40 5月29日(日) サウイフモノニ ワタシハナリタイ

 ふと思ったのだ。


 宮澤賢治に「雨にも負けず・・(中略)・・そういうものに私はなりたい」っていう有名な作品があったでしょう。


 あの文章を参考にすれば、今の自分自身がどういう人間かっていう分析や、自分が将来なりたい人物像なんてものを簡単に表現できるんじゃないかなってね。


 それで、これを思いついたってことが、今日のよかったことだよ。


 さっそく、ネットで調べてみた。


 「雨にも負けず・・」は、『雨ニモマケズ』という詩だった。原文のままを以下に引用してみるよ。


******************

〔雨ニモマケズ〕

宮澤賢治


雨ニモマケズ 

風ニモマケズ 

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 

丈夫ナカラダヲモチ 

慾ハナク 

決シテ瞋ラズ 

イツモシヅカニワラッテヰル 

一日ニ玄米四合ト 

味噌ト少シノ野菜ヲタベ 

アラユルコトヲ 

ジブンヲカンジョウニ入レズニ

ヨクミキキシワカリ

ソシテワスレズ

野原ノ松ノ林ノ蔭(※)ノ

小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ

東ニ病気ノコドモアレバ

行ッテ看病シテヤリ

西ニツカレタ母アレバ

行ッテソノ稲ノ朿ヲ[#「朿ヲ」はママ]負ヒ

南ニ死ニサウナ人アレバ

行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ

北ニケンクヮヤソショウガアレバ

ツマラナイカラヤメロトイヒ

ヒドリノトキハナミダヲナガシ

サムサノナツハオロオロアルキ

ミンナニデクノボートヨバレ

ホメラレモセズ

クニモサレズ

サウイフモノニ

ワタシハナリタイ


青空文庫ファイルより引用。

※は原文では、「蔭」の「陰のつくり」に代えて「人がしら/髟のへん」。

******************


 これを使って、カクヨムに置ける僕自身を描写すると次のようになる。賢治の文章は文節ごとに改行してるけど、ここでは1文字開けるよ。


 『カクヨムにおいて 毎日PVを気にし 毎日お星さまが付いてないかと気をもんでいるが それでも一向に PVは増えず それでも一向に お星さまも付けてもらえず 東で誰かの作品に お星さまが一杯ついているのを見ては 羨望の涎を垂らして 西で誰かの受賞の知らせを見ては すごいなあと ただただ茫然となって感心しているだけで 自分の作品は面白いはずだという 偏屈な間違った想いを 決して改善しようとせず 誰からもお星さまを付けてもらえないという現実を 決して直視しようとせず 毎日毎日 何の勉強もせず 何の努力もせず 誰からも読んでいただけない どうしようもない 駄作駄文をひたすら書いている サウイフモノガ ワタシナノダ』


 うわ~。ぴったり過ぎて笑っちゃいました~。


 この日記の5月13日(金)のところで、僕は女性から女子と思われて、女子として扱われているという話を書いた。


〔天の声:ウフフ・・・みなさん、コイツ、気にしてないと言いながら・・女性から女子として扱われていることを結構気にしてんだよ〕


 天の声は無視しよう。マツ虫、すず虫、くつわ虫・・じゃあなかった。無視、無視・・


 それで、5月13日(金)の話を賢治ふうに書くとこうなる。


 『東の女性が私の眼の前で 平然と靴下の乱れを直し 西の女性が私の眼の前で 平然とブラウスの裾をスカートの中に入れて 南の女性が私の眼の前で 平然と化粧をし 北の女性が私の眼の前で 平然とコンパクトを見ながら 平然と口紅を塗り直している それでも私は それを呆然と見ているだけ そして私は女性から 旦那さんの自慢話なんかのマウンティングを 平気でされている どの女性からも 決してオスとして見てもらえず 女子としてしか見てもらえず いつも女性と同性の 女子と思われていて いつも女性と同性の 女子として扱われている サウイフモノガ ワタシナノダ』


 うわ~。ぴったり過ぎて、返ってショックを受けるよぉぉ~。がびぃぃ~ん。


 しかし、これを逆に書けば、自分が理想とする自分像を描けるわけだ。


 たとえば、カクヨムに置ける理想の自分像はこうなるはずだよ。


 『カクヨムにおいて 決してPVを気にせず 決してお星さまの有無を気に掛けることなく 一向にPVが増えなくても 一向にお星さまも付けてもらえなくても いつも笑顔を絶やさず 静かに笑って過ごしている 東の方で誰かの作品に お星様が一杯ついているのを見ては 素晴らしいと思い その作品を勉強し 西の方で誰かが受賞したという知らせを聞いては 実に素晴らしいと感嘆して その人の作品を一生懸命に勉強し 自分の作品は面白いはずだなんていう 偏屈な間違った想いを 決して持つことはなく 誰からもお星さまを付けてもらえないという現実を これは自分が悪いんだと解釈し ひたすら反省して 常に自己研鑽に励み 努力を怠らず 毎日毎日 文章の勉強をし 良い話が書けるようにひたすら努力をし それでも駄作駄文しか書けない という現実に直面し 誰からも読んでいただけない どうしようもない 駄作駄文をひたすら書いている サウイフモノニ ワタシハナリタイ』


 えっ・・・なんで?・・・理想の自分像でも・・・僕はやっぱり駄作駄文を書いてるじゃん。


 やっぱり、ダメね、ワタシ・・・



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