113 2月17日(金) 紙オムツ体験記

 今週、退院した。といっても、再来週にはまた長期の入院が始まるので、自宅でゆっくりする時間はあまりないのだ。


 先日、書いたように、今回の入院は2週間弱と短かった。初めての相部屋(4人)で、『オナラおじさん』など相部屋ならではのユニークな体験をいろいろとさせてもらった(『2月12日(日) オナラおじさんの恐怖』を見てね)。


 さて、今回の入院では、3日ほどベッドから動くことができない特殊な治療があった。その間、トイレはどうしたらいいのかと看護師さんに聞くと、オシッコは専用の容器があるので、看護師さんが僕のドジョウを持って、その容器にオシッコをさせてくれるというのだ。女性の皆様もドジョウというのは分かりますね(笑)。。。


 しかし・・・なのだ。看護師さんの多くは若いお姉さんなのだ。それ以外はベテランのお姉さんだ。僕は、女性に、特に若い女性に、ドジョウを持ってもらって、オシッコをさせてもらった経験などは一度もないのだ(当たり前だが・・)。それに・・男性の方はよく分かると思うが・・若いお姉さんに、あんなものを指でつままれると・・オシッコに限らず、男性は何でも非常にやりにくいのですよ(笑)。


 それで、やむを得ず紙オムツということになったのだ。実は僕にはこれが紙オムツの初体験だった。初体験というのは何でも分からないことばかりだ。


 前述の『特殊な治療』が始まる直前に、看護師さんが僕にシャワーで身体を洗うように指示したのだ。そのとき、看護師さんがこんなことを言った。


 「シャワーから出たら下着を用意しておきますね」


 僕は入院中は下着をつけていない。これは、クスリの副作用で、発熱して解熱剤を投与されることが多いので、その都度、汗をかいて下着を着替えるのが大変だからだ。だから、入院中は素肌に直接、病院に備えられている、薄いジャージのようなリハビリウエアを身につけている。


 それで、僕は看護師さんに言ったのだ。


 「いえ、僕は入院中は下着を身に着けていないのですよ」


 すると、看護師さんは「はあ~?」と首をひねって、不思議そうに僕を見たのだ。


 なんだか不思議な会話だった。


 で、あとで聞いて・・・意味が分かった。入院患者の中には、紙オムツをされるのがイヤな人も多いので、病院の中では紙オムツのことを『下着』って言っているようなのだ。なあるほど・・と僕は納得したのだ。


 では、それが徹底されているかというと・・そうでもないのだ。


 看護師さんの中には「ナガシマさん、紙オムツの中にオシッコが出たら、すぐに知らせて下さいね。すぐ、オムツを交換しますから」と病室で大声で言う人もいて、僕は笑ってしまった。まあ、病院で、紙オムツと言わないようにしているというのも限度がありますよね。


 で、実際に紙オムツの中にうまくオシッコが出来たのかというと・・・なかなか出来なかったのだ。なんだか、紙オムツの隙間から、ベッドの上にオシッコがこぼれて行きそうで・・・それにベッドの上で、下半身のどこに力を入れていいのかが難しくて・・・僕はなかなか出すことができなかった。すると、看護師さんが皆さん心配してくれて、しょっちゅう「オシッコでましたか?」と聞きに来てくれた。


 それでも、なかなか出ないと、ある看護師さんが「オシッコがでないと、ドジョウに管を通して、強制的にオシッコを出すことになります。痛いですよ!」と恐ろしいことを言ったのだ。僕のドジョウが縮みあがったのは言うまでもない。


 こうなると、義務のようなもので、何としてでも紙オムツの中にオシッコを出さないといけないと頑張るようになった。そして、苦闘・・数時間(笑)、やっと、オシッコが出たのだ。「このぐらいの勢いでオシッコが出ても、オムツから洩れないのか」ということが分かり、さらに、ベッド上での下半身の力の入れ具合が分かると、後はそんなに苦労はしなかった。ただ、大の方はどうしてもできなかった。これは今後の課題ですね(笑)。


 で、オシッコの後でナースコールをすると、看護師さんがオムツの交換をやってくれた。さすがにベテランの看護師さんは慣れているのだが、若い看護師さんの中には慣れていない人もいて・・僕はときおり「すみません。もう少しドジョウを右に向けてください」とお願いせざるを得ないときがあった。そんなとき、看護師さんは「ちょっと触りますよ」と言って、僕のドジョウを軽くチョンと指でつまんで、右に向けてくれるのだ。


 あるとき、ベテランの看護師さんが紙のパッドを持ってきて、こう言った。


 「この紙パッドで、ドジョウを包んで、その上から紙オムツを止めるんです。そうしたら、オシッコがでても、この紙パッドを交換するだけだから、簡単にオムツ交換ができるんです」


 そして、看護師さんは僕のドジョウにぐるぐるとその紙パッドを巻きつけて、その上から紙オムツを止めてくれたのだ。僕はなるほどと思った。しかし、僕の腰回りは紙パッドと紙オムツで、お相撲さんのような太った状態になった(笑)。僕はこの方法を若い看護師さんにも伝えたのだ。すると、若い看護師さんは僕のドジョウをムギュッて握って(つまむのではなく、握って)、紙パッドを巻きつけてくれた。


 そうする中で、一つ、どうしても弱ったことがあった。前述の『特殊な治療』とは、ドジョウの横の血管に管を通す治療をしていたのだが・・その傷跡から、出血が止まらなくなったことがあったのだ。まあ、出血が止まらないといっても、ジワッとにじみ出てくる程度だが、そんなときは、紙オムツを開けて、看護師さんが20分ぐらい、傷口を押さえていてくれた。


 看護師さんは血を止めようと一生懸命に傷口をエイヤ、エイヤと力を入れて押さえてくれる。看護師さんが力を入れると、必然的にボクのドジョウが揺れて・・・だんだんと、僕のドジョウが看護師さん側に倒れていって・・・傷口を押さえている看護師さんの手に直接当たってしまうのだ。看護師さんが力を入れて手を動かすたびに、看護師さんの手の上で僕のドジョウがボヨ~ンボヨ~ンと踊って・・・まことに具合が悪かった(笑)。


 そうして、退院して、僕は妻に言った。


 「僕のドジョウを他の女性が触ったんだよ。君、嫉妬を感じないの?」


 すると、きっと嫉妬を感じてるだろうと思ったのに、妻は笑って言ったのだ。


 「ぜぇんぜぇん、感じない」


 ぎゃび~ん。


 最後は紙オムツ体験記が、女性にドジョウを触られた体験記のようになっちゃいました。(笑、笑・・)


 今日の日記はとりとめのない話でスミマセン。女性にドジョウを触られて、まだ気持ちが動転しているみたいデス(笑)・・・

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