92 12月26日(月) 続・最後の一葉
『13日の金曜日』というホラー映画をご存じだろうか? 有名なホラー映画だから、名前を知っている方や映画を見られた方も多いと思う。殺人鬼ジェイソンが次々と人を殺していくという話だ。
映画のストーリーをここに書くのはルール違反だから書かないが、タイトルの由来だけを紹介すると、この『13日の金曜日』というタイトルは・・・映画の中で、1957年の13日の金曜日に米国ニュージャージー州のキャンプ場で、一人の少年が溺れて行方不明になったことに由来している。
そして、この映画『13日の金曜日』が大ヒットしたので・・・なんと、『14日の土曜日』という映画が作られたのだ。続編ではない。続編は『13日の金曜日シリーズ』として、『14日の土曜日』とは別に何本もの映画が製作されている。
『14日の土曜日』は『13日の金曜日』とはまったく別の内容の、「13日の金曜日よりもっと恐ろしいのは14日の土曜日だ」という悪ふざけのような、コメディータッチのホラー映画なのだ。つまり、タイトルだけをパクった作品だ。
でも、驚くなかれ。実はそれだけでは終わらないのだ。『14日の土曜日』の後で、『12日の木曜日』という映画まで製作されている。こちらはホラー映画ではない。やはり、タイトルだけをパクったサスペンス映画なのだ。
しかし、『13日の金曜日』の次の映画が『14日の土曜日』で、そのさらに次の映画が『12日の木曜日』ねぇ・・・
こうなったら、もう何でもありですねぇ。悪ふざけで、『有名な作品とは内容がまったく異なるが、タイトルだけを続編のように見せている』という『続編もどき』を作ってもいいんだったら、いくらでも出来るじゃん。
というわけで、僕も『続編もどき』に挑戦してみました。
狙うは、オー・ヘンリーの有名な短編小説『最後の
スーとジョンジーは画家の卵だ。芸術家たちが集まっているアパートの一室で、二人は一緒に暮らしている。しかし、ジョンジーは病気になって、「窓から見える隣の家の壁に乗っているツタの葉がすべて落ちたら、私も一緒に死んでしまう」と思い込んでしまう。スーは同じアパートに住む老画家のベアマンに相談する。その夜、嵐がやってきた・・・
翌朝、ジョンジーはスーにカーテンを開けてほしいと頼む。スーがカーテンを開けると・・・ツタの葉が一枚だけ残っていた。こうして、ジョンジーは生きる希望を見い出して、病気は回復していく。実は、そのツタの葉は、夜にベアマンが描いた絵だったのだ。・・・だが、ベアマンは嵐の夜に絵を描いたことが原因で病気になり、亡くなってしまう。
さて、以下は僕が作った続編もどき『続・最後の一葉』だよ。
*************
私はジョンジー。
ベアマンはね、あのとき亡くなったと思われたんだけど、幸いに一命をとりとめて、今は元気にしているわ。
一方、あれから、私は病気が治ったの。だけど、しばらくして、私はまたもや病気になってしまったのよ。
・・・・・・・・・・
私はベッドに寝ながら、窓を通して隣の家の厚い壁を見た。隣の家の厚い壁にはツタが乗っていた。
私はスーに言った。
「隣の家の厚い壁に乗っているツタの葉がすべて落ちたら、私も死んでしまうのね。今夜は嵐だから、もう私の命もおしまいね」
スーが答えた。
「ジョンジー。どうか、そんなことを言わないで」
私はにっこり微笑むと眼を閉じた。私は知っているのだ。以前、私が病気になったとき、スーがベアマンに相談して、ベアマンが壁にツタの絵を描いたことを。
だから、今度は私がベアマンに頼んでおいたのだ。また、壁にツタの絵を描いてねって。明日、まだ、ツタの葉が残っているのを見たら、きっとスーはびっくりするだろう。今度は私がスーを驚かせる番だ。
その夜、嵐が来た・・・
翌朝、私はスーに頼んだ。
「スー。どうか、窓のカーテンを開けてちょうだい。ツタの葉を見てみたいの」
スーはためらっていたが、私が何度も頼むと、意を決したようにカーテンを引き開けた。
窓から朝陽が差し込んだ。昨夜の嵐がウソのような快晴だった。そして、隣の家の厚い壁には・・・ツタの葉は一枚も無かった・・・
えっ、なんで?
スーが朝食の準備をしに台所へ行くと、私はさっそくスマホでベアマンに電話した。
「ベアマン。どないなってんねん? ツタの葉の絵があらへんやんけ」
電話の向こうで、ベアマンの「えっ」という声が聞こえた。ベアマンは何かゴソゴソやっていたが、やがて、電話口でこう言った。
「ジョンジー。済まない。昨日、ツタの絵は描いたんだが・・・水彩絵の具だった」
水彩絵の具やて! アホか!
