96 1月10日(火) ボクはリッキー・ダバオ

 学生のころ、金沢の地下街を歩いていた。


 こう書くと、またまた皆様の声が聞こえるよ。


 「あっ、また、金沢の話だ。アホバカ最底辺作家は金沢以外の話を書けないのかねえ? きっと、あのバカは金沢に住んでるのよ。あんなバカが住んでるなんて、金沢の人は迷惑よねえ」


 「どうせまた、女子トイレが出てくるんでしょ。金沢の地下街を歩いていたら、お腹が痛くなって、また女子トイレの個室に飛び込んだって話なんでしょ。いッつも、いッつも、女子トイレの話ばかりで、ホント、アホバカ最底辺作家って、変態ねエ・・イヤァネェ~・・」


 「アイツはね、ホントは、オンナなのよ。だから、周りの女性がアイツをオンナとして扱うのよ。アイツ、普段もきっと女子トイレを使ってるのよ・・」


 はい。はい。この日記にはよく金沢が登場します。しかし、それはホントにたまたま旅行に行ったときの実話を書いているだけで、僕は金沢や金沢の近くに住んでいるわけではありません。


 女子トイレの話もよく書きます。しかし、それも僕がオンナだからではなく、たまたまなのです。ちなみに、普段は僕は男子トイレしか使いません(当たり前か)。読者の皆様はとても信じられないだろうけど、僕は一応は♂なのです。


 女性陣の「あんた♂なの? へえ~っ」って声が聞こえますが、話を戻しますよ・・


 地下街の向こうで二人の若い女性が、僕を指さして何か話しているのが見えた。僕が彼女たちの方を向いたのが、きっかけになったようで、彼女たちが僕の方に走ってきた。何事かと驚いて、僕は立ち止まった。


 彼女たちは僕の前に来ると、僕にこう聞いたのだ。


 「〇〇〇○〇 〇〇〇さんですか?」


 『〇〇〇○〇 〇〇〇』は、僕の知らない人の名前だった。姓名をひらがなで書くと、この〇のようになる。『○』は小さいひらがなだ。僕は彼女たちに言った。


 「いえ、違います。ナガシマと言います」


 人違いだったのだ。そう思った僕は彼女たちを残して、地下街を歩き出した。彼女たちは、まだ、そこに立って僕を見つめていた。なんだか残念そうな、名残惜しそうな彼女たちの顔が印象的だった。


 金沢の話はこれだけだ。だが、『〇〇〇○〇 〇〇〇』という名前が僕の頭に強く残ったのだ。


 その後、結婚してから、妻とテレビを見ていたら、画面に金沢の地下街が映し出された。それで、このときのことを思い出した。そこで、妻に聞いたのだ。


 「君。『〇〇〇○〇 〇〇〇』って知ってる?」


 妻は言った。


 「ええ、知ってるわよ。△△△ちゃんと映画とかドラマで共演した人でしょ」


 △△△ちゃんは僕でも知ってる超有名なアイドル歌手だ。


 えっ、すると、あのとき、僕は芸能人と間違えられたのか! 芸能人に間違えられるなんて、初めての経験だった。ネットで調べると、『〇〇〇○〇 〇〇〇』さんは確かに僕によく似ていた。芸能人に似ているなんて、なんだか、うれしい気がした。

 

 『〇〇〇○〇 〇〇〇』さんは多くの映画やドラマで活躍された後、今は芸能界を引退されているようなので、名前は伏せますよ。僕なんかに似ているということで、ご迷惑が掛かってはいけないからね。


 それから、だいぶ経って、また芸能人と似ているって言われたのだ。今度は海外の映画スターだ。


 仕事でフィリピンの人と会ったときのことだ。


 雑談のときに、その人から「あなたは、若い頃のリッキー・ダバオによく似ている」と言われた。しかし、このときも、僕は『リッキー・ダバオ』という人は全く知らなかった。それで、その人に聞くと、フィリピンの人なら誰でも知っている超有名なアクションスターなのだそうだ。


 『リッキー・ダバオ』さんは今も現役の俳優さんなので、こちらは名前を出しますよ。ちなみに、『リッキー・ダバオ』のスペルは『Ricky Davao』だ。


 さっそくネットで調べてみた。『リッキー・ダバオ』さんは、今はナイスミドルという言葉がピッタリな、『いい中年のおじさん』という感じの人で、僕とはちょっと違うかなあという感じもしたが・・若い頃の『リッキー・ダバオ』さんは僕に似ていたのかもしれないと思った。


 当時、僕の家の近くに、旦那さんが日本人で、奥さんがフィリピン人のご夫婦が住んでおられた。それで、町会の集まりのときに、そのフィリピンの奥さんに「僕は『リッキー・ダバオ』に似てますか?」って聞いてみたのだ。奥さんはちょぴり首を傾けて僕を見ていたが、やがて「確かに似てる」って言ったのだ。


 このときも、僕はうれしかった。


 きっと、読者の皆様も芸能人に似てるって言われたことがあると思う。しかし、なんだろうね。芸能人に似てるって言われると、何だかうれしい、あの気持ちは・・


 それで調べてみたら、なんと『よく似ている芸能人を診断してくれるアプリ』があるんだね。『そっくりさん』、『有名人診断』、『美男美女診断』なんてのが、いっぱい出てきました。・・やっぱり、みんな、芸能人に似てるって言われたいんだね。


 それで、僕もアプリでやってみました。その結果は・・極楽とんぼの加藤浩次さんでした。似てるかなあ? やっぱ、似てないなあ?(笑) 


 まあ、こういったアプリは『本当に似ているかどうか』ではなくて、その結果を見て、みんなで笑って盛り上がろうという一種のパーティーゲームのようなものらしい。なので、診断結果といっても『お遊び』の領域なんだ。だから、診断された有名人に『似ている/似ていない』って真剣に考えるのは野暮というものだそうだ・・


 みなさんも『よく似ている芸能人を診断してくれるアプリ』で遊んでみてください。きっと、面白いよ。


 こういうアプリをお知らせできたことが、今日のよかったこと。


〔皆様〕そんなアプリ、もう知ってるわい! このボケ! ( 'д'⊂彡☆))Д´) パーン


 ひぃぃぃ・・

 

 こりゃまた、失礼、いたしやしたあ・・ガチョーン!

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