115 2月21日(火) 新幹線トイレの不思議

 変なタイトルだが、まあ、しばしのお付き合いを賜りたい。


 入院をしていると、テレビの旅番組をよく見る。


 僕は入院中、病室から出ることを固く禁止されている。つまり、病室に閉じ込められた監禁生活を送っているので、どうしても、『旅』といった自由気ままに外を動き回ることができる内容に憧れるのだ。


 さらに、入院中は体調的にシンドイ時も多いので、ストーリーがあるドラマなどは見ているのが辛いのだ。その点、旅番組は好きなところから見ることができて、シンドクなったら、途中で見るのを止めることができる。こういったことから、入院中は気分が良ければ、テレビの旅番組をよく見ていた。


 旅というと、僕は仕事でよく新幹線を利用するのだが、どうしても分からない不思議なことがある。それは・・・新幹線のトイレに関することなのだ。


 まず最初の不思議は、女性は新幹線のトイレで鍵を掛け忘れていることが多いということだ。


 今は新幹線でも、男子トイレと女子トイレを分けている車両が登場しているのだが、昔の東海道新幹線などはどの車両も男女共通のトイレだった。それで、使用中かどうかは、あの青色と赤色の表示で区分されるようになっていた。


 それで、僕は新幹線でトイレに行って、空室の青色の表示なので、黙ってドアを開けると・・・中で女性が用を足していて・・・あわてて「失礼」と言って、ドアを閉めたことが何度もあるのだ。


 いちいち記録をつけているわけではないので、はっきりした数字は分からないが、そういった経験は少なくとも10回以上している。そして、その全ての経験で、トイレの中で用を足していたのは女性なのだ。ドアを開けて、男性だったということは一度もなかった。


 それで、僕は女性はトイレのドアの鍵を閉めないのかとも思ったのだが・・・まさか、そんなバカなことはありませんよね。試しに妻に「君は新幹線のトイレに入ったら、ドアの鍵は閉めるの?」って聞いたら、「当たり前でしょ。あなた、バカじゃないの!」という返事が返ってきた。そりゃあ、そうですよね。だから、女性はトイレの鍵をしないのではなくて、鍵を掛けるのを忘れやすいということになる。


 そして、僕がうっかりドアを開けてしまったときに、中で用を足していた女性は女子高生からおばあちゃんまで、実にさまざまな年齢層に渡っていた。だから、特定の年齢層の女性が鍵を掛け忘れているという訳でもないのだ。


 どうして、女性はトイレの鍵を掛けるのを忘れるのだろうとネットで調べてみたのだが・・・明確なことは出ていない。


 自宅ではトイレに入って鍵をしないので、うっかり新幹線のトイレでも鍵をしなかったとか・・・ノックするのがマナーなので鍵をしなかった・・・といった話はネットに出ているのだが・・・


 しかしだよ。自宅でトイレに入って鍵をしない人でも、外では普通に鍵をするでしょう。また、トイレの表示が空室の青色になっていたら、みんな、ノックなんてしないんじゃないのかなぁ。ちなみに、僕は、新幹線のトイレでノックなんてしたことがないし、ノックをしている人を見たことは一度しかない(ノックしていたのは女性だった)。


 そして、もう一つ不思議なことは、そうして僕に見られた(くれぐれも言っとくけれど、僕は決して見たいわけではなかったのだ・・・)女性たちは、みんな驚くこともなく、平然としているのだ。「キャー」とか声を挙げた人は一人もいない。


 一例を挙げよう。今でもあるのか知らないが、昔は新幹線に和式のトイレがあったのだ。


 あるとき、僕がトイレのドアを開けると、和式の便器のトイレに女性がしゃがみ込んで、つまりは、お尻が丸出しの状態で、用を足していたことがあった。その女性は、ドアを開けられているというのに、ゆっくりと僕の方を振り返って、用を足しながら、黙って、まじまじと僕の顔を見つめていた。だから、こっちが恥ずかしくなって、僕は真っ赤な顔で、あわててドアを閉めたのだ。


 では、新幹線のトイレで、女性は驚いても、いつも声を挙げないかというと、そうでもないのだ。誰かがトイレを使っていて、つまり、ドアに赤色の表示が出ているので、僕がトイレの前で順番を待っていたら・・・用を足した女性が中からドアを開けて・・・外に僕が立っているのを見て「キャー」といった声を上げたことは何度もあるのだ。


 まあ、これは分からないでもない。女性は普段は女子トイレで用を足すわけだから、ドアを開けたら、外で順番を待って並んでいるのは普通は女性なわけで・・・僕のような男性が並んでいるので、驚いて思わず声を挙げてしまったというわけだろう。


 しかし、こんなことで、イチイチ声を挙げないでもらいたい。男女共用のトイレだったら、男性が待っていることがあるのも当たり前ではないか。そんな声を挙げられると、なんだか、僕がその女性に何かしたみたいで、トイレの周りにいる人が、みんな、僕の顔を変な眼で見るのだ。


 あるとき、ちょうど車掌さんが通りかかって、女性の「キャー」という声で、車掌さんが驚いて立ち止まったことがあった。そして、車掌さんは、しげしげと僕を見たのだ。明らかに不審者を見る眼だった。


 僕は、予期せぬことで、何と言っていいか分からず、車掌さんの疑いのまなざしの中で固まってしまった。そのときは、トイレから出た女性が何事もなかったように平然と座席に戻っていったので、それを見た車掌さんがやっと誤解を解いてくれたのだ。


 しかし、こんなとき、女性は車掌さんに「すみません。男性が立っていたので驚いただけです。何でもありません」と話してほしいのだ。どうして、僕と車掌さんをトイレの前に残して、平然と自分の座席に戻れるのか・・・僕には女性の心が不思議でならないのだ。


 と、こんなふうに、新幹線のトイレって不思議なことが一杯あるのだ。


 これをお伝えできたことが、今日のよかったことだよ。


 皆様も気を付けてくださいよ~。新幹線のトイレって、いろんなことがあって・・・結構、怖いよ。


 


 


 



 

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