・・・・・・・・・・
数日後、私はベッドに寝ながら、窓を通して隣の家の厚い壁を見た。そこには、ツタが乗っていた。あれから、隣の住人が新たにツタを植えたのだ。
私は再びスーに言った。
「隣の家の厚い壁に乗っているツタの葉がすべて落ちたら、私も死んでしまうのね。今夜は嵐だから、もう私の命もおしまいね」
スーが答えた。
「ジョンジー。どうか、そんなことを言わないで」
私はにっこり微笑むと眼を閉じた。私はベアマンに頼んでおいたのだ。今度は絵じゃなくて、造花のツタの葉を隣の壁に乗せてくれって。それなら、嵐でも大丈夫よ。
その夜、嵐が来た・・・
翌朝、私はスーに頼んだ。
「スー。どうか、窓のカーテンを開けてちょうだい。ツタの葉を見てみたいの」
スーはためらっていたが、私が何度も頼むと、意を決したようにカーテンを引き開けた。
窓から朝陽が差し込んだ。昨夜の嵐がウソのような快晴だった。そして、隣の家の厚い壁には・・・ツタの葉は一枚も無かった・・・
えっ、なんで?
スーが朝食の準備をしに台所へ行くと、私はさっそくスマホでベアマンに電話した。
「ベアマン。どないなってんねん? 造花のツタの葉があらへんやんけ」
電話の向こうで、ベアマンの「えっ」という声が聞こえた。ベアマンは何かゴソゴソやっていたが、やがて、電話口でこう言った。
「ジョンジー。済まない。昨日、造花のツタの葉を壁に乗せたんだが・・・100円ショップで買った安物だったので・・・今、触ってみたら、手で簡単に引きちぎれるんだ。きっと、昨夜の嵐でバラバラに飛ばされちまったんだ」
ツタの葉の造花は100円ショップで買ったものですって! だから、安物は買うなって、あれだけ言ったのに! 『安物買いの銭失い』ってお前のことじゃ。あまりにバカバカしくって、私のヘソが茶を
・・・・・・・・・・・
さらにその数日後、私はベッドに寝ながら、窓を通して隣の家の厚い壁を見た。そこには、ツタが乗っていた。あれから、隣の住人が新たにツタを植えたのだ。
私は、またもや、スーに言った。
「隣の家の厚い壁に乗っているツタの葉がすべて落ちたら、私も死んでしまうのね。今夜は嵐だから、もう私の命もおしまいね」
スーが答えた。
「ジョンジー。どうか、そんなことを言わないで」
私はにっこり微笑むと眼を閉じた。私はベアマンに頼んでおいたのだ。今度は絵でも造花でもなく、どんな嵐が来ても、絶対にツタが厚い壁に乗っている方法にしてくれって。
その夜、嵐が来た・・・
翌朝、私はスーに頼んだ。
「スー。どうか、窓のカーテンを開けてちょうだい。ツタの葉を見てみたいの」
スーはためらっていたが、私が何度も頼むと、意を決したようにカーテンを引き開けた。
窓から朝陽が差し込んだ。昨夜の嵐がウソのような快晴だった。そして、隣の家の厚い壁には・・・ツタの葉は一枚も無かった・・・
えっ、なんで?
スーが朝食の準備をしに台所へ行くと、私はさっそくスマホでベアマンに電話した。
「ベアマン。どないなってんねん? あんだけ頼んだのに、ツタの葉があらへんやんけ」
電話の向こうで、ベアマンの「えっ」という声が聞こえた。少しして、ベアマンが済まなさそうに電話口でこう言った。
「ジョンジー。ダメかなあ? 昨夜、ツイッターでカニの話を述べたんだが・・・この方法なら、ツタは絶対に嵐の影響を受けないんだがなあ・・・」
「えっ、『ツイッターでカニの話を述べた』ですって? それって、何のことよ? ベアマン、あんた、一体何を言ってんのよ?」
ベアマンの声が聞こえた。
「ジョンジー。つまりさぁ・・・ジョンジーが『どんな嵐が来ても、絶対にツタが厚い壁に乗っている方法にしてくれ』って言うからさあ・・・これはこういうことさ・・
ツイッターでカニの話を述べる・・・
ツイッター カニ 述べる・・・
ついつたあ かに のべる・・・
ついつたあかにのべる・・・
・・・入れ替えて・・・
つたあついかべにのる・・・
つた あつい かべ に のる・・・
ツタ 厚い 壁 に 乗る・・・
ツタ、厚い壁に乗る。。。」
ぎゃび~ん! アホかぁぁぁぁぁ! アホらしゅうて、もう病気になんかなってられるかい! このボケェェェェェ!
こうして、あまりのアホらしさに、私はまたもや病気から回復したのよ。
了
*************
如何でしたでしょうか? 僕が作ったパロディー『続・最後の一葉』は?
これをアップできたたことが、今日の『ボクのよかったこと』だよ。。。
〔皆さん〕全然オモロないわい! このボケェェェェェ! ( 'д'⊂彡☆))Д´) パーン
ひぃぃぃぃぃ・・・
はい、はい、こんな超駄作はお呼びでなかったですね。こりゃまた、失礼、いたしやしたぁぁぁぁぁ・・・
〔皆さん〕ガチョーン!
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