95 2023年1月9日(月) オカンって関西弁?

 テレビでお笑いの人たちが「オトンが・・オカンが・・・」と言って、笑いを取っていた。


 僕と一緒にそれを見ていた妻がこう言った。


 「私、あのオトン、オカンという関西弁は大嫌い」


 妻の言葉を聞いて、僕は首をひねった。

 

 オトン、オカンって本当に関西弁なのかなあ?・・・


 以前この日記にチラリと書いたが、僕は昔、関西に住んでいたことがある。だが、僕はオトンとかオカンなどという言葉は一度も聞いたことがないのだ。友人たちが話すのを聞いたことがないし、街を歩く見知らぬ人たちが話すのも聞いたことがない。もちろん、僕自身も一度も使ったことがないのだ。


 僕に縁のある土地が、たまたま、『オトン、オカン』という言葉を使わないだけなのかもしれないが・・僕には、『オトン、オカン』という言葉は、実は関西弁ではないように思えるのだ。


 違っているのかもしれないが・・なんだか、あるとき、お笑いのタレントさんがテレビの中で、『オトン、オカン』という言葉を使い始めて、それがいつの間にか、昔からあった関西弁であるかのように広まっていったような気がする。だから、『オトン、オカン』というのは昔からあった言葉ではなくて、最近になって、新しく作られた言葉なのじゃないのかなあ?


 こんなふうに、昔からあったと思われる言葉や物が、実は意外にも、比較的新しい時期に登場していた・・ってこと、ありますよね。


 きっと、『オトン、オカン』という言葉もそうなのだと思うのだ。(違ってるかもしれないよ)。


 そこで、同じような言葉や物が他にもないか調べてみた。


 すると、ありました。意外にも食べ物が結構多い。以下、『昔からあったと思われる言葉や物が、実は意外にも比較的新しい時期に登場していた』という例をいくつかご紹介するよ。


*************


1,くノ一(女忍者)


 皆様がよくご存じのように、『くノ一』というのは女忍者のことだ。テレビの時代劇では必ずといっていいほど、女忍者の『くノ一』が登場して、テレビの中で縦横無尽の活躍している。ちなみに、『くノ一』という名前は、『女』という漢字が、『く』と『ノ』と『一』から構成されていることに由来しているのだ。


 だから、僕は女忍者を表わす『くノ一』という言葉は、かなり古くからあって・・おそらく江戸時代ごろには存在していたのだと思っていた。


 ところが、違うんですね。


 インターネットで調べると、もともと『くノ一』は『女忍者』ではなく、『女』を指す隠語として、かなり古くから使われていたのだ。しかし、『女忍者』を指す『くノ一』という言葉は、戦後の忍者小説がブームだった昭和30~40年ごろに、小説の中で創作されたらしい。そもそも、戦国時代や江戸時代には、情報を収集する『女スパイ』のような女性はいたらしいのだが・・あのような活劇をする女の忍者は存在しなかったらしいのだ。テレビでは、戦国時代や江戸時代に女忍者が活躍しているが・・実際は、女忍者はいなかったんですね。


 なあんだ。女忍者を表わす『くノ一』という言葉は古くからあったと思い込んでいたが・・・昭和にできたなんて・・・意外!


 やっぱり、テレビの時代劇の影響で、昔からあったと思い込んでしまうんだね。



2.たこわさ


 『たこわさ』とは『たこわさび』のことだ。タコを生のまま、ワサビ、酒などとともに和えて塩辛にしたもので、居酒屋の定番メニューだ。読者の皆様の中にも『たこわさ』が大好きだとおっしゃる方が多いのではないだろうか? もちろん、僕も大好きだよ。


 塩辛は飛鳥時代の文献には登場しているらしいので、僕は塩辛の一種である『たこわさ』も相当古くから食べられていたと思っていた。しかし、調べてみると・・・『たこわさ』が誕生したのは、なんと1991年らしいのだ。


 ええっ、1991年だったら、つい最近じゃん・・・


 どういうことかと言うと・・・1991年に、三重県のある食品会社で、仕事でミスをした社員の罰ゲームとして、タコにワサビを混ぜたものを食べさせたらしいのだ。そうしたら、意外にも大変おいしかったので、その後、商品化されたらしい。


 そして、その後の日本酒ブームなどで、『たこわさ』が全国に広まったというわけだ。


 『たこわさ』なんて古くからあると思っていましたが・・1991年とは・・意外ですねえ・・



3.ビリケンさん


 皆様は『ビリケンさん』をご存じでしょうか?


