。女性も親の世話をしたりしているわけですから・・・。でも、オトコって何だか、運命的な逃げられない何かから常に制約を受けているような気がするのだ。
しかし、これも感じ方次第かも知れない。「人それぞれ・・・」と言ってしまえば、それまでの話で、そもそも議論してもキリがないのかも知れませんね・・・
まあ、『男と女のどちらかがいい?』というのは永遠の命題で、インターネットにも、さまざまな意見やアンケート結果なんかが一杯載っているので、僕はここで改めて議論する気は全くないのだ。
で、何が言いたいのかって言うと・・・
こういった話をすると、いつも思うのは、故・渥美清さんの大ヒット映画「男はつらいよ」のことだ。ご存じの方が多いと思うが、この映画は、故・渥美清さんが演じる「フーテンの寅」(寅さん)こと車寅次郎が大騒動を起こす人情喜劇だ。寅さんは、テキ屋稼業を
この映画が大ヒットした背景については、インターネットでいろいろ書かれている。でも、これはあまり指摘されていないと思うのだが・・・僕はその大ヒットの理由の一つに、映画のタイトルがあるのではないだろうかと思っているのだ。
どういうことかというと、「男はつらいよ」というタイトルが、人々、特に男性の共感を呼ぶように思うのだ。これは僕の想像だが・・・きっと、男性はこのタイトルに魅かれるんですよね。。。
そして、多くの男性にとって、自由気ままな主人公の寅さんの生き方も魅力だと感じるのではないだろうか・・・で、最後に僕が好きな、寅さんのセリフを皆さんにご紹介しよう。これが、今日のよかったこと。
昭和47年8月に公開された、第9作「男はつらいよ 柴又慕情」の中で、倍賞千恵子さんが演じる妹のさくらが、寅さんに「お兄ちゃん、どうして旅に出ちゃうの?」と聞くのだ。すると、寅さんが空を見ながら、こう答える・・・
「ほら、見な、あんな雲になりてえんだよ」
女性のさくらは、家といった場所に『定住』することを望むが、オトコの寅さんは、何かに縛られることなく、自由気ままに『移動』することを望むというわけだ。
このさくらと寅さんのシーンは、男女の根幹的な心理の違いを見事に切り取っているように思うのだ。
そして、寅さんの「ほら、見な、あんな雲になりてえんだよ」は・・・オトコの心理を見事に表した名セリフだと思うのですが・・・
皆さんは、どうお感じになりますか?
男性諸君! オトコはつらいねえ・・・
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