102 1月18日(水) ダンス長持ち どの子が欲しい?

 以前、散歩をしていると、公園で小学校の低学年の女の子たちが『ダンス長持ち』で遊んでいた。


 で、ここで、アレっと思った方もいるだろうが・・・何も言わずに、まあ、話を聞いてください。


 それを見ていて、僕は「ああ、懐かしい」と思った。


 僕も小学校の低学年の時に学校で習って、やったことがあったのだ。


 遊び方はこうだ。ご存じの方も多いだろう。


 3~4人で1つのチームを作る。その1チームが横一列に腕を組んで、他のチームと向き合うのだ。


 以下、両チームをAチームとBチームとするよ。Aチームが横に腕を組んだまま、3歩進んで、みんなが右足を軽く振り上げて、次のAチームのセリフを言うのだ。このとき、Bチームは3歩下がるわけだ。次に、Bチームのセリフで、今度は、Bチームが3歩進んで、右足を軽く振り上げて、セリフを言うのだ。このとき、Aチームは3歩下がるのだ。これをセリフを言いながら。繰り返すのだ。


 セリフはこんな感じだ。


〔Aチーム〕ダンス長持ち どの子が欲しい?

〔Bチーム〕あの子が欲しい?

〔Aチーム〕あの子じゃ、分からん。

〔Bチーム〕〇〇ちゃんが欲しい。

〔Aチーム〕何になっていくの?

〔Bチーム〕ウサギになっておいで。


 次にAチームとBチームのセリフが入れ替わる。


〔Bチーム〕ダンス長持ち どの子が欲しい?

〔Aチーム〕あの子が欲しい?

〔Bチーム〕あの子じゃ、分からん。

〔Aチーム〕△△ちゃんが欲しい。

〔Bチーム〕何になっていくの?

〔Aチーム〕ゴリラになっておいで。


 そうすると、Aチームから〇〇ちゃん、Bチームから△△ちゃんが前に出て、ジャンケンをする。〇〇ちゃんが負けたとすると、〇〇ちゃんは指示されたウサギの格好をして・・・例えば、両手を耳にして、飛び跳ねながら・・・Bチームに加わるわけだ。


 そうして、Aチーム、Bチームとも、今度はどの子にどんな格好をさせようかと作戦会議をして・・・作戦が決まれば、また、横一列に向き合って、初めから繰り返すのだ。こうして、一人もいなくなったチームが負けだ。


 小学校で習ったときに、先生が「これは『ダンス長持ち』と言うのだ」と教えてくれた。


 で、僕は今日このことを思い出して、「しかし、これがダンスというのは、大げさだなあ」と思ったのだ。だって、腕を組んで、横になって、前に3歩いて、右足を軽く上げながら、セリフを言うだけなのだ。


 足を上げるという点では・・宝塚なんかで、キレイなお姉さんたちが美脚を披露しているラインダンスの一種だと言えば、言えないこともないわけだが・・・「それにしても、ダンスというのは大げさだ」と思った次第だ。


 確かに、ジャンケンで数多く勝って、させた方が勝ちなので・・・『』と言う名称はそのとおりなのだが・・・


 そこで、今日、僕が神と仰ぐ『インターネット様』で調べてみたのだ。


 ところが、神様の中に『ダンス長持ち』なんて、まるで出ていないのだ。


 あれっ、おかしいなあ・・・どうして?


 そこで、『どの子が欲しい あの子が欲しい』で調べてみると・・・ありました、ありました。で、『インターネット様』を読んで、ビックリしてしまった。


 なんと、『ダンス長持ち』ではなくて、『箪笥たんす長持ながもち』だったんですね。『ダンス』ではなくて『箪笥たんす』。そして、『長持ち』は『長持ちする』の『長持ち』ではなくて、嫁入り行列やお雛様の中にある衣装箱の『長持ながもち』だったんだ。


 そして、これは、ダンスを踊っているのではなくて、『花いちもんめ』という童謡の唄と振りなんだそうだ。で、『花いちもんめ』は全国各地にいろいろなバージョンがあって・・・当時、僕がいた関西では『箪笥たんす長持ながもち』というバージョンで歌われていたんだそうだ。


 やっぱり、ダンスじゃなかったんですね。納得です・・・


 しかし、いや~、驚きました。長い間、僕は『ダンス長持ち』だって思い違いをしていました・・・小学校の先生が言った『箪笥たんす長持ながもち』を、ず~と『ダンス長持ち』と聴き違えていたわけだ。


 こういうふうに、長く思い違いをしていたってことって、ありますよね。


 前に、この日記でチラリと書いたが・・・僕の好きな作家に椎名誠さんがいる。椎名さんが、得意の抱腹絶倒エッセイの中で、こんな話を書いていた。


 有名な熱血野球マンガ『巨〇の星』の主題歌が流れるシーンで、主人公の少年が大きな整地ローラーを引張っている画面が出て、「おもいこんだら~」という歌詞が流れるのだ。これを「思い込んだら~」ではなくて、「重いコンダラー」と解釈して、「ああ、そうか。あの整地ローラーを『コンダラー』というのか」と長年勘違いをしていたという話だ。


 椎名さんは、自分はこういう間違いをしていた『コンダラー世代』だと話をまとめていた。


 彼はプロの作家なので、『コンダラー世代』というのは創作だと思っていたのだが・・・『インターネット様』で調べてみると、結構、整地ローラーを『コンダラー』だと思い違いをしていた人がいるんですね・・・


 で、今日のよかったことは・・・


 『ダンス長持ち』ではなくて、『箪笥たんす長持ながもち


 『重いコンダラー』ではなくて、『思い込んだら~』


だって、皆様にお知らせできること。


 どう? 皆様は勘違いをしていませんでした?


 ところで、関西では『花いちもんめ』を『箪笥たんす長持ながもち』というのも不思議ですね。きっと何か深い由来があるんでしょうね。


 皆様のところは、『花いちもんめ』のことをどう言っていましたか?   

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