 大阪の通天閣に、尖った頭と釣り上がった目が特徴的な金色の神様の像が鎮座している。これが『ビリケンさん』だ。


 と・・よく知っているように書いたが、ネットの受け売りだ。僕は実物を生で見たことはない。ただ、テレビでは何度か見たことはある。


 それで、僕は『ビリケンさん』というのは、古くからある地元のお地蔵さんか何かだと思っていた。


 ところが、調べてみると・・・『ビリケンさん』はなんと、アメリカ生まれなんだね。しかも、生まれは1908年らしいのだ。1908年というと、明治41年なのだ。


 そして、『ビリケンさん』を製作したのは、フローレンス・プリッツさんというアメリカの女性芸術家らしい。


 この『ビリケン』という不思議な名前なのだが・・プリッツさんが、当時のアメリカの大統領のウィリアム・ハワード・タフトという人から名付けたらしい。どういうことかと言うと、彼女が自分の造った像に、ウィリアムの愛称『ビリー』と、小さいを表す接尾語『-ken』をつけ加えて、『ビリケン』という名前にしたのだそうだ。


 それで、翌年の1909年に『ビリケン』が日本に輸入されて、商売繁盛や家内和合の神様として花街を中心に流行したらしいのだ。


 『ビリケンさん』は日本古来のお地蔵さんどころか、1908年生まれのアメリカ人だったのだね。


 すっかり騙されていました・・・さすが、お笑いの大阪! 『ビリケンさん』も奥が深い!



4.刺身を酢飯に乗せて食べる、今の方式の握り寿司


 握り寿司のルーツは江戸時代だ。


 江戸の屋台で握り寿司が売られていたということは、僕も知っていた。現代でいうファーストフードだったわけだね。そして、江戸前(東京湾)でとれる魚介類や海苔を使っていたことから、『江戸前寿司』と言う言葉ができたわけだ。


 テレビでは、江戸時代の地方を舞台にした時代劇でも、よく屋台の寿司屋が登場している。画面の中で、侍や町人たちが、今のように、刺身をネタにした寿司を醤油につけてつまんでいるのだ。


 僕は何の疑問も持たずに、テレビの時代劇の、こういう寿司のシーンを見ていた。


 だから、江戸時代では、どこの地方でも今のような握り寿司を食べていたと思っていた。


 だが、調べてみると・・・刺身を酢飯に乗せて食べる握り寿司という、今のスタイルの寿司は、当時は江戸でないと食べられなかったらしいのだ。どういうことかと言うと、当時は、冷蔵技術が発達しておらず、人口も江戸に集中していたので、寿司職人が圧倒的に江戸に多かったのだ。


 つまり、江戸には江戸前(東京湾)があるので、とれた魚介類をすぐにネタにすることができたのだ。さらに、大都市の江戸にはたくさんのお客がいた。こういった背景から、当時、握り寿司という商売が成立したは江戸だけだったのだ。つまり、寿司職人は江戸に集中していたということになる。


 ということは、当時は、握り寿司というのは江戸だけで食べることができる、一種の江戸の『郷土料理』だったのだ。


 では、地方でも今のような『刺身を酢飯に乗せて食べる握り寿司』が普通に食べられるようになったのはいつかと言うと・・・なんと、1923年以降なのだという。


 1923年(大正12年)に、関東大震災が起こり、多くの寿司職人が東京を離れて、地方に散っていった。その後、冷蔵技術が発達して、やっと地方でも、今のスタイルの『刺身を酢飯に乗せて食べる握り寿司』が普通に食べられるようになったらしいのだ。


 それまで、地方では今のスタイルの握り寿司が食べられなかったのですね。知りませんでした・・・ 


*************


 さて、如何でしたでしょうか?


 こんな話は知ってどうなるというものでもないが、調べてみると、意外なことが一杯あって、面白いですね。


 で、こういったことをお話しできるのが、今日のよかったこと。。。


〔皆さん〕アホバカ最底辺作家のお前に言われんでも、そんなこと、知っとるわい! こんな話なんか全然オモロないわい! このボケェェ! 


 ( 'д'⊂彡☆))Д´) パーン


 ひぃぃ・・・


 はい、はい、こんな超駄作はお呼びでなかったですね。こりゃまた、失礼、いたしやしたぁぁ・・・ガチョーン!・・・


〔皆さん〕って、これは、『92 12月26日(月) 続・最後の一葉』と同じ終わり方やんけ。同じのんを繰り返すようになったら、お前もいよいよ終わりやな。。。反省せんかい。


 はい。もう反省しました。


〔皆さん〕何回、反省してん?


 はい。『反省せんかい』って言われましたので、『千回』しました。


〔皆さん〕このボケェェ! もう一度、反省せんかい。


 はい。・・・(グルグル)・・・


〔皆さん〕何やってんねん?


 はい。『反省せんかい』って言われましたので、『旋回』しました。


〔皆さん〕もう、ええわい。このボケェェ! 


 ( 'д'⊂彡☆))Д´) パーン


 ひぃぃ・・・。


 ということで、今年もこの日記をよろしくお願いいたします。

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